アユタヤの「首のない仏像」はなぜあの姿になったのか
ワット・マハタート。
タイはアユタヤに位置するこの寺院には、2つの異様な光景があります。「首のない仏像」と「木の根に覆われた仏像の頭」です。
ワット・マハタートの「首のない仏像」
木の根に覆われた仏像の頭
この光景を見て、その背景を知ったからには、それを記憶に留めておくだけではもったいなく思い、ブログを書いて形に残すことにしました。是非ご覧ください。
ワット・マハタートとは
さて、この「ワット・マハタート」は、バンコク市内から車で2時間ほどの位置にあるアユタヤの遺跡群のひとつ。
ちなみに「ワット」とはタイ語で「寺院」などを意味する言葉であり、アユタヤ内にはほかにも「ワット・プラ・シーサンペット」「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」といった有名寺院があります。私がワット・マハータートを訪れたのは、JTBの「アユタヤ観光ツアー」でのこと。このツアーでは上記の2つの寺院にも立ち寄りました。
これらの遺跡群は世界遺産として登録されていることもあり、タイでは有名な観光地となっています。実際、日本人に限らず、いろいろな国の方々が観光している様子を見かけました。
かつて貿易として繁栄した古都アユタヤには、当時の繁栄ぶりを垣間見せる遺跡群が姿をそのままに残している――とは、多くの観光ガイドや観光サイトの文言です。しかし、実際に見てきたその場所は、観光ガイドを見てイメージしていたよりもずっと、悲しい所でした。
なぜ仏像には首がないのか?
このワット・マハタ―トの仏像は、かなりの数あるにも関わらず、それらのほぼすべてで丁寧に首が取られてしまっています。
同行のツアーガイドさんによると、異様で気味の悪いこの光景を生んだのは、戦争だそう。
仏像は、かつてアユタヤ王朝がビルマ(ミャンマー)軍と戦争した際に破壊されてしまいました。当時の仏頭には貴重な金箔が貼られていたこともあり、戦利品としてビルマ軍に持ち去られてしまったのだとか。
こちらは、ワット・プラシーサンペットから歩いてすぐ近くにある寺院「ヴィハーン・プラ・モンコン・ボピット」にて置かれていた仏頭。たしかに金箔が貼ってあります。
なぜ仏頭は木に埋まったのか?
しかし、奇跡的にその手を逃れた仏頭もありました。それこそが樹の根っこの中に包まれた仏像の頭「ワット・マハタート」です。
横から見るとこんな感じ
正面から見るとこんな感じ
このような不思議な形となっているのは、仏頭が戦争の際に切り取られたまま、持ち去られずに放置されたためだそう。その後、長い年月の間に木の根に取り込まれてしまったのだとか。
ちなみにこの仏頭の周辺数メートルは立ち入り禁止になっており、監視役もいました。また、写真撮影時には仏頭よりも頭の位置を低くする必要があり、監視員さんはいろんな人に「座って座って! 」と声をかけていました。
最後に
以上、ワット・マハタートで見てきた「首のない仏像」「木の根に覆われた仏像の頭」という2つの異様な光景について紹介しました。
紹介とは言っても、ツアーガイドさんから聞いた話と、自分で撮った写真をつらつらとまとまとめただけですが。
道中はガイドさんが丁寧に説明してくれたおかげで、予習もそこそこに、遺跡巡りを楽しめました
行ったことのない場所に行き、知らないことを知れるって、本当に楽しいことですね。
ではまた!
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