シェア
正しい姿勢包丁を持つ姿勢、まな板と包丁の角度、人とまな板の角度。 理想的な角度で仕事をするのが、疲れずに早く綺麗に仕事をする第一歩というのは言うまでもありません。 正しい姿勢が自然に出来るようになるのが、私の修行時代でも最初の関門だったと思います。 とは言え、私たちの若い頃は姿勢について云々、細かい所まで指摘してくれる先輩や親方は、ほぼ皆無に等しかったのが実際の所でして。 親方の包丁の使い方に憧れて、先輩が立つ姿を記憶し真似して、仕事を覚えてきたのが現実でした。
私は実はサラダがあまり好きではありません・・と、カミングアウトしますが、サラダを仕立てるポイントとして大切にしているのが、「包丁のキレ」です。 これは漬物やサラダ、果物に・・・そしてもちろん、刺身にも共通する概念です。 食材と言う物は、金っ気の刃を入れれば入れるほど味わいが落ちると言う考え方があります。 刺身に関しては疑問は残りますが、胡瓜の漬物や葉物のサラダ、果物のリンゴやナシ、モモ等・・・包丁を入れずに丸のまま、かぶりつくのが最も美味だと言う認識が料理人の中にも
醤油の焦げる匂い、山椒の芳香が実に食欲を誘う、春らしい一品です。 筍の木の芽焼、ぜひぜひ、楽しんで頂きたい一品です。 今回は「筍の木の芽焼」についてお伝えいたします。 まずは筍ですが、生の物を茹でて使います。 もちろん茹でた筍を買ってきて、仕立てても問題ありません。 むしろ産地で取りたての状態から、間を置かずに茹でた水煮は非常に品質の高いものがあります。 中国産の生の筍だったら、国産の水煮筍の方が数段優れているでしょう。 さて生の筍は、まずは束子でざっと泥を落と
包丁を研ぐにあたって、慣れない人が陥るのは刃先だけを砥石に当ててしまい、研ぎしろが崩れピタッとあてた時に刃先が砥石に当たらなくなる研ぎ方です。 平面では無く、研いだ面が弧になるので丸っ刃と呼びます。 この研ぎ方をすると、研いだ瞬間は刃がつき、いかにも切れる感覚を感じますが、すぐに刃が落ちて切れなくなる。 そして、また刃をつけようとすると刃先だけを研がなくてはいけないので、より丸っ刃が進む。 悪循環に陥り、最後には研いでも研いでも切れない包丁になる。 包丁を研ぐと言う
知名度でしょうか、それとも日本人が好む素材なのでしょうか? いずれにしても、タラの芽天ぷらのご注文数は、他の山菜料理、季節料理に比べてもダントツです。 ではタラの芽とは? 落葉低木、ウコギ科タラノキ属のタラノキの新芽です。 日本全土の山野に群生していて、葉や茎には鋭いトゲがあるのが特徴。 葉が開く前の10㎝に満たない新芽を摘み取って食用とします。 その歴史は、非常に古く・・奈良時代から高級品として扱われてきました。 植物性油脂とタンパク質を豊富に含
今日は包丁を使うときの視点のお話です。 きちんと物を見るって、ちょっとしたコツが必要です。 知り合いのビリヤードの先生、習って非常に納得した物の見方です。 正確な位置を見る、正確な方向に道具を使うという意味ではビリヤードと包丁使いに、大いに共通点があります。 人間の目には利き目というのがあります。 人差し指を立てて、右目だけ、左目だけで見ると同じ位置には見えません。 両目で見たときと同じ位置に見える目が、利き目です。 私は右目が利き目で、正確に包丁を入れようとす
本日は「柴漬け」についてお伝えしましょう。 大昔・・山口美江さんでしたっけ。 バイリンガルの女優さんのCMで、 「柴漬け、食べたい・・・。」って呟くのがありましたが、時々・・無性に食べたくなる漬物のひとつです。 ポリポリとした食感が心地良くて、梅酢の酸味と塩分が茄子や茗荷、胡瓜の味わいに加えて、また紫蘇の風味が良く合います。 ただし、私の修行時代は、あの食感が固い・・・。 銀座にある高級店舗でしたから、ご利用になるお客様も、それなりにお年を召した方が多かった。