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marketing→branding→その次の時代 〜BBQをするのが目的の事業所のリアル〜

勤労感謝の日の祭日はあいにくの雨でした。朝からまーまーの本降りの寒い1日になりましたが、京都の顧問先の10周年記念の特別なBBQ大会が催されるとの事で、紅葉で有名な京都の高尾の奥にある大森キャンプ場へと行ってきました。

事業の目的はBBQ

創業10年の節目にあたり、企業がセレモニーを行われることは別段珍しく無いですが、「happyを作る」を理念に掲げて三方良しのビジネスモデルを標榜して来られた株式会社garDEN社では自分達らしいイベントにしたいと、スタッフ、取引先、顧客とその家族を招いてのBBQを企画されました。スタッフに中には「みんなで和気藹々とBBQをする為に自分達は建築の仕事をやっていると言っても過言では無い。」と言い切られるメンバーがいるほど、社内文化としてBBQが定着しているとの事でしたが、その言葉に違わず素晴らしい時間でした。

100年企業への第一歩

冒頭に代表の田中社長が挨拶に立たれて10年の節目にあたってのお話をされました。そこで語られたのは、何も持たず徒手空拳の状態から現在に至るまで支えてくれたスタッフと協力業社、全てのコストを担ってくださっている顧客、そして、理解して支えてくれた家族への感謝の言葉でした。途中、感極まって言葉に詰まる場面もあり、10年の歳月とその間にあったであろう紆余曲折に自分自身の経験を重ねてしまい、私まで感情移入して涙ぐんでしまいました。とにかく10年ひと区切り、100年企業を目指す株式会社garDEN社には初めの第一歩かも知れませんが心からお祝いを伝えました。

happyをつくる瞬間

雨が降りしきる京都の山奥のBBQ場でスタッフ、協力業社、顧客、そして私達の様な外部で関わっている者達が一堂に会し、老若男女、大人も子供も笑顔ではしゃぎ、楽しんでいる姿を見ながら改めて感じたのは、地域に根差す建築事業って本当に素晴らしい仕事だという事です。BBQをやる為に建築をやっているとのメンバーの言葉は決して大袈裟でも何でもなく、事業の目的に掲げる「happyをつくる」を体現、体感する場としてBBQが社内の文化として浸透しているのを実感させられました。

地域工務店こそがCSVモデルの旗手に

この笑顔のコミュニティの形成こそが事業の目的であり、同時に100年先までの未来を作るリソースにもなっているのをリアルに感じて、CSV(共通価値創造)経営=本業での社会課題解決と地域工務店の親和性というか、本業そのものが地域に寄与出来る可能性の大きさを体感しましたし、これは日本全国で再現性のあるモデルなのだと同時に考えました。最近、大きな注目を浴びてESG投資やインパクト投資の投資先として認知されているCSVモデルの事業は建築業界が旗振り役となって率先して推し進めるべきなのだと感じた次第です。

本質を見失った業界

人口ボーナスに支えられた高度成長期の建築業界は大きな需要に支えられ膨張し続けて来ました。その後バブルが弾けて需要が冷え込んでからは宣伝広告で需要を焚き付けて市場を作るmarketingが事業の主眼となりました。それも一巡してからは、同業他社との差別化を図るbrandingの手法に飛びついてモノづくりではなく市場の作り方、売り方ばかりが持て囃される状況が続いています。しかし、インターネットの普及、情報革命が一般化すると同時に最終的には大手資本の寡占化が進み、地域の小さな会社は淘汰されるのが既定路線になってしまっています。

目的であり目標であり価値

そんな厳しい経営環境を冷静に俯瞰してみれば、marketingや brandingを大手資本の企業と張り合うのでは無く、違うレイヤーで事業を持続出来る方法論を考えてみるべきなのは明白です。そして事業規模の小さな地域に根差す建築事業所がmarketing、brandingの次に取り入れて、取り組むべきは間違い無く地域の住民との間に創造する共通価値だと思うのです。社会課題解決型モデルとかソーシャルシフトの名前で最近頻繁に耳にする様になった地域社会と共に生きる在り方を実現する経営こそが地域工務店が目指す先であり、そもそもの本質だと思います。株式会社garDEN社の10周年記念BBQに参加して益々その想いを確信すると共に、多くの同業の経営者とその価値ち活動を共有していかなければと感じた次第です。新しい時代の新しいビジネスモデルは決して小さな会社に厳しい事では無い様です。希望と勇気をもらえたそんな休日になりました。

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現場からの共通価値創造の研修を行っています。

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