Jリーグのスカウトマン 2

 Jリーグのスカウトマンについて前に続いて説明をしたいと思います。より深く理解するにはJリーグの組織図を知る必要があります。社長は経営の数字的な事を見ていますが基本的に1番の現場責任者のトップはスポーツダイレクターという役職です。

 最近ヴィッセル神戸の三浦淳宏さんが監督になると発表がありましたが彼が位置していた役職こそ最大の現場責任者です。したがってもちろんスカウトマンよりも偉いです。スポーツダイレクターは少し前は=GMゼネラルマネージャーとは仕事が違いましたが、最近ではGMというポジション自体がなくなりスポーツダイレクターという役職が担う仕事が増えてきました。ただしGMがなくなったからと言ってその仕事がなくなる訳ではないのでそのポジションを置かない分、社長や役員、スポーツダイレクターがより仕事の内容が増えてきたとも言えます。話はそれますがアカデミー(下部組織)ダイレクターもより経営的な仕事が増えたと言えます。簡単にいうと右のトップ、スポーツダイレクターと左のトップ、アカデミーダイレクターの上司がGMという役職でした。

 スカウトの話に戻りましょう。スカウトマンが見つけてきた選手を取るか取らないかを決め、最終決定をするのは先程言ったスポーツダイレクターとなります。しかし、スポーツダイレクターという仕事はトップチームの契約交渉の窓口になるなど、より経営的な仕事をしている為、スカウトマンが見つけてきた選手をいちいちチェックする時間など無いというのが現状です。したがって実質的にはスカウトマンが入れようと思えば欲しい選手は殆どがそのチームに入れるという事になります。
 要するに本来の組織的な話をするとスカウトマンが選手を見つけてきてそれをスポーツダイレクターやアシスタントスポーツダイレクター(スポーツダイレクターの右腕みたいな役職)がチェックして選手をとる。というのが正当なルートですがチェックしきれてないというのが今のクラブの殆どの現状です。一般企業で働いた事があればよく聞くような話だと思います。

 さてスポーツダイレクターに1番権限があるとすればスポーツダイレクターに認めて貰えればプロになるには1番早いわけですが面白い事にスポーツダイレクターにつくような人はスカウトにはあまり興味がない人が多いです。というのもこの前、ヴィッセル神戸の三浦淳宏選手がいきなり監督になりましたが、現監督が解任した時にスポーツダイレクターが代わりに代役を務めるのは上等手段です。という事はS級ライセンスを持っているような、もともとサッカーで実績のある人がつく役職です。そういう人はトップチームの監督になりたい=現場で働きたい人が多いのです。その為、スカウトといういわば地味で裏方の仕事はあんまり興味がない事が多いです。

 また、そのチームの監督から直接声がかかってプロに誘われたという事を噂で聞いたりしますがこれは本当にレアケースと言えます。確かになんらかのタイミングでたまたま監督が試合をみて高校生や大学生の選手をとる事はあります。しかしその場合でも、監督はあの選手良いと思うがどうなんだ??とスポーツダイレクターやスカウトマンには相談します。まぁスカウトマンとしては監督がほしい選手ならあなたの責任だからとれば?みたいなイメージでしょう。私が知る監督ルートでチームに入ったという選手は10名もいないです。

 この続きは時間があればお伝えできればと思います。

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