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オレが再生エネルギーを強く推す理由

昨日、新大阪で京阪神木造住宅協議会の研修会を開催しました。今回は九州からZEH(ゼロエネルギーハウス)のトップランナーとして有名な小山社長をお招きして改めて脱炭素社会へシフトする中で住宅事業者として取り組み内容についてお話しを頂きました。非常に具体的な事例をご紹介頂いて、未来の子供達に少しでも良い環境を残せる様にとのメッセージは太陽光発電の搭載にあまり積極的ではない工務店さんから認識を改めたとの声が出るなど、有意義な研修会になったと思います。小山社長には心から感謝申し上げます。

100%太陽光搭載

ちなみに、私が代表を務めているつむぎ建築舎では新築案件は100%、太陽光発電を搭載しており、自宅で使うエネルギーは自家発電出来るオフグリッド(電力会社からの電力供給をやめられる)な暮らしを推奨しています。まだ蓄電池の価格が下がらず今は昼間の発電で全てのエネルギーを賄うのは難しいですが、住宅性能をあげる事で昼間の発電で家の室温を保ったり、昼間に湯を沸かして夜に使ったりと随分と効果的に太陽光発電の電力を使える環境が整ってきています。また、設置時のイニシャルコストが大幅に下がったことで売電と自家消費を合わせると必ずメリットが出る様になっています。初期投資の資金が厳しい場合はパネルメーカーに10年間の売電用の屋根貸しをして自家消費に使えたりと太陽光を搭載しない理由が無くなっています。

京阪神木造住宅協議会 研修会

無関心が最大の罪

自然再生エネルギーを積極的に使うのは住まい手の金銭的なメリットもありますが、なんといっても環境への負荷を低減して美しい地球を次世代に繋ぎたいとの想いが根底にあります。産業革命以後、日本を含めた西側諸国は今だけ良ければ良いとの考え方とフロンティアスピリットで開拓と搾取を繰り返して圧倒的に地球を破壊し続けて来ました。今では地球上き野生生物はたった7%しか生存していません。CO2の削減、化石燃料の使用の抑制だけではなく私達はもっと身近なところから環境への意識を高める必要があります。誰もが無関心を決めて来たからこんなにも地球は危険な状態になったのだと思うのです。

もう一つの問題

私が自然再生エネルギーの有効活用に執着する理由はもう一つあります。それは、私の様な職人として底辺の暮らしを送って来た者しか分からない、非常に深刻で厳しい問題です。現在、数十年ぶりの円安が大きな問題になっていますが、これは貿易の問題と言うよりもエネルギー自給が出来ない日本では生活インフラの問題になります。電気やガスの価格高騰は人々の暮らしや国内産業に大きく影響します。また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で露呈した世界的なエネルギー不足問題は解決までに長い時間を要するのは想像に難くありません。エネルギーの輸入が滞る、若しくは必要量の確保が難しくなった際に浮上するのは原発の再稼働ですが、これが大きな問題だと思っています。

クーリエジャポンサイトより拝借

吹き溜まり中の吹き溜まり

私が若かりし頃、学歴社会からドロップアウトした者は建設現場、飲食店、いかがわしい営業職、もしくは反社会的団体に潜り込むしかありませんでした。私は建設の道に進みましたが、その中でも使える者と使えない者に当然分かれます。大工や左官、電気や給排水設備の職人は決して簡単な仕事ではありませんので、そこでもまた落ちこぼれていく者が出てきます。どーしようない者達の吹き溜まりの中でも更にどーしようもない者が流れていく先が原発ジプシーと呼ばれる原発内の高い放射線量の中で被爆を計測しながら行うメンテナンス作業を行う人達でした。全国の原発を転々としながら基準被曝量まで働き続けると、そんな連中もそれなりに稼ぐことが出来たのです。

堀江邦夫著 原発ジプシー

万物一体の仁の世界

原発で働く人を悪く言うつもりは全くありませんが、これまでも原発の施設では何度も繰り返しトラブルが起こって来ました。私にすれば一般の建設現場では使い物にならなかった作業員がメンテナンスを行っているのだから当然の結果だと思えてならないし、一つ間違えたら取り返しがつかない深刻な事故が起こるにもかかわらず、何の資格も持たない流れの人夫に作業を任すしかない危険な職場を作る自体があってはならないと思うのです。実際、原発に稼ぎに行くと言って神戸を去った知り合いは5年もせずに癌でその命を落としました。事故に備えて人口の少ない地方に原発を作り人の命を削って、それを代償として都会で豊かな暮らしを享受するなんて、構造的にあってはならないと思うのです。これが、私が再生自然エネルギーの活用を熱心に推し進める理由です。誰かの犠牲の上に成り立つ世界ではなく、万物一体の世界を目指すべきだと思うのです。

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再生自然エネルギーをフル活用出来る住まいづくり、暮らし作りを行っています。

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