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無関心と旧来型マーケティングからの脱却の必要性と深い親和性 〜関わりの輪〜

「愛の反語は無関心」とはマザーテレサの言葉だったか。その言葉を逆からみれば人の苦しみや悲しみ、怒り等の感情に関心を寄せれば寄せるほど、愛情深い人になれると言うことになります。日本のマーケティングの始祖と言われた故水口健二先生は「マーケティングは愛だ」といつも口にされていました。顧客や周りの人、社会にある課題や問題に関心を持ち、それを自分ごとにして解決に取り組むことが結果的に人々や市場に支持されて事業を成長発展させるのだ、それは愛情を持つことだ。と繰り返し言われていたを今もよく覚えています。マザーテレサと水口先生は根本的な部分で同じ事を言われていたのかも知れません。

マーケティングは終わった

このnoteでも繰り返し書いてきましたが、時代の劇的な変化と共にこれまでの信頼を積み重ねて独自のマーケットを構築する原理原則系のマーケティング理論さえも通用しなくなり、より本質的な、同じ価値感を共有する人から深く共感される事業モデルへと進化が必要になると世界中で言われています。有名なのは世界トップの頭脳が集まると言われるダボス会議でこれまでの強欲資本主義との訣別をはっきりと提言したグレートリセットがその最たる例です。その根本にあるのはより多くの人々の幸せ、持続可能な社会への移行であり、際限の無い成長拡大を是としてきた弱肉強食の資本主義では解決出来ない社会課題が多すぎる事に起因しています。その共感資本社会へのシフト、ビジネスモデルの転換、社会変革の根本は(クサイですが)やっぱり愛だと思うのです。

共感資本社会への適合

旧来型のマーケティングから脱して新しい時代に即した次のフェーズに進むのに必要なのは、「関心と関わり」では無いかと私は思っています。自分のこと、自社のこと、顧客のこと、協力業者のことを考えて皆が幸せになるような事業を目指すのは当然として、その一歩外の世界にも興味と関心を持ち、微力ながらも課題や問題を解決する方法を考えたり、行動に移したりする事が多くの人に応援されるには重要だと思うのです。逆に、共感資本社会へと世界がシフトする中でそこに気づかずに、内向きの思考で目先の利益に固執して、うまく儲かるやり方ばかりを探し求め、旧態依然のまま事業を続ける方が実はかなりヤバイと考えてます。

影響と関心の間

7つの習慣で有名なスティーブン・R・コヴィー博士は自分がアプローチ出来る「影響の輪」に意識を集中してそれを広げる為に時間を使う優先順位を決めて、習慣の力を活用する事で人生をより良きものにすると言われました。影響の輪の外の関心の輪に向き合っても何も変えることは出来ない、影響の輪に集中すべきだと。もちろんそれも間違いではありませんし、私自身、長年その概念を大切にしてきて大きな成果も手にしてきました。しかし、時代は大きく変わり昭和、平成時代に比して全く違うレベルで世界は情報で繋がり、関心の輪は圧倒的に広がりました。影響の輪にのみ集中しておくには世界は広くなり過ぎていてバランスが取れなくなったのです。そんな今の時代は影響の輪と関心の輪を明確に切り分けて考えるのではなくその間に「関わりを持つ輪」が存在するようになったのでは無いかと思うのです。

関心と小さな関わり

平和な日本に暮らし、忙しく毎日を過ごす日常では、今日と同じような明日が来ることが当たり前だとつい思い込んでしまいます。当然、究極の選択や命をかけた決断を行うなど全く機会がありませんが、本当は当たり前の日常はある日突然、一瞬にして崩れ去る事を私達は知っているし、これまで何度も経験して来ました。そう考えると、海の向こうで始まった戦争も他人事ではなく、いつ自分達の身に降りかかってもおかしくありません。21世紀にこんなバカな事が起こるのか?と俄かに信じ難い出来事ですが、関心を持って注視して、(全く影響の輪の外ですが、)今自分たちにできる事を考え、小さな行動に落とし込むべきだと思うのです。例えば、戦争反対と声を上げるだけでも良いと思うのです。如何なる理由が有ったとしても暴力による現状変更は許されるものではないと大人がキッパリと言い切らなければなりません。世界はこんなものなのか、力と恫喝がまかり通るのかと子供達に思わせては絶対にいけないと思うし、海の向こうの出来事だと無関心を決め込むのはこの世界で最も重要な「愛」を失うあってはならない所業だと思うのです。関心を持ち、小さなことからでも行動することしかないと思うのです。

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世界平和は三方良しの経済圏を作ることから。

持続可能な共感型ビジネスモデル構築のサポートを行っています。


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