夜間引考

あの時からもう何年経ったのだろうか
僕らそれぞれの道を歩みだしたあの春の日から
いつかまた何処かで会えたらまた笑って話をしてみようか
想い出ばかりが色褪せて言って
気付けばただ歳をとっていって
嫌いだったはずの大人になってしまった
変わんないものがあるとしても
変わったものが多すぎて虚しいよ
だから僕ら夜間非行飛行引こう
もう帰ろうよ

懐かしかった日々は思い出に
大切だったものはゴミ箱に
腐っていたって腐ってないって言い張って強がって
無駄な遠回りも辞めていって
悲しいくらいに虚しいことに苛立って
感傷に浸る毎日だった

そしてまた夜に君と会いたかった
もう一度あの時を思い出したかった
でも、もう、君はこの世界にはいなくて
僕はただ泣き叫ぶだけで何も出来やしなくって
だからさ、まだこうやって地面に這いつくばって生きているんだろう
諦めるなとか強いやつのセリフばっか言い聞かせて

気付けば目の前に空が広がって
上を向けば月明かりが眩しくて
両手を広げ靴を脱ぎ夜風を一身に浴びる
君も同じ気持ちだったんだろう
君にもう一度会いたいんだ
そして僕は夜間非行飛行行こう逝こうもう休んでいいんだよ

おやすみなさい

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