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昼過ぎに見た推しの夢

多分家だけどどことなくバーカウンターのような作りになっている大きなリビングに、私と時々小説を書く推しの女性がいた。

この部屋の主であるマスターの男性は現在買い出しで不在。私と彼女は月に何度かこの部屋に来る(らしい)が、マスターが買い出しの時間になると私はスマホで画像に文字入れをするアプリを使って入力をする形で、彼女が書いている小説のお手伝いをしている(らしい)。
その小説はマスターとメイドさんの話で、メイドさんはおそらく彼女本人がモデルになっているはず。彼女のSNSをよく見る私からすれば言われずともよくわかる話だ。彼女はモデルさんの本人らしいセリフまわしを私に書いてもらいたいのか、参考として私に入力を頼んできた(と思われる)。

場面の世界観っぽい写真に入力をしているが、最終的には彼女が自分のフォーマットに入力をするので、あくまで参考用の文章を私が入力しているということは理解できる。とはいえ作者の世界観を崩してはいけないと思うあまり、セリフまわしのところで悩みに悩む。メイドさんのセリフが彼女の声で脳内再生されるからか、実際目の前に本人がいるともはや実写版すぎてドキドキする。話してみるとどこにでもいそうな普通のお姉さんだというのに、今はどうしても書いている小説のメイドさんの声としてよぎってしまうからだ。

ソファで横になりながら私が悶えそうになっていると、彼女が何か飲み物を作ってくれるらしい。彼女のSNSをよく見る私からすればもうこんなバーカウンターみたいな場所ならカクテルでも作りそうな気もするが、あくまでも物語上ではメイドさんの姿でコーヒー系の飲み物を出す女性ということになっているし……ということで、今回は世界観を合わせてあげたかったのか私にホットのカフェオレを作ってくれるらしい。ここの展開からこうなったら違うよな……と考えを巡らせながら1人で悩む私はスマホの画面とにらめっこしながら、どうすればいいかわからなくなる。目の前の光景があまりにも実写版すぎるので、余計あたまが混乱する。
しばらくするとカフェオレができたようで、コーヒーカップに注がれたカフェオレがバーカウンターのような席に置かれ、私は少し慌てて席に向かう。カウンターで薄いピンク色の部屋着を着た彼女と、上下スウェット姿にボサボサの髪の毛で向かい合う私。お互いどうしてこの姿なのか……と私は理解が追いつかない。いつか出会った時は、確かお互いサングラスをかけていたというのに。

私はカフェオレを飲みながら、書いている部分について彼女に相談する。『ここのところでこうすると絶対に世界観が合わなくなる気がして……』と私が説明すると、彼女は『あぁそうかそうだね……でも書きたいようにやってみれば?』と言ってくれた。いや、本当にそれでいいの?それだとカクテルを出すバーのお姉さんの話になっちゃうよ。メイドさんがカクテル作るの?それはさすがに物語の世界観として無理があるんじゃ……。

そうこうしているとマスターが部屋に帰ってきた。どうやら外で別の執筆をしている姉ちゃんも、息抜きがてらここに向かっているらしい。マスターは窓側にある時計が三時で止まっていることに気づき、買い出しついでに電池を買ってくれば良かったと後悔する。この買い出しの時間で私は全く小説を書き進めることができなかったが、私に後悔はない。あの時間がとても幸せだったので、もうそれで良いと思えたのだった。

そして、ここで目が覚める。
あのお姉さんも、これから来るはずだった姉ちゃんも、めちゃくちゃ見覚えのある推しだ。マスターだけは、知らない人だったけど。

マジで何だったんだ、この夢。

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