エリア毎のTOP5を見て比較してみた ~Part 2 : 表計算機能でランク付け~
【好奇心】職員一人当たり児童数で保育所をランク付けできないか?
地図上でのマッピングで近くの保育所が分かるようになったものの、ユーザの中には多少遠くても良質な保育所に入れたいと思う人もいるのではないか?と思った。
今回使用した元データには評価指標のようなものは含まれていなかったが、「職員一人当たりの子どもの数」という項目があり、それに着目した。
「一人の子供により多くの職員が付いていれば見守り体制が手厚く、より高い評価へとつながるのではないか?」
そんな考えから、「職員一人当たりの子どもの数」の値をもとにランキング表を作成することにした。
【さすが】Tableauには便利な簡易表計算機能がある!
Tableauには簡易表計算機能があり、累計、差、ランク等、通常他のツールではそれぞれの計算式を用意しないといけないものを、あらかじめ用意し、選択するだけで計算してくれる。
では、さっそく使ってみよう。
行・列にディメンションとメジャーを配置する。フィルタには、別途準備しておいた、Null値を除外したセットを追加。
行に追加した「合計(職員一人当たりの子どもの数)」の▼をクリックし、[簡易表計算]から[ランク]を選択。このままではランクが見づらいので、「合計(職員一人当たりの子どもの数)」を「不連続」に変更し、ランクの数字が分かるようにする。
あれ?
「職員一人当たり子どもの数」が右に棒グラフで表示されているが、多い少ないに関わらず、全ての保育所がランク = 1と表示されている。
みんな1位になりたいのか。
表計算のロジックを確認したいので、「合計(職員一人当たりの子どもの数)」の▼をクリックし[表計算の編集]を選択。
下記のような[表計算]画面が表示される。
実は、表計算では何を使用して計算するかによって全く違う結果が返ってくる。最初は分かりづらいかもしれないが、覚えると計算の自由度が上がるため便利である。
大きく分けて4種類ある:①表 ②ペイン ③セル ④特定のディメンション。
下記にも説明しているが、実際に選択してみると計算対象範囲がハイライトされるため、そちらの方が視覚的に分かりやすいかもしれない。
①表(横、下)
表全体の計算を行う。表(横)は各行を横に計算、表(下)は各列を下に計算。
②ペイン(下、横から下へ、下から横へ)
灰色の枠線で囲まれた範囲の中だけの計算を行う。ペイン(下)はペイン内の各列を下に、ペイン(横から下へ)はペイン内の各行を横に計算したあと下に、ペイン(下から横へ)はペイン内の各列を計算したあと各行を横に計算。
③セル
単一セルごとに計算をこ行う。
④特定のディメンション
特定のディメンション名を選び、そのディメンション内で計算を行う。
初期設定では「表(横)」になっていたため、各行(施設の名称)を横にランクが計算されていたが、「表(下)」に変更すると各列(合計職員一人当たり子どもの数)を下にランクが計算されるようになる。
この時、並び順を「降順」に設定すると、より値が少ない方が低いランクになる。
「合計(職員一人当たりの子供の数)」降順に並び替えると、より値が大きい程、順位が上になっていることが確認できる。
※ただ、今回使ったデータの質が怪しく、「1人あたり99人も職員が付いている保育所」が存在している・・・
【もうひとこえ】市区町村ごとにランク付け
このままでは東京都・神奈川県の全保育所が計算対象になってしまい、検討の範囲外のエリアにある保育所まで比較されてしまう。
現実的に通える範囲の中でランキングを見て検討したいでしょ。
一旦、検討可能なエリアは「市区町村」レベルまでだと想定し、「市区町村」カラムを行に追加したら良い感じで計算してくれないか?
カラムを追加しただけでは、下記の通りに、ランクは表単位で計算された値を維持し、市区町村データがくっついただけとなってしまった。
この場合、[特定のディメンション]> [施設の名称]を選択することで、「施設の名称」(下記のハイライトされた範囲)で表計算が行われる。
さらにTOP5に限定するため、「合計(職員一人当たりの子どもの数)」の[フィルタの編集]を選択し、1~5の数字のみにチェックを入れる。これで、1~5位までのランクが付いた保育所しか表示されなくなる。
おおおー!完成した!
【学び】表計算機能を使って自由自在にランキングできてしまった
細かいカスタマイズまでできてしまうTableauはすごい。特に表計算機能は、複雑な計算式やSQLが書けない人にでも簡易的に実現できるようにしてしまう。
もちろん、表がどの範囲で計算を適用しているかを正しく理解して設定しなければ、意図したものとは違う結果が出てしまうが、使いこなせればとても便利な機能!
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