見出し画像

The way to SUSHI 〜蒸し寿司が食べたくなった話

蒸し寿司が好きだ。簡単に言うと、ばら寿司を蒸して温かくしたもの。
上等のだと、穴子なんかを乗せて蒸し上げたものを出す店がある。
もともとは、祖母が作ってくらたばら寿司を、(理由は忘れたが)チンして食べたのが、私にとっての始まりだった。
冷えたのを食べるより、断然美味しい…!特に、上に乗せた錦糸卵とすし飯の具合が最高になる。
その時より、私にとってばら寿司は、わざわざチンして食べるものになった。ちなみに、生の海鮮類は入ってませんよ。

今日は、その、温かいばら寿司が突然食べたくなった。
正確に言うと、ふんわりしたたっぷりの錦糸卵と、やや歯ごたえのある具材の混ざったすし飯を温めたものが食べたくなった。
時刻はすでに夕方、急ぎ頭を回転させる。
今から始めて、ご飯が炊きあがる時刻。
飯台に移して寿司酢をふりかけ、パタパタ仰ぎながら冷ますだけの残りHP(←何より重要だ)。
具材に使えそうな残り野菜。

穴子なんてあれば最高だけど、そんなものが常備されているはずはなく、冷凍庫にはタチウオがあるから、とりあえず出して解凍をはじめるけど、寿司にはあんまり合いそうにない。
人参はあったな、そういえば、例えばなますも酢の物だし、紅白なますでも作って混ぜ込めば寿司っぽくなるんじゃないの?タイやベトナムに、生野菜や香味野菜をまぜまぜするご飯があるけど、あれもまあ言ってみりゃばら寿司だな。
とりとめない発想と戯れながら、野菜室を開けると、れんこん、赤カブ。
よし決まり。れんこんと錦糸卵、最高に相性良さそうじゃないか。
脳内でイメージを反芻する。温かくてシャリシャリ、ふんわり、ご飯の粒感と、甘い酸味が鼻に抜ける感じ。

お米に昆布とお酒少々を加えて、炊飯器をセットする。すし飯は固めでいいから、浸水もなしでヨシ(とする)。
寿司酢のレシピはよくわかんないけど、酢と甘みと塩気があればいいでしょう。水分量だけは、間違えたらべちゃべちゃになっちゃうから、クックパッドをだだーーーっと見て、見当をつける。

薄切りれんこんはさっと茹で、人参と赤カブは、なますを作る要領で塩もみ。寿司酢の材料をさっと煮立たせたら、野菜たちを全部放り込んで混ぜ合わせておく。
錦糸卵は馬鹿みたいに多いのが好きだから、たくさんつくる。
タチウオも、焼いてほぐせば合うかしらねえ、と、未練がましくグリルに放り込むが、冷蔵庫に山椒の塩漬けがあったのを思い出し、それをアクセントにするなら、やはりタチウオはいらないね、と、おかず扱いに決めた。

炊きあがったご飯を飯台に移して、寿司酢と野菜を一緒くたにして、団扇で仰ぎながら混ぜ合わせる(ミニ扇風機買っておけばよかった)。
そんなことをしているうちに、これをもう一回蒸すのも面倒くさいな、冷めきらないうちに食べたらいいんじゃないの?なんて心持ちになり、それなら飯台のまま食卓に乗せたらいいじゃないか、と、団扇を片付け、錦糸卵を山盛り乗せて、完成とする。

ちょっと酢の味が足りなかったけど(クックパッドの読み込みが甘かった)、まあだいたいばら寿司的なものが出来上がったし、満足。

かわいい色になった。

家人が、冷蔵庫に残っていた(お正月の!)ピンクのちょろぎを取り出してきて、よりかわいくなった。

読んでくださってありがとうございます。いただいたサポートはレシピ関係の書籍、食材購入等に使わせていただきます。 気に入ってくださいましたら、ぜひ。