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計画と行動の失敗の元は目標設定にあり 〜構造化思考のススメ〜

あらゆる事業において思い通りの成果をあげるには目標設定と目標に対する進捗管理が欠かせません。と、世間一般ではまことしやかに言われます。別に間違っているとは言いませんが、確実に成果を求めるならこの考え方は少しピントが外れていると思うのです。今日は常識だと思っていることは結構的外れが多いこと、ちゃんと成果に結びつく目標設定について考えてみたいと思います。

進捗を管理(確認)する目標設定が的外れ

上述の言葉のどこがピントが外れているかと言うと、目標設定とは一般的に成果目標の設定だと思われているところです。私は自分の経営する事業の他にも数多くの企業や団体の組織運営に関わっておりますが、行動計画を立てる際のGole設定が、達成する根拠のない、もしくは希望的かつ適当な目標設定になってしまっていることがあまりにも多いと感じています。で、とにかく達成を目指して気合と根性で突っ走る、なんていまだに昭和時代の考え方でがんばれーと叫ぶリーダーがいます。今時そんな合理性のない考え方が通用するとは到底思えませんが、論理的、構造的に無理のあるもしくは意味のない目標設定と行動計画の立案が散見されます。

直接成果を掴むに行く末学的発想

大目標を設定すること自体は悪くありませんが、進捗を管理(確認)すべきは目標に対する数値の進捗ではなく、成果を生み出す状態を整えるタスクの進み具合であるべきです。昨日のnoteに本学と末学の関係を書きましたが、あらゆる事業でまず大切にすべきはやり方ではなくあり方です。この思考に基づくと、自然の摂理に則って立案した計画に沿って成果が手に入るようになっていきます。逆に、本来の目的やあるべき姿を見失い、やり方にばかり固執してしまうと、いくら力を入れたところで成果に結びつかなくなってしまいます。たとえ一時的に死に物狂いでマンパワーを絞り出して結果を出せたとしても、持続性と言う観点から見れば脆弱に過ぎます。大目標の成果を直接掴みにに行くのは末学的発想と言わざるを得ません。

成果は状態に由来する原則

本当は誰もが知っている「成果は必ず状態に由来する」との原理原則論の観点から見ると、行動計画の対象となる目標として設定すべきは、成果を出せる状態を整えるための1つずつの条件をクリアするタスクです。この思考を原理原則系のマーケティングやマネジメント学ぶ人の中では「状態管理」と言う言葉を使いますが、大きな目標を立てたらそれを細分化して1つずつの小さなタスクに振り分けて、それらを時系列に従って確実に潰していくことで結果的に成果に結びつくとの考え方です。ごく当たり前の考え方のように聞こえると思いますが、これが意外とできる人が少ないのが現実です。不思議なことではありますが、人は面倒臭いことを忌み嫌い、ついプロセスをじっくりと考えることをすっ飛ばして直接結果にアプローチしたくなる生き物のようです。残念ながら急がば回れとの格言は現代社会にあまり生かされていると思えません。

結果の質は関係の質に由来する原則

最近になって、状態管理の概念と非常に近しい考え方でよく耳にするようになったのは「結果の質は関係性の質に由来する」との言葉です。人間1人でできる事はたかが知れています。人同士が協力しあって、組織の力を発揮することによって足し算ではなく掛け算で価値創造をかなえることができるのは人間の長い歴史を見れば一目瞭然です。というか、「役割」の発明がホモサピエンスを地球の覇者へと押し上げたとの説もあるくらいですから、効果的に成果をあげるには組織内外のコミュニティーで人同士が協力し合って相乗効果を発揮できる関係性の構築が欠かせません。近年、あらゆる業種業態でコミュニケーション力が重要視されるようになったのもそこに由来していると思っています。

事業全体の構造化 志をもって万事の源となす

成果は構造に由来する

しかし、成果目標を設定する際にまず関係性の質の改善や向上から取り掛かるアプローチをする事はほぼありません。それは多分、現在の組織での関係性が前提条件として変わらないものとして計画を立てられるからだと思います。しかし、そもそも組織で立てる目標設定とは組織を構成するメンバーに成果の果実が享受されるべきものであり、その関係性を改善しないと言うのは本末転倒も甚だしいと言うことになります。目標設定までの全体像を構造として捉えたらまず初めに目的へと繋がる志や在り方を共有し、最大かつ唯一無二のリソースである人的資産と関係性の質の改善、開発に取り掛かり、次に構造資産(仕組み)を整えて自然と成果に結びつく流れを整理すべきです、この前提の上で人と人との繋がり、コミュニティーの力を活用する関係資産を強化することで大きな目標や目的へとたどり着くようになります。この全体の構造を俯瞰した上で大きな目標と各セクションでの小さな目標の両方を設定するべきだと思うのです。達成への道筋が曖昧な目標に向かっての行動は人を疲弊させます。必ず実行できる計画を積み重ねれば必ず目標を達成できる構造的思考にシフトすることを強くオススメします。

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構造化からの目標設定と計画、その実践を学ぶ研修を行っています。

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com


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