サハリン2開発に反対した私が、今サハリン2からの撤退に反対するわけ①

サハリン2LNGプラントの工事現場に向かう道

2.24のロシアによるウクライナ侵攻から3カ月。事態は混沌としてゆくばかり。

目下、気になっているのはフィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請。ひたすら暗澹たる気持ちになっている。

「緩衝国」や「中立国」であることは、過去の争いから見出してきた「人類の知恵」だったのではないのか。軍事同盟に入るということは、争うことを選択するということではないのか。

この「緩衝国」や「中立国」であることの重要性については、2.24以降、「日本がロシアの石油・天然ガス開発から撤退すべきか、すべきでないか」について考え始めて以来、ずっと頭の中にある。

私は環境NGOとして、ロシアのサハリン2石油・天然ガス開発当時(2000年代)、日本政府の公的金融機関のJBIC(国際協力銀行)にサハリン2への融資から撤退するように働きかけた。つまり、この開発には反対の立場だった。地元への環境・社会影響が大きすぎるプロジェクトだったから。

でも私は今、日本はロシアのサハリン2から撤退すべきではないと考えている(北極海のアークティック2は別。この件は後述する)。これは、日本のエネルギー資源確保を重視してのことではない(それもないわけではないが、優先順位一番ではない)。隣国であるロシアとの関係をそんな簡単にきっていいものではないと考えているから。そして、ロシアに対して、日本は欧米に前のめりに追従するのではなく、独自の外交を尽くすべきという考えからだ。

この件について、古巣の国際環境NGO FoE Japanのセミナーで4/16に話す機会をもらった。考えに考え、当日の朝にようやく(ほぼ徹夜の)頭の中で考えがまとまったようなことで、セミナーでは言いたいことのも半分も言えなかった(参加してくださった方すみません)。

サハリン2開発自体に反対した私が、今サハリン2から日本が撤退することに反対するわけを改めて書いてみる。その中で、「緩衝国」や「中立国」であることの意義についても今一度、考えてみたい。

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