初級卒業生に必要な知見(31)八方美人は本命に嫌われます

素晴らしい銘柄Aを発見した。しかし他にも良い銘柄があると思うので、あれやこれやと探し回ることを続ける。一番良い銘柄はA以外かもしれない、探し続けるべきだと思うので、現金を保持したままだ。一番良いと確信できるまでは投資したくないのだ。

こういう考え方や行動パターンでは投資家として成功しない
銘柄Aを発見するために相応の努力をし、一定の比較検討をした上で「Aは素晴らしい」と判断したハズだ。それにも関わらず投資せずに、もっと良いものがあるかもしれない、私は最良の銘柄に投資をしたいのだ、Aよりも良いものは無いと判明するまでは現金を保持したい、という態度は、「判断しても実行しない」という心の弱さに起因するものだ

投資家として成功するパターンは、自分自身の相応の努力と判断の結果を信じて銘柄Aに投資することから始まる
その後は銘柄Aの追跡調査を主として行動し、時間があれば他の候補を探索するのが好ましい。どこかで銘柄Aよりも有望な銘柄Bを発見したら、その時にAを売ってBを買えば良いのだ

心が弱いと自分の努力や判断を信用できずに、ズルズルと時間だけが経過する。それはまだマシな方で、雰囲気やメディアのお気軽情報に気持ちが支配されて、その銘柄を買ってみるものの、株価が冴えない状態が数日続くだけで不安になり、他の銘柄に乗り換えたりと短期の売買を繰り返して損失を重ねてしまう

八方美人的な性格の人は、上記のような事態に陥りやすいかもしれない
全員から愛されたい、特定の人とだけではなく常に多くの人と繋がりを持っていたい、という心理状態は上記の「判断しても実行しない」という心の弱さに似ていると春山は思う
あなたが八方美人であれば、あなたにとって重要な人も「あなたは私の事を特別な人ではなく、その他大勢の1人にすぎないと判断している」と思ってしまう。

株式投資は人間関係では無いから、銘柄Aや銘柄Bは人生に決定的には重要ではない。しかし、実生活では数多くの候補者の中から特定の1人、もしくは少数を選択する重要な分岐点がある。そういう時に八方美人的な性格や行動だと、重要な1人や少数を選択する決断ができないまま時間を無為に過ごすことになってしまう

株式投資は、日中米の投資可能銘柄(約1万社)の中から5〜6社を選び、他を捨てる作業である。それは自分の努力と判断を信じて実行することに他ならない。だから決して八方美人的であってはならない

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