将棋から離れた頭をリハビリしていくお話し

 2人育児になって1年半。長女1人だった頃に比べて、自分に使える時間が圧倒的に減りました。
出産前からある程度落ち着くまで、約1年程は丸々将棋から離れていたと思います。棋力でいえばおそらく角から飛車1枚くらい弱くなった感覚です。

 プロは将棋を勉強するのが当たり前の日常ですので、1年というブランクから復帰するという話自体あまり聞きません。
まだ完全に戻ったという訳ではありませんが、最近は低下した棋力を少し取り戻せた実感があります。
今回はそのリハビリ方法について書いていきます。

1、自分の現状を理解する

 まず大事なのは現状を把握することです。
復帰前と何が違うか。一番足りていないものは何かを考えます。
これは普段の勉強や実際の対局を重ねると浮き上がってくると思います。

私の場合
・最近の序盤事情や価値観の理解
・脳の処理速度の低下
・実戦不足
の3つが大きい課題でした。

2、優先順位をつける

 次に取り掛かるべき事の優先順位をつけます。
全てを同時進行で出来るのが一番かもしれませんが、残念ながらそれには時間が足りません。
短い中で効率的に勉強するには、自分にあった勉強方法を考えるべきです。

 上の3つで改善に取り掛かる優先順位が最も高いのは「脳の処理速度の低下」です。
ここをクリアしない限りは他の勉強をしても吸収率、速度、あらゆる面で効率がよくありません。

3、それを解消する勉強方法をひたすらやる

 将棋に関しての脳の処理速度を鍛えられのは「実戦」か「詰将棋」です。私は1人でも出来る詰将棋を選びました。
あとは数をやるだけです。

 しばらくは毎日7手詰めハンドブックをウォーミングアップで解いていましたが、始めの数日はそこで頭痛がしました。頭が考える事を拒否している感覚です。
やりたくない時は、それでもとりあえず始めてみる事。
その内勉強をするのが当たり前になっていきます。

出来そうな問題集から毎日最低20問をノルマに設定。
出来た日にはカレンダーに⚪︎を書いていくと、達成感が出ます。
最初は勉強を始めるのも辛かったのが、だんだん楽しくなってきます。⚪︎を書き並べていくのが嬉しい。
1冊終わったらレベルアップした問題集へ。

 取り掛かって1ヶ月で2000問近く解いたでしょうか。3ヶ月詰将棋をひたすら解いたのでその間5000問位解いたかもしれません。簡単なのも難しいのも含めてですが、多分同業者の中でもトップクラスの量を解いたと思います。
功を奏したのか、年末には短編なら夫と同じくらいのスピードで解けるようになりました。
まだまだ足りないものだらけ、少しだけですがハッキリと戻ってきています。

出来る事を増やしていく

 出来ていた事ができなくなり、それを取り戻していくのがリハビリです。何でこんなことも出来ないのか、自分に苛立つこともあります。
でもそれが現状の自分なのです。
まずは自分を理解して、出来る事から少しずつ、出来る事の幅を広げていく事が大事だと感じています。

読んでいただきありがとうございます。 単純なのでスキやフォロー、サポートをしていただけると更新頻度が上がると思います。笑