騒ぐ場所

今年に入って2回ほど、人生でほぼ初めて居酒屋を利用した。と言っても酒は飲んでいない。弱いとかいうレベルではなく、統合失調症なので、飲むと症状がぶり返すので飲む訳にはいかない。2回ともシラフである。

2回とも、ありがたいことに私は10人程度の大グループの一員であった。10人で店を占拠し、あろうことか酒を飲んで、酔っ払って騒ぐ。人前で。それが許される場所。不思議だな、と思った。周りには他のお客さんもおり、酔ってもないし統合失調症でもあるのでその目が少し気になるが、騒ぐことが許される場所なので、お互いに許し合っている訳である。度を越さない程度の無秩序が、この空間のルールなのだ。

飲んだり酔ったりはしていないが、この空間にいることが楽しい、という感覚はすごく理解できた。これまで良くわかってなかった「飲み」という概念が理解できた気がする。大人になると、人前でそうそう騒ぐ訳にはいかない。大人が騒いで許される場所に行く、あるいは特定の場所をそういう場だと制定し、その非日常を楽しむ、それが「飲み」なんだと思う。アルコール自体はその補助に過ぎないのかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?