[「カルティベート」企画の背景を知りたい人はこちらを見てね!]20代〜30代の文化創りの当事者たちが集まるお寺に泊まる1泊2日の企画「カルティベート 」を実施したい

昨日、和菓子屋さん生まれの友達から呼ばれ「夜の和菓子屋さん」に遊びに行ってきました。

彼のお店でこれから始めようとしているのが、夜の和菓子屋さん。和菓子屋さんって16時とか17時とかで閉まっちゃうイメージありますよね。自分もそういうものだと思ってたんだけど、友達のお店では今後、夜のサロンのような人が集まる夜の和菓子屋さんをやってくれるとのこと。それを聞いて、そして体験して、すごくワクワクしました。

日中は働いていて、帰り際にふらっと寄れる和菓子屋さんとか素敵すぎる。彼のお店は1958年に創業した地域の中で愛されてきたお店で、彼も三代目として和菓子作りにエネルギーを注いでいます。

また正式な紹介のページなどが作られたら、皆さんにもお伝えしますね。


ここからは伝統や継承についてのお話です。その友達と話している時に、よく継承の話になります。伝統というふうに括られる領域の人たちとはこの話題、かなり盛り上がるんだよね。      

自分自身もお寺に生まれて、葛藤してきたんだけど(いまもしてるけど)、その葛藤の中で考えてきたことや取り組んできたことが他の領域の後継者にあたる人たちとすごく盛り上がります。特に世襲制で成り立っているところの領域は特に共感しやすい。既存のものと自分自身の関係をうまくつけていく必要があって、世襲のところは既存のものの影響力が強いからね。

来年度あたりにはさまざまな領域の後継者の人たちと「文化」を切り口に一緒に場を共有し、1泊2日でお寺に泊まる企画「カルティベート 」を実施したいと思ってる。その時に切り口から考えていけばいいのかを考えた時に、継承・継ぎ手の問題から入らずに文化を作る当事者が集まるというふうにしたいな。

この和菓子屋さんに生まれた友達も、カテゴリーが違う人と思えばそうなんだけど、実際はカテゴリーの壁なんて人が頭の中で作り出したものなんだから、取っ払えると思うんです。あえて便宜的に◯◯の分野の人と呼んだりするけれど、それはその人をありのまま説明しているわけではなくて、描写しているにすぎません。     

20代も後半になって、思うようになったのは自分たち世代というのは、どんどん専門化・分業化してきた世界に対して、逆に世界をつなげ直していく役割を担えるのではないかということ。たとえばお茶の世界もお寺の世界も派閥・宗派の意識が長年の実践の中で作り出されてきています。歴史深いからこそ、その専門分化してきたことは良いも悪いもなく、起こってきたこととして受け入れないといけないなぁと思います。

しかし、本質はそこではなくて、どのカテゴリーに属するかという所属意識を大切にするのではなく、そこに流れている精神性を体現するということが重要なのであって、所属や形式のあり方は常に変容を続けていくものなんだと思います。

とはいえ、流派・派閥・宗派などの中に漬かっていると、あたかもそこから見える景色が全てだというふうになってしまう可能性がある。今の年が近い世代から見たときに正解はこれだからまず自分を抑えなさいというコミュニケーションのあり方に疑念を抱いてしまうことが多いのではないかなぁ。

岡本太郎は伝統と創造を語るとき、「伝統には制約がない。今に制約があるんだ」という趣旨のことを述べました。今創作・創造・仕事をしていく時に、過去のありとあらゆる知恵・智慧・叡智は無限に開かれています。過去は今を制約してくるのではなくて、限りなく瞬間瞬間の爆発をサポートするために在るといってもいいのでしょう。

むしろ制約が発生するのは今の瞬間。表現しようとした時に表現者とそれを体感する人の固定観念や常識・暗黙のルールが人の中でアラートとして発動し、自己規制が起こったり、他の人の取り組みを塞ぎ込めたくなってしまったりする。それはある程度は人間の特性としてしょうがないものなんだと思います。

さて、話を戻すと、「カルティベート」の企画アイデアはこれから詰めていきます。    

できれば、文化作りを行っている当事者の人たちと一緒に企画の段階から一緒に動いていけたらなと思います。本来は文化は誰もが作ることに加担しているものなんだけど、まずはその感覚が強い人たちと一緒に作っていきたいな。クリエーター・現代アートの領域の方々も、伝統的領域の方々もどちらも文化の大事な担い手です。さらには文化を享受する人ももちろん文化の担い手で。関わり方は違えど、大事な大事な当事者です。

カルティベートは20代・30代が中心になる場にしたい。それは上の世代の方々には20代・30代の方々がおのずからやりたいと願うことを掘り起こすことにぜひご協力いただきたいと思っています。1泊2日の泊まり込みでがっつり若い世代と話してほしい。現在の構想では、メンターとしての関わりがしっくりくるかな?

同年代の考え方が正しいわけでも、上の年代が正しいわけでもない。ただただ、自ずから大事にしたい想いを形にしようとする中で、それが革新と言われたりするんだろうなと思います。

自分が果たしたい役割は伝統と革新の間の橋渡しをする企画のコンセプト設計をすることです。ものの見方にフォーカスして、こういうまだ見えていない可能性を形にしたら面白そうだね、という世界観を提示することはできそう。

興味を持っていないことに対する記憶力は驚くほどないし、人間関係の関わり方も下手くそだし、手を動かして作るもの(空間・デザイン)はそれぞれのプロの人に手放しがちだし、不完全極まりないのですが、創りたい世界があります。

これまで出会ってきた人たちとも、まだ見ぬこれから出会うであろう人とも一緒に場を創りたいです。企画がそれぞれの領域の文化を耕す一助になるような、2日限定の蜃気楼になればいいな。(もちろんそれだけで終わらぬように、次の機会にもつなげます。)

企画の詳細はまた共有しますね。

資金/宿泊場所を提供してくれるお寺や宿泊施設/空間・グラフィックを作れる参画者・PR系に強い方々/メンターとして関わってくださる方々/当日来てくれるゲストの方々/インカインドパートナー

必要なものやつながりがたくさんだ...。ひとまずどんなに拙くても必ず来年形にすることを誓って、この文章を終わりにします。

ちなみに、友達の和菓子屋さんは、池袋にある「梅花亭」というところです。これからも応援してます。https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13057384/



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