上田初美 @ueda823

女流棋士です。 6歳3歳の姉妹を育てながら将棋を指して生きています。将棋と育児について…

上田初美 @ueda823

女流棋士です。 6歳3歳の姉妹を育てながら将棋を指して生きています。将棋と育児についてを中心に不定期に更新する予定です。 夫も棋士。編み物、裁縫、カメラが好き。東京都小平市のこだいら観光まちづくり大使もやっています。 Twitterは@ueda823。

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最近の記事

大阪へ

明日、リコー杯女流王座戦で里見女流四冠と対局のため、大阪へ向かっています。 半年ぶりくらいの関西対局です。 10年くらい前は普及活動で地方にお邪魔する事が多く、月に1、2回は出張していましたが、産後パタリと無くなりました。 仕事をセーブしているのもありますが、そもそも地方へ行く仕事自体が、この情勢の中で少なくなっていると感じます。 いろいろな場所へ行き、たくさんの人と交流出来たのはとても良い経験で、私の人生において大きな財産になっています。 現在は様々な制限がありますが、ま

    • 今月の文春オンラインコラム

      少し前に文春オンラインのコラムが更新されました。 女流棋士の私が、妊娠に気付いたのはタイトル戦の最中だった 今回は2度の妊娠期間中に感じたことを書いています。 文中でも書きましたが、女流棋士の妊娠中の心境などは文章としてほとんど世に出ていません。 書いたこと以外にも、初期には流産に対する不安だったり、後期には股関節の痛みだったり、週数超過での精神の乱れなど、産むまでには色々ありました。 今回はその中で将棋に関することだけを書いています。 コラムとして楽しんでいただきた

      • 足を切った話

        日曜日に、足を切った。 流れるような切り方で、「今日じゃなくても…」がいくつか重なった。 この日は切るように出来ていたんだなと思わせる、そんな1日だった。 「あっ」 と思った瞬間に、傷が見えて、その深さと相応の出血を理解した。切った瞬間は案外痛くないものだった。 将棋を指すときは言葉を発さず、常に冷静であろうとする。そういう日々を過ごしているせいか(たぶん関係ない)、私は全くというほど動じなかった。 あまりにも冷静に状況を説明するものだから、夫は何が起こったのかを理解す

        • 文春オンラインとkodomoeインタビュー

          久しぶりの更新になってしまいました。 6月は嵐のようなスケジューリングで、無事乗り切れたのが不思議なくらいです。 7月に入って、2つお知らせがあります。 まず1つ目は、連載している文春オンラインの記事が更新されました。今回で1周年になります。 恋人であり将棋仲間だった私たちが、夫婦になり、親になっても変わらないこと 6月は私たち夫婦の結婚記念日もあったので、そこからの話題です。 あっという間の1周年でした。これからもお付き合いいただけたら嬉しいです。 2つ目は、育児誌

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        • 考え方いろいろ
          13本
        • 日常・育児の話
          39本
        • 将棋
          46本
        • 企画系
          11本
        • 駒落ちのコツ
          3本

        記事

          ランナーズハイならぬ、ライターズハイ

          今月の原稿のうち、7割を占める1つの仕事が終わった。 正確にはまだ終わってはいないのだけど、大きな骨組みは出来たので、気持ち的にはもう脱稿である。 今日というか、もう昨日か、1日でおおよそ1万文字を書いたので、今の私はランナーズハイならぬ、ライターズハイになっている。 そんな言葉があるのかは知らないけど、夜中だから10分間だけ、頭の中を巡っている文章をここに打ち込むのを許して欲しい。 将棋を指すにしても、原稿を書くにしても、服を作るにしても、ジグソーパズルをやるにしても、

          ランナーズハイならぬ、ライターズハイ

          2021.05.21 ヒューリック杯白玲戦 vs里見咲女流初段

          昨日はヒューリック杯白玲戦の最終戦でした。 4回戦で石本さんに敗れているため、自力優勝はすでに無い状態です。 中盤の入り口で得をして、ここではハッキリよく出来そうな局面だと感じていました。 実戦は△83歩▲62角成△19銀と決めに行きましたが、決めきるのもかなり難しかったので微妙だったかもしれません。 上図では△17同香成▲同玉△16歩▲28玉△79飛成で、△75角を狙う位の方が良かったです。 ここ以降、グダグダで最後は負けにしてしまいましたが、結果は勝ちを拾う事が出来ま

          2021.05.21 ヒューリック杯白玲戦 vs里見咲女流初段

          リコー杯と文春オンライン

          前回の更新から1ヶ月が経ってしまいました。 4月は私が公私ともにかなり忙しく、逆に夫が育児メインになり、若干育児ノイローゼみたいになってました。反対もよくあるので、わかるわかる。笑 昨日は負けてましたが、久しぶりに対局出来て、少し気持ちが切り替わったみたいです。 今日はリコー杯女流王座戦の一斉一次予選でした。 リーグ戦の白玲戦も終盤に入っていて、女性がたくさんいる対局室もだいぶ慣れました。 対戦相手は伊奈川女流二段。 昔から持ち合わせている才能の初期値が高く、とても綺麗な

