「コンビニ」

思い立って真夜中3時に
君を誘ってコンビニへ行こう
嬉しそうに上着を羽織って
君は一目散に玄関へ

少し肌寒くなってきたけれど
僕の左手はいっつも暖かい
初めて君と手を繋いだ日のことが
恥ずかしげに微かに蘇る

君と色んな所へ行ったけど
色んな思い出作ったけど
二人で行くコンビニが一番好き
明日には忘れそうなありふれた日常が
いつかきっとフラッシュバックする気がしている
点滅する街灯
信号待ちのタクシー
自販機の明かりに照らされた君

当ても無いからとりあえずアイスコーナー
欲しいの無くて君は膨れてる
結局僕ら麦茶を買って
また来た道を辿るんだ

片道5分くらいの道のりを
僕らゆっくり大事に歩いてく
唐突にふざけて
「もう帰るの⁉︎」って駄々をこねる
君の意地悪な顔 美しい

それは特別なんかじゃ無くて
気にも留めたこと無くって
こんな気持ちになるのが自分でも不思議
映画を見ているような
現実じゃ無いような
君がいるだけでもう特別なんだ
抱きしめようとしたら
ひらりと僕をかわして
帰ってからにしよって焦らすんだ

君と色んな所へ行ったけど
色んな思い出作ったけど
二人で行くコンビニが一番好き
明日には忘れそうなありふれた日常が
いつかきっとフラッシュバックする気がしている
玄関を開けたら
誰もいない部屋にただいまって
君はいつもみたいに笑うんだ.....

....
あぁ。夢か。

目を覚ました病室にて
僕は一人ベッドの上
長い間生きてこれたな
生まれ変わってまた君に会いたい
僕は幸福で満ち溢れてる
君の全部を見届けられたから

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