同じ詰将棋を繰り返し解くことについて

 久しぶりに(ウォーズの)四段に勝てて気分のいい将棋とうちゃんです。しかも1回勝てただけでかなりハッピーなので、こういう単細胞な面は将棋向いてるなあとおもいました(笑)。

 今回のnoteはお題にあげたものの、将棋人生で詰将棋を繰り返し解くのはほぼ初めてで、今まさにやっているところなので、「繰り返し解いたらこうなった!」的な内容ではなく、「繰り返し解く上で目指すところはこのへんだろう」という内容です。効果の程が出たら別枠で書いてみる予定です。なお以下は三段(達成率が地下帝国)程度のレベルの視点から、ちょっとイキった内容です(笑)。ご了承ください。

 1.詰将棋を解く意味

  繰り返し解くという話の前に、解く意味について一応自分の考えを書いてみました。巷でよく言われるような〇手詰め解いたから終盤強くなった的な効果はさほど期待しておらず、スポーツでいう走り込みみたいな基礎練習的な位置づけと考えています(詰むかどうかというより全体的な読みの力のベースとなるもの)。また小学生の時からパズルとして解いて楽しんでいたため「解く意味」といわれると、厳密にはあまり考えたことがないというか考えられないので「まあ、走り込みくらいの位置づけなんかなあ」という風にしかとらえられないというのも事実です・・。

2.繰り返し同じ詰将棋を解くことについて

 ほぼ初めての試みなので、やり方については試行錯誤中という前提で読んでください。

 (1)本の難易度

 繰り返し解く本は自分にとって常に「そこそこ難しいレベルのもの」を選択する必要があると思います。いつまでも脳筋ですらすら解けるものをひたすら解いても、対局前の準備運動にはなるとはおもいますが、棋力向上には繋がりにくいかと思います。

 なぜならば、詰将棋を詰ます力という面で見た場合、実戦で5手詰めがパッと見えるようになりたいなら、普段から5手詰め以上に取り組むべきというこれまでの経験からです。実践は様々なプレッシャーがかかるため普段の力の何割かしか発揮できないのは明白です。実践で5手詰めがみえないのは、5手詰めしかといてないから。これに尽きると思います。自分の場合20何手詰めの詰将棋も解いたりしますが、これは実戦で10数手の詰みを読み切るために意識的にやっています。「実践は練習以下のことしかできない」という意識は大事だと思います。

 今7,9手詰めパラダイスの文庫本を解いていますが、これは普通の詰将棋の7,9手に比べて難易度が段違いに難しいため、実戦で7手程度が見えるには適しているだろうという面と、(今回は読みについては詳しくは触れませんが)これくらいの難易度なら読みのベースの底上げになるだろう、という考えに基づくものです。要は解く本の「手数か難易度か」を自分にとって手ごわいレベルにすることが肝要ではないかという考え方です。

 (2)解く速さ

 たまに「前は1問30秒で、今回20秒切った」とか見ますが、30秒から20秒にするというのが「指導者等に指示されているものではなく、単なる自己満足にすぎない」場合、あまりその数字に意味はないかと思います。一方で以前15分とか30分かかったものを久しぶりに再度解いてみてどう変わったかは非常に大事かと。なぜならば実戦では持ち時間との闘いがあるため、時間に見合った時間まで短縮できてない読み・詰みのプロセスは使い物にならないと思うからです。

 (3)繰り返し解く回数

 (2)の通りすらすら解けたらもう解かなくていいと思います(おそらく一問一分程度)。次はより難易度・手数のあるものに移る感じで。蛇足ながら、繰り返し解いた本の回数を自慢する大会なら、ひたすら脳筋問題を解いてもいいですがそれは「手段が目的になっている」悪い例だと思います。

 (4)繰り返し解く意味

 「実際の対局は持ち時間が潤沢ではないため、自分で考えた手が妥当かどうかを判断する時間を、適切なレベルまで短縮することが上達・勝利につながる」からかなと思います。実戦は時間制限付きの応用問題の世界なので、自分のこれまでやってきたものをいかに頭の引き出しから融合したり、分解したりになると思うので、引き出しが中々開かないのはそれだけ損になるかと。なお、引き出しというと暗記のように思いがちですが、おそらくは以下に書いた通り「単に覚えた」ものを引き出しから出しても、そもそも応用することは多分難しく「考えた経験のあるもの」をいかに早く引き出し、応用できるようになるかではないかという気がします。

(5)繰り返し解き初めて分かったこと

 「何時間も考えてやっと閃いて解いた問題は、しばらくして繰り返してみるとやっぱり時間がかかる(対局時間と不釣り合い)」というものです。当たり前のことを言っているようですが、たった7、9手詰めをいくら自力で考えて、変化も読んでしっかり理解して解答したつもりでも、一回きりでは早々はその考えるプロセスは身にはついていない、というのは新しい発見でした。「難しい問題をたくさん解いたけど、なんか読みも詰みも向上しないなあ、やっぱ量が足りないのかなあ」という誤った方向にいかずに済んだかなと(笑)。

 難しい問題を苦労して解くことは大変意味があるとおもいますが、解きっぱなしは実戦では役に立たないばかりか、迷走の原因になるので、制限時間に見合った消費時間で、解決までのプロセスが頭に思い浮かぶまで(ここはある程度暗記にはなりますが)繰り返さないといけないのかなあと思いました。ここの効果は冒頭でも述べたように憶測なので、これから検証していくことになるかと思います。

 おしまい





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