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【劇場の声】シアターKASSAI(豊島区)

■シアターKASSAI、劇場の歴史

こんにちは。東京の池袋にあるシアターKASSAIと申します。たびたびシアターKASAIと間違われますが、KASSAIです。運営会社は、この劇場を運営するために設立された喝采企画。漢字で読むと一目瞭然ですね。カーテンコールで拍手の音があふれ、鳴りやまないような芝居。そんな素晴らしい芝居が毎週のように行われる場を提供していければという願いを込め、この名前がつけられました。

東京で劇団を主宰していたオーナーが、自らの劇場を持ちたいという一念から物件探しをスタート。1年以上の物件探しと資金集めを経て、池袋徒歩圏内に残されていた倉庫を改装する形で船出しました。会社が設立された当初は、物件周囲エリアの皆さまからの理解を得られなかったり、各種許認可がなかなか下りなかったりと、多種多難。こけら落としは遅れに遅れ、資金がつきそうになりつつ、当初予定されていた日程から半年後、ブラックボックスタイプの小劇場として、ようやくこけら落とし初日にこぎつけました。2010年の5月22日でした。

10年。

東京都の要請に基づく休業期間中に10周年を迎えたことになりますね。なにか意味ありげにドラマチックです。

■シアターKASSAI、劇場の特長

シアターKASSAIには4つの大きな特長があります。
・大きい楽屋
・大きいひな壇
・大きい駐車場が目の前にある
・池袋徒歩5分

・大きい楽屋
もともとは、3階建てのビルの1階部分のみを契約し、袖楽屋のみの劇場としてスタートしたのですが、10年を経て現在は2階まで不動産契約をさせていただいています。1階が劇場とロビー、2階が楽屋と事務所という構成です。そのため、この規模の小劇場としては異例なほどに大きな楽屋を保有しています。面積で言うと、トイレなどの水回りも含めて65平米ほど。楽屋が舞台面より広いという構成。近年の座組の大人数化にも十分に対応可能です。2階の楽屋は採光も良く、普通に過ごしている分には1階の劇場に音が伝わることもないので、本番中にでも気にせず打ち合わせや休憩、おしゃべりをしていただける空間となっております。

・大きいひな壇
KASSAIのひな壇は約35cmの段差があります。見下ろし型の劇場。前に座る人の頭上を超えて、十分に見やすく舞台上をご覧いただけます。舞台面で役者さんが膝立ちをした時にでも、胸より上が見られるようにと、何度も試作を重ねて設計しました。ひな壇が大きいので、その下から見たとき、ひな壇の上から見たとき、舞台の見え方が全く異なります。観劇するお客様の中には、その違いを楽しむ方も多くいらっしゃいます。劇場によく足をお運びいただくお客様は、それぞれの方がそれぞれのお気に入りの場所を見つけているみたいですね。劇場のお勧めは、ひな壇2段目の上手端か、ひな壇最上段の下手端です。

・大きい駐車場が目の前にある。
200台以上が止められる駐車場が目の前にあるのです。ええ。こじつけです。「大きい」を3つ並べたかっただけです。とはいえ、この駐車場がこの劇場を使う団体さんの当日運営に大きな影響を及ぼしているので、特記せずには居られない。入場待ちのお客様にはこの駐車場に沿って待っていただくことができ、それが車の出入りのお邪魔にもならないので、積極活用。劇場内に大きなロビーがあるのとなんら変わらない形での当日運営が可能になっています。列が延びるときには50メートルを越えるときもあり、近隣の風物詩のようになっています。この運用方法の弱点としては、雨の日には大変、ということです。

・池袋徒歩5分である
池袋駅JR東口からでると、徒歩5分で劇場に到着できます。たまに徒歩15分くらい、と言われちゃうんですが、池袋駅巨大ですからね。出る場所を最強に間違えると、15分どころか20分くらい必要になっちゃったりするんですよ。遊びに来る時には、地図をきちんと確認してお越しいただけると嬉しいなーと思っています。ほら、観劇するお客様から今日も電話がかかってくる。

「オタクの劇場どこ?」
「今どちらにいらっしゃいますか? 近くには何が見えますか?」
「駅出たら、でかい建物があって・・・東京芸術劇場って書いてあるんだよね。これ?」

そんなバカな。駅を出る口も、規模も、設備も、何もかもが違い過ぎる。

このような問題はちょいちょい起こるとはいえ、東京の大きなターミナル駅である池袋に劇場を作れる物件が見つけられたのは、本当に僥倖とでも呼べるほどの幸運でした。

さて、貸小屋業務を中心として運営を行っているシアターKASSAIは、あえてスタッフのキャラや力量、スキルを前面に押し出す運営方法を採っていません。そのため、小屋のカラーは、劇場を利用していただける団体さんの特徴で決まります。当劇場が、上記のように四苦八苦しながら劇場の運営を続けて2~3年たつと、利用していただける団体さんの特徴が次第にはっきりしてきました。上記した4つの特長を必要とする演目を行っている団体。エンターテインメント系の、大人数で殺陣やダンスを織り交ぜるタイプの芝居をするタイプの団体さんです。

(続く)

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