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「柔道精神」を学んだ少年~柔道は友だちを助けること~

 新しく入塾したお子さんにまず教えることは、「礼法」「柔道精神」「受身」の3つです。先日初めて稽古を行ったお子さんにも「嘉納治五郎師範 遺訓」を通して、柔道精神を教えました。


【嘉納治五郎師範 遺訓】

柔道は心身の力を最も有効に使用する道である
その修行は 攻撃防禦の練習に由って身體精神を鍛錬修養し
斯道の神髄を體得する事である
さうして是に由って己を完成し世を補益するが
柔道修行の究竟の目的である


 子どもが柔道精神を理解し、実践することは簡単ではありません。分かりやすく説明したつもりでしたが、「嘉納師範遺訓」はもちろん、「精力善用」「自他共栄」など初めて聞く言葉ばかりで、あまり意味が分からなかったようです。お子さんの表情から「?」マークが沢山見えました。しかし、稽古が始まり「礼法」や「投げた際には引き手を引く」など相手を敬うことの大切さを教えていく中で、ふと何かに気づいた様子を感じていました。そして、稽古後が終わり、帰り際に私の所へ来て笑顔でこう言ったのです。「柔道は、『友だちを助ける』ってことだね」


 彼が柔道を始めようと思ったのは、体験会に参加した時に柔道が「楽しかった」からです。ただ、今回初めて柔道衣を着て、実際に稽古をした中で「人として成長していくこと」や「お互いに助け合うこと」ことの素晴らしさにも少しだけ気づいたようでした。後日お母様から教えていただいたのですが、初めての稽古から帰り、お父様に「柔道教室に通わせてくれてありががとう。がんばる!」と言ったそうです。彼は約1ヶ月間「柔道をやりたい」とご両親にお願いし続けました。この日、柔道家としての一歩目を踏み出した喜びと感謝を素直に表現した彼を微笑ましく思います。

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「柔道家が増えることで社会はより良くなる」。私はそう信じています。困っている友だちがいたら近くに行って寄り添える、助けてあげられるような強くて優しい柔道少年少女をこれからも増やしていきたいです。


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