良い会社が集まり良い社会が出来る 〜SSC認定コンサルタントに就任した理由〜
今の日本が良い社会か否か?との問いに対する答えは、人によって様々だと思います。世界を見渡すと戦争や紛争で命の危険にさらされている人も数多くいますし、貧困にあえぎ飢餓に苦しむ人もまだまだいます。それに比べると、日本は随分とマシで、幸せな暮らしが営めていると言う方もいるでしょう。逆に、日本にも格差と分断が広がり、生きづらさを抱えている人がたくさんいる。人口が減少し、内需が冷え込むと同時に、これからどんどん経済は衰退していく。若者の死因のナンバーワンは自殺だし、課題だらけではないか。と見る向きもあるでしょう。
今の日本が良いか、悪いかの判断はさておき、不幸な人を見て、自らを慰めても仕方ないし、将来の不安に思い悩んだところで、今も未来も何にも変わりません。私たち「責任のある大人」が、行うべきは、より良い未来を作れるために計画し、実行し、生きるに値する世界を創造するしかありません。
誰1人取り残さない世界とは民主主義の実装
国連に加盟している国と地域が批准して、2030年に目指すべき目標として定めたのは、貧困や飢餓、差別のない誰1人取り残さことのない世界です。今の世界情勢を見てみると、目標達成は絶望的で、完全に真逆の方向に進んでいるとしか思えませんが、それぞれの国は、それぞれの正義を持ち、理想の実現のために活動しているのは間違いありません。
そして、ほとんどの国は形骸化しているとは言え、民主的なプロセスによって施政者が決められることになっています。現在では強権的な国の代表であるロシアや中国でもそもそもは民衆による革命で社会システムを変えました。憲法では明確に民主主義の国だと謳っています。世界が良くなるか否かは、結局それぞれの国の国民の一人ひとりの意思によって決められ、その集積であるのが今の世界の原則です。
民とは何者でもない私の集まり
人が生きるに値すべき世界の実現とは、真の民主主義の確立と言っても大きく違わないと私は思っています。民が中心になり民が考え民が実現する。貧富の差や、学歴、肌の色や生まれた国、様々な条件によって差別や区別されることなく、誰もが生きがいを持って生きられる、そんな世界をすべての民が目指すべきだと思っています。そして、その民とは、まさに私たち、自分自身のことだと思うのです。
何者でも無い私が、世界を変えると言うのは烏滸がましいにも程がある。と思いがちですが、民のひとり一人の無関心が解決不可能と思える程、社会課題が溢れる今の社会を作り出しているのもまた事実。一人ひとりがまず、目の前の人の苦しみや悲しみに対する無関心を止めて、たとえ小さなことからでも一歩を踏み出す勇気を持たなければ世の中は一向に変わりません。これから個々の意識変容が進むのがSINIC理論で示された未来でもあります。
まず変わるべきは、地域のリーダー
そして、まず、意識を変えるべきは、規模の大小問わず、組織のリーダーと目される人からであるべきだと思うのです。代表的なのは日本の企業の97%を占める中小企業の経営者です。まず、経営者が良い社会を目指すために、行うべきは自社を良い会社にすること、事業を通して社会課題を解決するようなビジネスモデルへとシフトすることで世の中は大きく変わると思っています。CSV経営、日本の商売感では三方よし経営と言われる様な地域社会から欠かせない大きな存在価値を発揮する事業を営む企業が一般化し、社会のスタンダードになれば、政治ではなく、民間主導で世の中は随分と良くなるし、多くの社会課題の解決が進むのではないかと思います。
そんな良い会社の基準を定め、認証している団体や機関がいくつかあります。その中でも日本最大のシンクタンクであり、全国47都道府県幸福度ランキングの編纂を毎年行っている日本総合研究所の監修で、未来創造研究所が出しているSSC認証は87項目にも及ぶチェックがある非常に厳しいものです。
良い会社がスタンダードになれば世界は変わる
私が代表を務める株式会社四方継では、3年前に脱建築請負業を打ち出し、地域の活性化と地域貢献を柱にする事業部「つない堂」を立ち上げてコミュニティーものづくり企業へと事業ドメインを切り替えました。また、地域の自治体と協業して災害対策の応急仮説住宅に計画を進めてたりもしています。そんな取り組みが認められ、第5期未来創造企業に認定を受けています。
また、職人育成の高等学校であるマイスター高等学院の運営に共に立ち上がった全国のメンバーは、全社、未来創造企業認定取得に向けて事業モデルの刷新に取り組まれています。第5期以降の認定企業の3分の1が建設、建築関係を占めているのは、私にとっては非常に嬉しく、これまでブラックやグレーと言われてきた業界が変わっていることを世間に明確に示する証拠になりつつあります。これから全国に広がるマイスター高等学院と足並みを揃えて、未来創造企業の認定企業が建築業界のスタンダードになってくれたら、社会が変革する大きなきっかけになると思うのです。認定基準については日本総合研究所の松岡理事長のブログに詳しく書いて頂いています。
SSC認定コンサルタントに就任した理由
以上のような思いから、一般社団法人マイスター育成協会の立ち上げメンバーと協議した結果、マイスター高等学院の事業に参画するには、未来創造企業認定の取得が必須である。との規約を定めました。メンバーが半年間の日程研修にチャレンジする際には、私が社内のメンバー向けにキックオフのミーティングを行い、未来創造企業の認定を取る意味と意義を説明してきました。そんな経緯もあり、この度一般社団法人未来創造研究所からのご指名を頂き、正式に未来創造企業認定コンサルタントとして就任することになりました。今後は建築業界に限らず、幅広い業種、業態のチャレンジ企業に対してサポートを行うことになります。
良い社会、生きるに値する世の中を実現して、次世代に継ぐには良い会社がたくさん生まれる事が、誰でも無い私たちが取り組める最も実効的な手段だと信じて、出来る限りのサポートして参りたいと思います。
世界を変える入り口である良い会社の第三者からの認証システム、未来創造企業認証について、ご興味がある方はお気軽にご連絡ください。
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