見出し画像

二軸を研ぎ究める切磋琢磨 @第4期在り方塾

先日、在り方塾なる経営者向けの勉強会に参加してきました。私が世話人の末席を務めている経営実践研究会主催でアドバイザーをお招きして経営者としての在り方を問い直す機会を持つリーダー向けの上位研修と言った位置付けの勉強会で、改めて強烈な刺激を受けてきました。

在り方が世界を決定する

登壇されたのは関西大学名誉教授で関西のマーケティング界隈では知らない人がいない佐藤善信先生と元参議院議員で国会の質問で安倍首相にティール組織の存在を知らしめたと話題になったニノ湯武史氏。佐藤先生は私が研究と社会実装を行なっているCSV経営について事例を紐解きながら学術的な裏付けを示され、非常にハイレベルなのに分かりやすい素晴らしい講義でした。
そしてニノ湯氏は長年修験者として修行を積み重ねて人としての在り方を突き詰めて来られただけあって、事業も地域も国も、全てはリーダーの在り方次第であり、皆さんの肩にはその責任が重くのしかかっている。魂のレベルを上げるかのように在り方を磨き続けろと熱すぎる檄を飛ばして頂きました。

在り方無くしてやり方なし

ニノ湯氏はその話の中で、人の成長を2軸に分割し、横軸をやり方、縦軸を在り方だと設定されました。コンピューターに例えると横軸はアプリを増やし続ける様なもので縦軸はOSである。幾ら知識を増やしやり方を学んだところで、古いOSでは最新のアプリは動作しないように、とにかく人としてどうあるべきか、何の為に人生という貴重な時間を使うのか、何の為に事業を行うのかをとことん探り究めるべきである。と強い口調で言い切られました。そして、在り方を磨くには、志の高い人に塗れて切磋琢磨するしかない、それがこの経営実践研究会であり、在り方塾では無いのか!と叱咤激励して頂きました。その言葉を多くのメンバーが真剣な面持ちで耳を傾け、胸に深く刻み込んでおられた様です。
素晴らしい講演を頂いたお二方には心から御礼を申し上げます。

学問と修身

その数日後、私が校長及び修身の教師を務めているマイスター高等学院の古典の授業で、大学の素読を終えた後に生徒に印象に残った節は何かと問いてみたところ、奇しくも「切するが如くするが如く磋するが如し、琢するが如く磨するが如し」の一文だと答えました。
ニノ湯氏が講演で使っておられた切磋琢磨の熟語は大学が出典なのですが、この様なタイミングで学生がピックアップしたのには少しばかり驚きました。そして、学生に丁寧に解説する中で切磋琢磨とは学問と修身、人の二つの成長を示していることを改めて認識し直した次第です。

「切するが如くするが如く磋するが如しとは學を道うなり。琢するが如く磨するが如しとは自ら修めるなり。

出典:大学を素読する

日本復活の切り札

孔子が生きた時代から三千年が経ったいまだに日常生活で良く使われる切磋琢磨という熟語はニノ湯氏が強い口調で訴えられた、厭くことなく学び続ける姿勢の大切さだけではなく、OSのアップデート、知識では決して備わることのない人としての在り方を追及する重要さを示しています。
残念ながら、現代の一般的な学校教育、また社会人研修では、末学と言われる知識技術を詰め込む「やり方」は教えても、人としての本学と言われる「あり方」を見つめ直し、何のための人生なのか、どんな志を立てて生きるのか?といった身を修める教育はなされていません。
ニノ湯氏は、それが日本の衰退、没落の根本原因だと看破されました。社会人向けには経営実践研究会、学生向けには、マイスター高等学院が、日本復活の重責を担う役割を負っているのだと改めて気を引き締めることになりました。
日本人よ、兎にも角にもまず、在り方から始めよう。

________________________


論語や大学といった古典を教科書に人として在り方を修める授業を中心に据えたマイスター育成プロジェクトの書籍が本日、全国の書店で発売されました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?