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開かずの扉をノックし続けろ!

先日、とあるプロジェクトの会議をしていて、全く計画通りに進まない事態について話し合っておりました。計画を立てて進めているもかかわらずうまくいかない原因とか理由を分析しつつ、次なる一手を模索しながらメンバーから意見を募りました。「計画と行動を積み重ねてきた結果、成果が上がらないのはしょうがないよねと、」環境や動いてくれない人のせいにしそうな雰囲気が漂っていたところ、最も若手の経営者浮村君から、もう一度振り出しに戻って行動をやり直すべきだ!との原点に立ち返る厳しい意見が出されました。
彼曰く「開かない扉は何度でもノックをし続けないといけないんです。」との事、その一言で空気が一変し、もう一度計画の詰めが甘かった部分を練り直し、細部にこだわった行動を行うことになりました。

不必要かつ無駄な遠慮

実のところ、プロジェクトがうまく進まないのを振り出しに戻して初めから計画を練り直し、基本的な行動を起こし直すべきだと意見は多分、全員がうすうすは感じていたことだと思います。もちろん、私もその1人で、実行委員長としてプロジェクトを推し進める役割を担っていることもあり、計画に対する(私を含め)全員の行動が甘かった(成果に結びつかなかった)のは認識をしていました。ただ、いい大人の経営者が集まるコミュニティーで、何度も繰り返し同じことを要請するのはメンバーに対して負荷がかかりすぎる、打てども響かずの太鼓を打ち続けるのは皆が疲弊してしまうのではないかとの危惧があり、あえてそこには触れずに違う次の一手を探す方向に流れてしまっていました。不必要かつ、無駄な遠慮がそこに存在していた気がします。

開かない扉を開けるしかない

しかし、開かない扉で止まってしまっている計画をいろんなアプローチから眺め回してみてもその根本的な問題を解決しなければ、結局、前に進む事はありません。浮村社長が言い放った「開けなければならない扉は開くまでノックし続けるしかない。」とはけだし名言です。その当たり前のことを守るべき概念として伝えてくれた浮村社長の勇気と若さには大いに感謝すると共に会議に参加したメンバーから尊敬の眼差しが送られていました。本人はつい先日、遠く山梨まで勉強に行って聞いた講演の受け売りだと謙遜していましたが、アグレッシブに行動し、貪欲に学び、それをすぐさま実践する姿は若いというだけで片付けられない強いエネルギーを感じました。まだ若干32歳にしてこの勢いで暗黙知を表出されているのを見て、これからの世の中を変える、リーダーへの道を歩み始めているのは間違いないと思いました。

浮村社長のfbより拝借

諦めずにこじ開ける思考

開かない扉を開けるためにノックし続けなければならない。との概念は実は普段の業務の中では普通に留意している事だと思います。ノックという比喩が指す行動は様々ですが、社内で繰り返し行う1to1の面談やミーティング、リマインドをかける仕組みは全てその考え方に近しい行動だと言っても過言ではないと思います。事業は本来、計画と実行に集約され、綿密かつ詳細な計画を立てて、繰り返しシミュレーションした通りの行動が出来れば全ては計画通りに進みます。上手くいかないのは計画が曖昧で、行動が甘いからに他ならず、それぞれの精度を上げるのは、検証と改善を繰り返すというよりも、同じところ(計画と実行)を繰り返しノックし続けて成果が上がるところまでブラッシュアップするしかないと私は思っていますし、多くの経営者がその思考を持っておられると思います。

概念化の力

今回、浮村社長の発言で、その会議に集っていたプロジェクトメンバーの消えかけていた心の火が再度点火されました。次回のmtgには当事者意識を持ったメンバーを倍増どころではなく数倍に増やそうと早速行動に移してくれた人もいますし、私が「開かない扉をノックし続けるしかない!」とメッセージを送った組織のリーダー格のメンバーの多くが心に火を灯し直して返信をくれました。そんな現象を目の当たりにして、私が強く感じたのは、概念化の重要性とその大きな効果性です。これを概念化せずに、「動いてくれない人にもう一度、繰り返し声かけしましょう」と言っても、表面的には合意しても行動に熱は入らず、一応、やってみます、程度の反応になってしまいます。また、打てど響かない太鼓をもっと打とう!と鼓舞しても誰もテンションを上げてくれる事はないでしょう。強く、決意に満ちた概念化に人は惹かれ行動を起こすのだと改めてまざまざと見せつけられました。

浮村社長のfbより拝借

謙虚と真摯さが間接体験を力に変える

人と人とのコミュニケーションにおいて、比喩を使うことで理解を深めてもらう事が出来るのは誰もが知るところ。話の上手と言われる人は例え話が的を得ているとも言われます。上述した概念化の力はその比喩の力を更に強く、人をモチベートする力なのかも知れません。そして、その力を身につけるには、数多くの厳しい経験を通り抜ける必要があるのだと思います。開かない扉を開くまでノックし続ける。との言葉はそれを何度も行って、無駄だと思うような行動から成果を上げてきた人だけが口にする事ができる言葉だと思うのです。ただ、真摯に謙虚に学ぶ姿勢があれば、自分自身が直接経験しなくても、経験者から聞かされた言葉を間接体験として取り入れて人に伝えることが出来るのだと、浮村社長に教えてもらった気がします。概念化の力、身につけたいものです。

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志を固め、心に火をつける研修を行っています。

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