「人生で大切なことはすべて将棋から教わった」第14訓
第14訓「始まりは、偶然から」
こんにちは。
二代将軍中吉です。
第7訓「最初はいつでも、一歩から」でお話しましたが、将棋の最初の一手は、歩です。
しかし、この歩を先に指すのはどっちなのかというのを決めるのは、「振り駒」です。
振り駒というのは、先手後手を決めるために、上位者側の歩を5枚取って、手の中で混ぜ合わせた後空中に放って、表の「歩」が多く出れば上位者が先手、裏の「と」が多ければ下位者が先手となるという方法です。
もちろん、表の「歩」が出るか、裏の「と」が出るかは、偶然でしかありません。
つまり、将棋の先手後手が決まるのは偶然からなのです。
将棋の始まりは、偶然から。
私たちは、何事も計画性をもって、きっちりとやることがいいとされています。
何か目標を定めて、その目標から逆算して計画を立て、それを着実に遂行していく。
しかし、私たちの人生に大きく影響を与え、大きな成果をあげることにつながったとされるのは、むしろ「偶然」であることが多いものです。
自分の人生を振り返ってみても、自分にとって大きな存在となったものは、偶然に出会ったものではないでしょうか。
それは、偶然、手にした本が人生を決める座右の書になったり、偶然出会った仕事が天職になったり、たまたま隣に座った人と結婚することになったり、、、
そうした「偶然」の大切さを、スタンフォード大学の心理学者クランボルツも唱えています。
彼は、それを「計画的偶発性理論」と呼び、人生は偶然の積み重ねで、その偶然を自分のものとして活かすことにより、人生がより豊かに発展していくとしています。
大きく物事が動き出すのは、計画や目標からではなく、むしろ偶然から、なのかもしれません。
将棋の大きな対局が、偶然のあり方から始まるように。
「将棋から教わった、人生で大切なこと」
その14個目は、