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心肺停止の年間発生件数とバイスタンダーの対象数

少し間が空いてしまいましたが、またバイスタンダーや救命救助について、書こうと思います。


年間の心肺停止の発生件数

一般市民が目撃する心肺停止の件数は約2万8,000件(前年は約2万6,500件)。出所:総務省「令和5年版 救急・救助の現況」。1年間なので365日で割ると、1日約80件程度あります。また、前年から8.8%も増加していますね。

出所:令和5年版 救急・救助の現況(総務省)

AEDの実施率

上記の表から読み取れるのは、一般人がAEDを実施した件数は年間1,229件で全体の約4%です。25人に1人しかAEDが実施されなかったということで、AEDが持ってこられなかったのか、躊躇したのか、この統計からでは読み取れません(どこかに分析があれば知りたいですね)
また一方、何も実施されなかった(一般市民が心肺蘇生を実施しなかった)のが約4割あるということも悲しい事実ですね。

AED実施の生存者率と社会復帰率

もう一つ読み取れるのは、AEDを実施した場合の生存者数の率、社会復帰の率はそれぞれ50.3%と42.6%と、何も実施されなかった場合の同比率6.6%、3.3%(また、心肺蘇生が実施された場合の同比率12.8%、8.8%)に比較して非常に高い救命率になっていると説明されます。
この読み方に間違いはないのですが、絶対値としてみた場合には約半分のケースで助からないわけです。ドラマや映画の影響なのか、AEDをすれば必ず助かるというイメージがあるようですが、そんなことはないというのが現実ですね。

バイスタンダーの人数

そして、心肺蘇生を実施した人数が1万7千人ということは、少なくともその場に居合わせたバイスタンダーは事案で一人だけでも1万7千人、2人いたら3万4千人となります。
年間これだけの人数の方が、バイスタンダーになっているという事実があるものの、なかなか周りで「バイスタンダーをしたよ」という話を聞かないのはなぜなんだろう、謙虚さを美徳とする日本人だから?周りに公言しないという事かなと考えさせられます。。
 
今日はここまで。次回はバイスタンダーに渡されるサンキューカードについて書こうと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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