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琉球アスティーダの奇跡

経営実践研修会の沖縄研修day2

今回、年末の慌ただしい最中、無理やり時間をやりくりして沖縄での特別実践研修に参加した主たる目的は、オリンピックでの日本勢の大活躍で更に注目を集めた、3年前に開幕した卓球の独立プロリーグ、Tリーグで3年目に初タイトルを取ると同時に、日本のプロスポーツ界で初めて株式上場を出した琉球アスティーダの早川社長の起こした奇跡に直接触れ、実践して結果を出したものだけが語れる言葉を直接耳にし、コロナ禍で無謀とも取れる大々的でチャレンジングなイベントに参加してその熱を感じることでした。予定の行程を終えて帰神しながら、刺激的だった三日間の研修を振り返り、明らかに自分自身の事業に対するパラダイムが広がった、もしくは変容したのを感じています。無理をして沖縄に足を運んで本当に良かったと思いつつ、自分自身への備忘録として今回の実践研修の2日目の肝の部分をまとめておきたいと思います。ちなみに、おまけというにはあまりにも素晴らしく(中学生の竜之介と一緒に)心を震わされた1日目の記事はこちら、

北谷と琉球アスティーダの奇跡

沖縄1日目のマジックポッドの前田社長と彼が経営される海の魔法のレストランマジックオーシャン、そして町全体の再開発と相乗効果を出しておられる姿は地域の開発、建築事業に関わる私としては、非常に深い学びをいただくことができました。勢いで帯同することになったマジック好きの中学生琉之介も夢中になって初めて目の前で見るイリュージョンに釘付けになっておりました。奇跡的とも思えるほどの北谷の劇的な変化を目の当たりにして、それだけでも充分大きな価値があると思いましたが、今回の研修旅行のメインイベントは文字通りアスティーダフェスティバルと名付けられた早川社長が仕掛けたイベントへの参加でした。現在、書店で絶賛発売中の書籍「琉球明日ティーダの奇跡」に書かれてある熱狂をそのまま直に、リアルに体験させてもらいました。書籍の内容を直接早川社長の口から聴けたのは何事にも変えがたい非常に貴重な体験がだったと心から喜んでいます。

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志こそが事業そのもの

早川社長の講演で特に印象に残った言葉はズバリ「志」です。学生時代に起業し若くして成功を収めると同時に20代で政治の世界の飛び込んだ経歴を持つ早川社長は幼少期の父親が事業に失敗したこと、それにまつわるさまざまな苦労をされた原体験から、大きな資金を持っている強いものではなく、弱いものに光が当たる世の中にしたいとの想いを強く持ち、そんな社会にするために、と政治家を志したと言われていましたが、現在は政治ではなく事業でその志を全うし、経済活動を通して社会課題を解決するべく計画を練り、実践し、結果を出されています。早川社長が行われている日本初のプロスポーツ事業での上場、クラウドファンディング型の資金調達とそれらを実業に結びつけ新たなリソースを組み立てる琉球アスティーダの事業経営はまさしく新たな世界を切り開くモデルになる事業の形態だと感じましたし、その根本、最も重要なのは志であるという言葉には大きな勇気を頂けた気がします。

別次元のレイヤー

コロナの影響が未だ色濃く残るこの時期に1万人収容できるアリーナを借り切って開催された大々的なイベント、アスティーダフェスティバルはTリーグの試合の他にも沖縄の地元プロレスあり、ご当地アイドルや沖縄出身の有名アーティストのライブあり、飲食店が集結しての肉フェスあり、そして私たち経営実践研究会も共催の形となったビジネスセミナー、セッションありとあまりにも盛りだくさんの内容でした。それでも流石に今時のイベントで10,000人収容の会場が超満員になることは流石になくて、沖縄アリーナの席には空席が目立ちましたし、観客が少ない卓球の試合はやはり盛り上がりに欠ける部分は否めませんでした。しかし、早川社長のビジョンを聴き、京セラとのコラボされているシステム開発や、ARスポーツ、スポーツトークンにまつわるセッションなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)を起点に沖縄から世界へと壮大な規模に展開されている取り組みのデモンストレーションを見て感じたのは、これまでの集客だけのイベント企画運営とは全く違うレイヤーで事業全体を見ておられるということでした。全ての目先の収益ではなく未来のビジョンを見据えた早川社長の前ではイベント集客の人数は大して大きな意味を持っていないと思えたほどです。

なぜその事業をやるのか?

