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Kyashについて調べてみた【プロダクト分析第1弾】

コインチェック株式会社でマーケティングやプロダクトグロースをしている都丸です。


いきなりですが、プロダクトディレクターやプロダクトマネージャーポジションの面接を受けた時に聞かれるよくある質問は何だと思いますか?


正直たくさんあると思いますが、中でもよく聞かれそうだなと思うのが

「あなたが毎日使っているプロダクトは何ですか?」

「あなたならそのプロダクトXをどのように改善しますか?」

など、応募者が普段から使っているプロダクトサービスに関する質問だと思ってます。


ただ、「普段私が使っているプロダクトについてどこまで知っているのかな」と自問自答してみたところ、全くダメでした笑


そこで今回からは、自分のインプットも兼ねて、普段愛用しているプロダクトをリサーチした内容をnoteで定期的に発信していこうと思います。


プリペイド決済と送金のウォレットアプリ「Kyash」を調べてみた

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出典元:Kyash公式

私が普段から使っているプロダクトの一つがKyashです。キャッシュレス決済派の方はご存知の方が多いと思いますが、どんなプロダクトなのか簡単に解説します。


サービス概要

Kyashは、株式会社Kyashが提供する個人向けにウォレットアプリです。

クレジットカードなどからKyashの残高にチャージして使うVisaプリペイドカードで、利用状況がアプリ上でタイムリーに把握できます。

決済方法は、「スマホ決済」「物理カード決済」が行えますが、スマホアプリとカードが連動しているため、決済後の残高や明細がリアルタイムで確認できるのが特長です。

カードの決済限度額の設定もアプリ上で行えるため、家計の管理にも役立ちます。

更にチャージ方法の選択肢として「イマすぐ入金」という後払い決済機能もあり、クレジットカードを持たない学生や主婦(主夫)でも利用できるのがメリットでしょう。


補足ですが、kyash関連ワードの月間平均検索ボリュームを調べてみると・・

「kyash 改悪」というワードが二番目に多いことが判明。このワードのボリュームが多い要因も探っていきましょう。

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Kyash株式会社の情報

一旦、ユーザー視点によるプロダクト紹介の前に企業説明を挟みます。

企業名:株式会社Kyash
代表者名:鷹取 真一
設立:2015年1月23日
資本金:79億2,944万円
Twitter:公式アカウント採用アカウント
note:Kyash People TeamKyash PRODUCT  BLOG


KyashはFintechベンチャーと言えるでしょう。未上場のため決算情報はありません。

以前Kyashの採用担当者とお話しさせていただく機会がありましたが、苦戦しながらも採用を全社で頑張っていると言ってました。採用は本当に難しいですよね。


◇ビジョン
新しいお金の文化を創る

◇ミッション
価値移動のインフラを創る

◇バリュー
頂点志向 -Bestのその先を創る-
動いて風を知る -走りながら道を見つける-
One Team -掛け算のチームで大きく挑戦する-


ビジョン・ミッションはコインチェック株式会社と近しいものを感じました。


KyashはFintech事業者として主に「決済や送金ができるアプリの提供会社」に分類されます。

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また、カード発行から決済システム開発、アプリの開発までの一連の業務を全て自社で行なっているようです。


更に、Coinbase Japanの代表である北澤さんが社外取締役として参画しています。


「Kyash」プロダクト紹介

まずはメリットから。

・ポイントが貯まる
→決済金額に応じて、1%のKyashポイントが付与される

・送金できる
→Kyash(キャッシュ)のアプリを入れている人同士なら送金ができる

・決済履歴をアプリにすぐ残せる
→決済をするとすぐにアプリに通知が届き、利用明細もいつでも確認することができる

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特徴①カードをかざすだけの簡単決済「Visaプリペイドカード」
・Visaのタッチ決済に対応する店舗であればカードをかざすだけでお支払いが可能
・サインや暗証番号入力は不要。現金やQRコード決済よりもスムーズ
・QUICPay決済に対応しており、Apple PayやGoogle Payを使えばスマホだけでも決済が可能


②海外決済、リアルもオンラインもOK

・Visa加盟店なら国内はもちろん、海外でも利用可能。世界中のVisa加盟店舗数は、7,000万店舗以上
・オンライン、実店舗、どちらでも利用可能
・1日に利用できる額、月間で利用できる額も、より自由に設定可能


