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ご注文頂きましたー。豚骨ラーメン店アルバイトの女の子の掛け声?に感じる違和感と矛盾とその解決

私は毎月15回ほど、自社のスタッフを含め職人をはじめとした建築実務者との1to1セッションを行っています。コーチングというほどでもなく、ティーチングやコンサルティングを行うでもない、ぼちぼちと伴走する感じのセッションで、計画を立てるのを促したり、その進捗を確認する役目を行ったりもしますし、時には問題解決のためにアドバイスを行うこともあります。様々な相談を受ける中で感じるのは、問題や課題はやっぱりコミニケーションに起因するのがほとんどだと言うことです。

相手の立場に立って考えることの難易さと複雑さ

人が抱えるありとあらゆる問題の原因は全て人間関係にある。と言ったのは心理学の大家アドラー博士ですが、社会や組織が人が集まって形成されていることを考えれば、そこでの意思疎通や合意があらゆる事業運営の基盤であることは間違いなく、そこで起こる問題が人間関係に起因するのは至極当然のことです。そしてその解決は方法論はさておきコミニケーションに拠るしかないのも自明の理。職人起業塾で行っているコミニケーション講座を担当いただいている横山桂子先生は「コミュニケーションの基本は相手の立場に立って物事を考えること」と言われます。言葉の上ではシンプルで簡単に感じますが、それが常時できている人はほとんど皆無だと思う位難しいと感じています。課題もシンプル、解決策も単純、しかし継続してできている状態が保てるのは困難と言うのはこれ以上ない位複雑な問題だと思うのです。

BBQ mtg

人の心の在処

相手の立場に立って物事を考えると言うのは、言い方を変えれば「人の心はどこにあるのか」を考え続け、想い続けることでもあります。昨日の工務部の社内ミーティングではこの半年間位でお客様から苦言を程されたこと、クレームとして顕在化していないとしても、不満足を感じられていること、もしくはその可能性のあることについて情報共有とその撲滅について夜中遅くまで話し合いました。建築のプロフェッショナルとして当然やるべきことがたくさんありますし、それができなければ不満足を買ったりクレームになるのは当たり前ですが、それ以前の心のあり方としてお客様の心はどこにあるのかとの問いを常に持ち続けることの重要性をスタッフたちの話を聞きながら感じていました。コミニケーションの本質を考えたとき、職務上、やるべきことをやったからといって決して人は満足しないと言うことです。

鶏モモ焼のバジルソース

豚骨ラーメン店で感じた違和感と矛盾

先日、昼食を摂りに入ったラーメン店でそこはかとない違和感を感じて、あまり良い印象を持たずに店を後にしました。それは、特にラーメンがまずかったわけでもなく、接客がぞんざいだったせいではありません。どちらかと言うと、複数店舗を展開しているチェーン店だけに、アルバイト定員のマニアルがしっかりと作られていると感じました。その店は、ラーメン店にしては大きな箱で厨房に入っている調理師は2名、それに対してホールでサービスをするアルバイトの女の子は5名もいました。調理時間の短いラーメンだけに、調理するものが少なくても大人数の客を回せるんだと思いながら注文すると、アルバイトの女性が「とんこつラーメンご注文いただきましたー」と元気な大きい声という程でもない、嬉しそうな明るい声でもない声を出されました。あ、そうゆう決まりなのね、と感じたのですが、その張りのない声が食事をとっている間中、間断なく耳につき、一体、なんの為にアルバイトの女子等はこのおざなりな感じのルールを守っているのか?と疑問に思いました。このルールを定めた経営陣は明確な意図を持ってマニュアルを作ったのだと思いますが、意味も目的も持たずに型にはまっただけの行動を目にする時、人は違和感を感じるのは本当に残念な矛盾だと感じた次第です。

馬油とんこつラーメン

仕事の本質は心を観ること、感じること

つい先日も「人の心はどこにあるのか?そのことを常に心の片隅においてお客様だけではなく、同僚や友人などの近しい人に対しても接してみてはどうか?」とスタッフとの1to1セッションの中でも提言してみたのですが、その本質を追いかける意識がなければコミュニケーションの問題や課題はいつまで経っても解消されることはないと感じています。私自身、常時完璧にそこに心を留めているとは言い切れませんが、相対する人の心がどこを向いているかを自ら積極的に観に行く、感じるようにするのは長年の習慣で癖のように身についているように思っています。実は、それが経営者の最も重要な役割だと思っていて、スタッフに機嫌よく働いてもらったり、研修で塾生のモチベーションを上げたり、未来に希望を見出す仕組みを整えたり、お客様から信頼を得たりと仕事として行っている全ては人の心がどこにあるのかを問い続けているところから派生する課題解決の取り組みです。

炎は人を沈黙させるので逆効果

文脈、メタファーの再認識こそが課題解決への扉

スタッフとの1to1セッションで人の心はどこにあるのか?との問いを持つことの話をした時、私が感じたのは、誰もがそれを持っているし、感じているということです。しかし、残念ながら正面から向き合うことを避けて、感じていないふりをしてしまうのではないかと思いました。それは、今の世の中は法治国家で契約社会です。なので、感情ではなく理論、心や態度ではなく言葉や文章を是として、形の見えないものをないものとして扱ってしまうようになっているのではないかととの疑念です。確かに、日本は敗戦、植民地支配から立ち直り高度成長期を経て世界有数の経済大国に復活しました。その過程で西欧型資本主義社会にどっぷり浸かり、それまで日本人が大切にしてきた曖昧さや感性を置き去りにしてアメリカ式の割り切った金を儲けるのが正義との価値観に偏ってしまったように感じます。しかし、ビジネスの世界も結局は人と人の関係性でしか成り立たないことを鑑みれば、最も重要なのは形式ではなく、本質であり、心と心が通いあう関係構築が最も重要なはずです。言葉や文章だけではなく、文脈や行間に秘められたメタファーを読み取ることの重要性を価値観の中心に据えることを丁寧に伝えていく必要性を感じた次第で、それは目に見えないモノだけに認知しにくいですが、時間をかけて理解してもらえるようにしようと思います。そこが、あらゆる課題解決の入り口になるような気がしています。

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本質的なコミュニケーションの研修も行っています。

人の心の在処を学ぶ団体に参加して、ソーシャルトランスフォーメーションを研究しています。

建築業界発の社会課題解決に向けてのプロジェクト立ち上げました。

人を生かし、地域に存在感を示す企業経営者に学ぶイベントも企画してます。


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