スポンサー企業からの広告料に頼るのではなく、スポーツ、イベントと掛け合わせることでスポンサー企業に広告効果以上の価値を提供する。マーケティング理論と共に最先端のテクノロジーまで取り込んだ秀逸なビジネスモデルを構築する事業計画を練り上げる力と実行力。また、それを伝える熱量を持ち、類まれな資金調達力を兼ね備えた早川社長にとって、Tリーグのプロ卓球チームの運営会社でなく、他のスポーツカテゴリー、もしくは全く他業種でも上場できる実績はあげられると思いました。多分、ご本人もそのように思っておられると思いますが、なぜその事業を選んだか?の問いに対する答えが「志に合致したから。」と明確に答えられていたのが、とても印象に残っています。卓球が5歳から始めて15歳でメダルを取れる、世界のトップに駆け上がれるスポーツで、道具や装備に費用もあまりかからない事から、強いものがさらに強くなるのではなく、弱いものに光が当たる世界を作りたいとの子供の頃からの想いに沿っているからこそ、事業に打ち込んでいる。との言葉はかっこいいを通り越して眩しかったです。

プロスポーツ選手の地位向上

また、早川社長はプロスポーツ事業に取り組んだ理由として、ドライなデジタル社会へと加速する現代において、人の感情を揺さぶるエモーショナルな部分こそこれからの社会には必要不可欠であり、世界中の人を感動させるをスポーツ事業に大きなチャンスがあると共に、プロスポーツ選手の待遇が厳しい現実を改善してもっとお金が循環して盛り上がるようになるべき。との、これまでの社会の悪習を打ち破る理由を示され、琉球アスティーダがその課題を根本から変えるのだと熱く語られておられました。まさに事業そのものが社会課題解決のためにあるのだと明確に示されています。これは私たち建築事業に携わるものにも当てはまる全く同じ課題だと感じましたし、早川社長の収益構造の多層化、多角化、そして相乗効果を生み出すアイデアの数々には大きな示唆をいただくことができました。私が取り組んでいる建築事業、職人育成事業も再度根本的に事業計画を見直さなければならないと気付かせて頂きました。

社会課題解決に向けてスケールを考える

世の中には様々な経営者がおられますし、価値観も人それぞれです。少し前までは事業をスケールして株式上場、バイアウトするのが起業家のスタンダードであるかのような風潮がありました。しかし、早川社長をにとっては上場はスタートラインに立つことであり、完全に目的ではありません。社会課題を解決したいというのであれば、事業をスケールしなくては何の解決にもならない、そのための上場だと言われていたのには、スモールビジネスの枠の中で足掻き、突き進んできた私はハンマーで頭を殴られた様な衝撃を受けました。かといって、いますぐに私も株式上場を目指す!とは言いませんが、もう一度、志を叶えるための方法論を自分の枠を一度取っ払って、あるべき世界の姿から逆算して考える必要があると気づきました。街のインフラを担う職人の圧倒的な不足、その根本原因を取り払う職人の地位向上という大きな社会課題解決に向けて、今一度、事業全体を俯瞰して循環型ビジネスモデルの構築に取り組んでみようと思います。この度、貴重な機会を与えて下さった経営実践研究会の運営の皆様には心から感謝いたします。ありがとうございました。

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職人の社会的地位の向上に取り組んでいます。



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