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名は願い。

娘が産まれた。雨が降る夜だった。

本当に感謝すべきことに、母子健康で無事、娘を迎えることができた。これは日頃の行いがどうこうとか、そんな言葉では済ませられるものではないだろう。ただ単に幸運だった。有難い。

名前がつくまで

この子はずっと、お腹の中にいるときから、そして産まれてから数日が経つまでずっと、僕たち夫婦の間では「赤ちゃん」と呼んでいた。

なかなか、最後まで名前を決めきれなかったから。

トツキトオカアプリのスクリーンショット
妊娠がわかってダウンロードひた妊娠記録アプリ『トツキトオカ』では、登録名をひとまず「いち」としていた(1人目ということで)。

元々、名付けの大変さについては想像はしており、そしていざ自分の番となってなお体感したが、やはりとても難しいものだった。

一生を付き合っていく、名前。そう簡単に決まるものではない。

小学生くらいの頃から、「将来子供が産まれたら、名前どうしようかなー」とは数十回くらい考えたことはあった。将来、困らないように。

でも小学校を卒業しても、大学を出て社会に飛び込んでも、そして結婚してもなお、候補の名前の一つも出してなかった自分。

気持ちはわかるが、優柔不断過ぎるぞ、おれ。

本格的に名前を考えなければ、と思ったのは妊娠して数カ月経った頃。どこから手を付ければよいかもわからなかったので、まずは「名付け本」を購入した。(妻に買ってもらった)

かなり頼らせてもらった「名付け本」。名付けの基本についての話や、「イメージ」や「漢字」「親の思い」から付ける名前の例が凄まじい数載ってる。
『女の子のハッピー名前辞典』(西東社)

結果として、僕はこの本と数カ月にらめっこすることで、名付けのイメージが湧いていったので、すごく良かった。

「男の子なら」とか「他の候補は」とか

名前を考え始めた頃、友人と食事に行った際に「俺の他の名前の候補はこれだったらしい」と、当時の2番手、3番手の名前を聞いた。

これが個人的には面白かった。なんでかって、その「選ばれなかった名前」が、案外目の前の友人に当てはめてみると違和感があったからだ。

まぁこれはありえない話なんだけれども、もしも友人にその(選ばれなかった)名前が付けられていた世界線があるとしたら、バタフライエフェクト的に、僕と友人は仲良くなってなかったり、あるいはそもそも出会えてなかったりしたような気さえする。

僕自身、もし名前が違っていたとしたら、何かしらが影響して、選ぶバイト先とか、進学先とかが変わっていたかもしれない。そんな選択一つで、人生は大きく変わる。

もちろん、「そうでない世界線」なんて見ようもないので、名付けの段階からそんなことを気にしたってしょうがないが。

あとはマンガの話だけれど、「男の子だったらこれ、女の子だったらこれ」みたいな話もある。

『ONEPIECE』(551話)

そんな話も、大きくなって言葉がわかるようになった子どもにしてあげると喜ばれそうだ。

とはいえ現代では普通に、産前に性別はわかるので、性別は決まった状態で名前を考えるのが主だろうが(もちろん、子が生きていく中で性別が変わる可能性はあれど)。

つまりは、名前の候補はいっぱいあると、楽しい。

とりあえず、まずは候補をいっぱい出しておいて、数個に絞る。あとは産まれた子供の顔を見て、しっくりくる名前を決めるーー。みたいな流れが良いよ、とは本にも書いてあったし、あとは職場の人にも言われたので、僕としてもそんな感じでいいかな、と思っている。

名に願いを込めて

名付けについて、悩みはあったけれども、振り返れば総じて心地よい悩みだったと思う。

名は願い。

どんな人になって欲しいか、どんな人生を歩んで欲しいか。名前を考えることは、子の未来を考える入り口だった。

これからよろしくね、

いっぱいお話ししような

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