学んだことを実戦で定着させるには?〜最速で初段になる将棋戦術〜
将棋の勉強をしていても、それが実戦に生かされているか分からない、棋力向上に役立っているのか分からない、と思う方も多いのではないでしょうか?
座学で学んでも、それが実戦で使えなければ意味がありません。
きちんと知識を身につけるための方法を1つ紹介します。
テーマを決めて実戦に挑もう
学んだことをどうやって定着させるか。
それは単純で、学んだことを意識してアウトプットすることです。
情報をインプットしただけだと、実は長期記憶には残りません。
定期的にアウトプットして初めて記憶に定着します。
なので、学んだことを定期的に頭の中から取り出してあげる必要があります。
そのために具体的に行うことは、
1. 学んだことから1つテーマを選ぶ
2. それを意識しながら対局をする
これだけです。
例えば、この記事で紹介した「自玉の詰めろを意識する」というテーマを選んだとします。
自玉に王手がかかりそうな局面になったら、必ず一手進むごとに自玉が詰め
ろであるかどうか確認する、と決めて対局に挑みます。
例えばこんな局面。
☖4八銀と打たれたところ。
攻められたのでつい反射的に受けたくなってしまいますが、詰めろについて意識していれば、「自玉は詰めろなのか?」と立ち止まって考えることができます。
実はこの手、詰めろではありません。☖3九角と王手をかけてきても、☗同金☖同龍☗1七玉で有効な王手が続きません。
なので、こちらが相手玉に詰めろをかければ、1手勝ちになっているということになります。
☗4一角成と金を取り相手玉に詰めろをかけて先手優勢です。
対局に熱中すると、テーマについて忘れてしまって意識せずに過ぎてしまうことがあると思います。
そんな時は対局を振り返り、テーマについて考えていなかった局面、例の場合は自玉の詰めろを考えていなかった局面はどこか確認してみましょう。
そしてまた繰り返し対局を行います。
ある程度意識して指せるようになってきたら、また別のテーマを選びます。
例えば、この記事で紹介した「桂の頭を攻める」というテーマを選んだとします。
今度は、開戦のタイミングで桂の頭を攻められないか常に意識する、と決めて対局に挑みます。
例えばこんな局面。
後手が☖7三桂と何の気なしに桂馬を跳ねた場面。
「桂の頭を攻める」を意識していれば、このチャンスを生かすことができるはずです。
☗7五歩と攻めるのがいい手で、☖同歩と取ると☗7四歩で桂馬を取ることができます。後手は7四の地点に効きを足す駒がないので、この桂頭の攻めを受けることができません。
この対局中は、前回の「自玉の詰めろを意識する」を意識しなくてもいいです。1つの対局に複数のテーマを持ち込むと頭の中が混乱してしまうので、ここは一旦置いておきます。
同様に、繰り返し対局を行い、振り返りを行います。
このようにして、いろんなテーマを決めて対局を行います。
ただし、この時点ではまだ身についたとは言えません。
放っておくと忘れてしまいます。
時間を置いて定期的に思い出す作業をして段々と記憶に定着していきます。
「自玉の詰めろを意識する」というテーマで対局をした1週間後、また同じテーマで対局を複数局行なってみます。
さらに1ヶ月後、また「自玉の詰めろを意識する」で対局を行います。
ここまで繰り返し行い、意識せずとも自然と考えられるようになったら、初めて「身についた」と言っていいでしょう。
まとめ
学んだことを意識してアウトプットする
学んだことから1つテーマを選ぶ
それを意識しながら対局をする
定期的に繰り返して思い出す(1週間後、1ヶ月後など)
意識しないでできるようになったらOK
参考書籍
脳が認める勉強法「学習の科学」が明かす驚きの真実!
ベネディクト・キャリー(著)
使える脳の鍛え方 成功する学習の科学
ピーター・ブラウン 他 (著)
将棋ウォーズ運営チーム ハル
※盤面画像作成には棋神アナリティクスを利用しています。
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