③簡単送金&スマホとリアルタイムで連動
・手の中のスマホに届く、利用明細のリアルタイム通知
・その場でカンタン、割り勘・送金もリアルタイムに


④見やすい使いやすいスマホアプリ
・手元で操作できる「カード設定」機能
・1回ごと、または月間の利用上限設定
・海外実店舗決済のオン/オフ
・オンライン決済のオン/オフ
・高いセキュリティ性を備えたICチップを搭載
・不正に気づける、利用明細のリアルタイム通知
・国際的なセキュリティ基準「PCI DSS」に準拠


提供しているカードタイプを比較

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Kyashマネー:銀行口座や銀行ATM(ペイジー)、コンビニ、セブン銀行、ATM他サービスの売上金やポイントから入金した残高

Kyashバリュー:クレジットカード/デビットカードやKyashポイントを入金した残高


Kyashの魅力の一つであるポイントが還元される点に関してですが、kyash Cardを利用かつKyashマネーで残高チャージを行えば1.0%還元されるようです。

反対にクレジットカードはKyashバリュー残高になるので還元率はたったの0.2%です。


以前はクレジットカードチャージでもポイント還元率は1.0%でしたが、途中から還元率が下がりました。おそらくこれが要因で「kyash 改悪」といったネガティブワードのボリュームが増えたのではないでしょうか。

参照元:決済時のポイント還元率および上限の変更について

(ただ、私はKyashの利便性とシンプルなUIUXが大好きです!)


インストールからKyash Cardへの申し込みは簡単

1.アプリダウンロード(iOS / Android)
2.アプリ内でKyash Card Virtualを発行
3.アプリに入金
4.Kyash CardもしくはKyash Card Liteに申し込み(本人確認含む)

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マネタイズモデル

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・VISA加盟店からの手数料
・カード発行手数料
・イマすぐ入金手数料


「イマすぐ入金」は2021年7月12日から開始した後払い決済サービスです。

最近後払い決済サービスが増えており、Kyashも風潮に合わせた感じで展開してきました。

あと払いタイプの入金方法で、3,000円〜50,000円までの金額を数タップですぐにKyashアカウントに入金。翌月末までに、入金した分を後払いで返済できる入金方法です。

・入金可能金額:3,000円〜50,000円
・支払い期限:「イマすぐ入金」した月の翌月末までに支払う
・支払い方法:コンビニ(ローソン、ファミリーマート、セミニストップ、イコーマート)※2021年12月時点
・手数料:500円〜
・本人確認書類:不要。会員登録しているだけでOK

今すぐ入金



今後は国内の後払い決算市場も伸びていくと予想されるので、イマすぐ入金の支払い方法の選択肢をもっと増やしていくと思います。

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出典元:日経XTREND


プリペイドカード決済とクレジットカード決済の違い

最後にプリペイドカード決済について触れます。

プリペイドカード決済は、購入者への請求がオーソリ(仮売上)の時点で処理される仕組みです。オーソリでチャージ残高から購入金額分を徴収し、売上でオーソリを確定します。

オーソリ(仮売上) :クレジットカードの利用限度額の確保を行う処理のことで、決済実行時に処理されます。
売上(実売上):オーソリを実際の売上として計上する処理のことで、数時間後から数日後に処理され、購入者への請求が確定します。          引用元:https://blog.kyash.co/entry/2018/09/06/172344


プリペイドカード決済とクレジットカード決済の違いは以下です。

クレジットカードは後払い。利用後にユーザーへ請求が発生する。

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プリペイドカードは先払い。事前に一定額を支払っておき、利用中(リアルタイム)に請求が発生する。

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出典元:Kyash Visaカードはなぜガソリンスタンドやホテルで使えないのか


先払い式だと利用が難しいサービスはKyashでも利用が難しいということです。


レンタカー

レンタカーは、借りるときには料金は確定しておらず、車を返却した後に料金が確定します。

プリペイドカードでは売上で実際に徴収する金額を処理することはできないので、使用不可としています。

ホテル

チェックイン時には正確な料金を知ることはできないためです。なぜなら、ホテルの予約時には料金が確定しておらず、宿泊後に料金が確定します。また予約せずに宿泊をする場合でも、宿泊中に飲食等で追加料金が発生することがあるためです。


ただ、レンタカーやホテル決済時に一定の金額を一時金として引き落としさせる処理を実行させて残高不足を防げるようになれば、利用できるようになるかもしれませんね。

この辺りの細かいことはKyashのブログに書いてあります。


まとめ

Kyashはこんな人におすすめです。

・送金機能を利用したい
・ポイント還元されてほしい
・第三者のなりすましによる利用を防いでほしい
・銀行orコンビニチャージを利用予定
・実店舗でも非接触決済を利用したい
・大切なパートナーと共同で口座を管理したい(記事では触れてませんが共有の口座も作れます

皆さんもぜひ使ってみてくださいね。



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