          リコー杯と文春オンライン

          文春オンラインと読む将棋

          今日はヒューリック杯白玲戦6回戦、塚田女流初段との対局でした。 携帯中継をご覧いただいた皆さま、ありがとうございます。対局振り返りは明日にでも。 文春オンラインの今月のコラムが更新されました。 ご一読の程をどうぞよろしくお願い致します。 娘の「ママ、イヤ!」で負けが確定したときの私が欠かさない「形作り」 今回は育児の話がメインです。 この連載はテーマは自由なのですが、文春将棋というカテゴリーでどこまで好きに書いて良いものか、少し悩みます。 Twitterをやってると実

          文春オンラインと読む将棋

          ニンゲンになりたい

          春休みに入って1週間が経った。 出だしに次女が鼻風邪を引いたけど、無事に完治して、次の日から早速6時間の公園遊びに勤しんだ。 休み期間になると、遊具があるようなメジャーな公園には小学生などのちょっと大きなおともだちが集まる。彼ら彼女らの遊びは、とてもパワフルである。 5歳の長女はまだしも、2歳の次女が同じ空間で遊ぶのは、まだ少し難しい。 なのでいつも、遊具もない、何もない、ただの広場で少人数のおともだちと遊ぶ。 遊び道具は虫や、花や、棒。 一昨日には、虫取り網で蝶を3匹

          ニンゲンになりたい

          はなみずマンとはるやすみ

          春休みに入る直前から、長女の幼稚園で鼻風邪が流行り始めた。 新型コロナへの各家庭の対策により、その他の感染症の流行が激減した幼稚園での、久しぶりの風邪の流行に、もれなく次女が鼻水ダラダラになった。通称鼻水マン。 ちなみに長女は昨年の7月以来、風邪を引いていない。 そもそもこの子は生まれてから5年間ずっと、必要最低限の風邪しか引いていない。親としてはありがたく、嬉しい事に、今の所とても丈夫に育っている。 それにしても今年はもう半年以上元気で、それはそれで免疫的にどうなのか不安

          はなみずマンとはるやすみ

          最近の対局振り返り

          書かねば書かねばと思いつつ、「対局前日」のタイトルばかりが連なってしまいました。 中継が無いと、結果が更新される翌日まで振り返りを書けないので、流れに流れてしまうんですよね…。 5局分くらいかな?ざっと振り返ると、内容としては負けた将棋は中盤で崩れてしまい、終盤まで辿りつかない事が多かったです。 昨日が今年度最後の将棋で、その前の白玲戦に続き、比較的良い内容で勝つ事が出来ました。 特に昨日の将棋は自分なりの「自慢の一手」が指せたのでご紹介します。 和田はな女流2級はホヤ

          最近の対局振り返り

          忍者になりたいと思う春

          対局から帰ると、長女の新しい習い事の体験に行く時間に間に合ってしまった。 家に着いて一息つくと、夫がいくつかの用事を子ども達と済まして帰ってきた。少し疲れてそうに見える。 余裕をかましてドトールのアイスコーヒーを片手にソファーに座り、行ってらっしゃいと見送る訳にもいかず、ここは私が、と言って元々通っている習い事から帰ってきたばかりの長女と体験に向かった。 今日は楽しい事がたくさんあったらしく、めちゃくちゃにテンションが高くゴキゲンである。 ワークが趣味の1つである長女は、体

          忍者になりたいと思う春

          対局前日

          明日は倉敷藤花戦、和田はな女流2級との対局です。 倉敷藤花が始まると春が来た感じがします。 私にとってはこの対局が今期最後の対局になる予定です。39局目。たくさん指しました。 そういえば、前回の記事がたくさん読まれたみたいです。ありがとうございます。 これからもたまに将棋以外の話(って言っても将棋の話だけど)も書いていきたいと思います。 明日は新人の方との対局ですので、負けずに元気よく指したいです。

          強くなりたいなら、負けないと強くならない

          半年程前に将棋を卒業した長女が、最近になってまた1日1局夫と将棋を指している。 少し前にじぃじと初めて本格的に将棋を指して、負けたのがキッカケだった。 親に散々下駄をはかされまくった長女は、まさかじぃじに負かされるなんて思っていない。青天の霹靂。当然大号泣し、笑顔を取り戻すまで一悶着あった。 それから打倒・じぃじを胸に、将棋を指している。 半年指してないとやっぱり弱くなっていたけど、少し指せば勘を取り戻して来た。 夫いわく、教室の25級の子よりは強くて23級の子よりは弱い

          強くなりたいなら、負けないと強くならない

          対局前日

          明日は白玲戦5回戦、島井女流二段との対局です。 前局の全勝対決で敗れているため、自力での1位はもうありません。 しかしリーグ戦であり、来期の順位に直接繋がるのでガッカリ気落ちしている場合ではありません。 今週は珍しく、育児ではなく用事で忙しいです。とりあえず土曜日まで。でも16日も対局だから、その準備もしないとなぁ。やるべき事をやるので精一杯で、やりたい事まではなかなか手が回りません。 いくつかこちらでも振り返りや、書きたい事、ご紹介したい事があるのですが、なかなか時間が

          対局前日

          明日は女流名人戦予選、中村真梨花女流三段との対局です。 予選の決勝戦なので、勝てば女流名人リーグ入りの1番になります。 前回の対局が不戦勝だったため、その前から数えると約1ヶ月ぶりの対局です。 対局が1番の練習であるこの状況で、かなり間が空いてしまったのは不安材料ですが、今ある自分の力を出し切れるように頑張ります。