ベトナム戦争、アメリカ、アジア

誰も南ベトナムを守ろうとしない、だからアメリカが守るしか無いと思った


何を守るのか? 誰を守るのか?

アメリカは、民主的な国家制度を創造しようとする人々を守ろうとしたのだろう

しかし、そういう人々はいないに等しく、アメリカがそういう人だと選別した人は汚職にまみれた独裁主義者だった

南ベトナムの人々は汚職まみれの独裁主義者よりも、彼らを糾弾するベトコンを支持した


結局アメリカは、空虚なプライドを戦略的に重要な国家の威信だと誤認識したままベトナム戦争に敗戦した


欧州は誰一人としてベトナムに派兵しなかった

ベトナムで負けても欧州は共産主義の侵略に対して安全だと判断したからだ

しかしアメリカは、ベトナムで負けるとタイも韓国も日本も、そして欧州も共産化すると恐怖した

換言すれば、戦争に勝つには全ての戦闘に勝たねばならないと誤認識したのだ


アメリカの誤認識を擁護すれば、タイ、マレーシア、フィリピンの首脳が「ベトナムが共産化されると、我々も困る」とアメリカに言った事だが、それは彼ら独裁政権の不当な利権を擁護して欲しいという願いであり、民主主義を守って欲しいという事ではなかったのだ


とは言え、アメリカ兵の多数の死者を発生させたベトナム戦争により、タイ、シンガポール、マレーシアなどが共産化せずに経済発展をするために必要な時間的猶予を得られたという歴史的な評価は高い


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春山の感想的な結論は、民主化するには未熟な状態で、アメリカの鶴の一声で一斉に独立をした国の多くは、独立を維持するには強力なリーダーによる独裁主義実家を経ながら経済発展を遂げ、経済的な豊かさが民意を向上させて民主主義国家になるまでの時間稼ぎが必要だったのだ

そして21世紀の2024年現在でも、経済的な豊かさと成熟した民意が両方存在する国家は少ないのだと思う

両者が併存しない状態では、共産主義であるか否かに関わらず、独裁政権化する傾向が残り続けるだろう


下記リンクにあるインドネシアのスカルノの生涯を読むと、上記の春山の考え方に同意されるかも、と思う

スカルノ - Wikipedia

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