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中学生養蜂家による幻の蜂蜜の値段は?

10年近く前から私は毎月、原理原則を紐解く持続可能なビジネスを構築する勉強会を開催しています。全ての成果(結果)は状態に由来する、成果を求めるなら状態を整える習慣を愚直に行い続けるべきとの当たり前過ぎる理論を元に様々な切り口で、商売の根幹である「信頼」を得る在り方とやり方を考える勉強会です。先日、101回目を迎えた「継塾」と名付けたその勉強会は元々、社員大工向けの社内勉強会でしたが、段々とクチコミが広がり今では様々な職種の方が参加される様になりました。その中には中学生でありながら養蜂に取り組む逞しい少年もいます。

中学生養蜂家のプレゼン

先日の勉強会を終えた後、その中学生のリュウノスケが自分が採取した蜂蜜を紹介する時間を下さい。と言ってきました。新型コロナの影響でオンラインでの参加者が多い中、リアル参加された9名ほどの大人達に向かって自分が行なっているニホンミツバチの希少性や一般的に行われている西洋ミツバチとの違いをプレゼンして、新しい巣箱を購入するにあたってお金いるので持参してきた蜂蜜を買ってください。と50g入りの小瓶をおもむろに鞄から出して机の上に並べました。

値決めこそ商売

彼の説明はそこまでで終了。買ってくれと言う割には肝心の価格を口にしないままで黙ってしまい、一同、一瞬ポカンとなりましたが、どうやら値段は皆さんが決めて下さい。という事だった様です。私がツッコミを入れたのは「おいおい、商売は値決めが全てや、曲がりなりにも商いをするなら値段は決めな、そこは逃げずに向き合わないと」という事で、たとえ中学生とはいえ、いくらでも良いですなんてことは言ってはいかん、とやや厳し目に伝えました。彼は困った挙句、「じゃあ1000円で良いです。」と言いましたが、そんな値段では新しい巣箱が買えんやろ、と更にツッコンで再考を促しました。(笑)

幻の蜂蜜

日本ミツバチは絶滅が危惧されている非常に希少な存在になっており、一般的な蜂蜜として流通している西洋ミツバチとは全く違い、蜂自体が市場で流通していないとのことです。耕作面積あたりの農薬使用料がダントツで世界1となってしまっている日本の農業の厳しい現状もあり、ニホンミツバチの個体数は激減の一途をたどっているといます。そんな中、純粋なニホンミツバチの生搾り蜂蜜を生産している養蜂家も非常に少なく、ウェブサイトで探してみると、「幻の蜂蜜」として一般的に流通している西洋ミツバチの蜂蜜に比べ高額で取引されています。

値段の決め手

ウェブサイトで検索する限り、幻の蜂蜜は100グラムあたり1000円から2000円あたりが相場となっていました。これだけを見るとリュウノスケが50グラム1000円でいいですと言ったのはそんなに相場とかけ離れた価格ではなかったようです。私が彼に伝えたかったのは、商売の要である価格は全て相場や損得勘定で決まるのではなく、持続可能な事業にするために必要なコストを反映する事が何より重要で、それを理解してもらえるように顧客に伝えることの方がマーケット調査よりもずっと大事だという事です。また、価格とは購入する人の価値観や想いを強く反映するものであり、ブランドを確立した商品やサービスが市場相場と関係無い値段で飛ぶ様に売れる様に、生産者の想いやストーリーを見える化して伝える事こそ商売の要諦です。

未来への投資

結局、今回は(多分)世界で唯一無二の中学生養蜂家による純生ニホンミツバチの蜂蜜9個を完売して帰り、50g瓶を私は2500円で2つ購入しました。これが高いか安いかは良く分かりませんが、中学生が働いて、その価値を大きく認めて貰える世界が実際にあり、価値ある労働に対する意識を持つ様になってくれたらこれ以上嬉しいことはありません。今年の秋には新しい巣箱を増やして増産した蜂蜜を高校生になったリュウノスケが売りに来ると思います。その時は購入希望者を広く募って彼の応援をしたいと思います。ご興味がある方は今のうちから予約して貰えればと思います。ご紹介しますので私までお気軽にご連絡下さい〜。(^^)

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地域事業の活性化を応援する事業を行っています!



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