<日本のスポーツはエンタメじゃなくてレクリエーションだよ>63/100
(前回からの続き)
スポーツをいかに「観る」か、その体験をいかに変えられるか。そのヒントを掴みたくて、たくさんの人に会って話を聞いていました。
そんな時、スポーツ先進国アメリカで、スポーツコンサルタントとして活動する方のお話を聞く機会を得ました。目黒のバーで聞いた彼の話を今でも覚えているのですが、最も驚いたのは「日本のスポーツはエンタメじゃなくてレクリエーションだよ」というくだり。
その象徴は「自由席」だそうです。
当時のラグビーが象徴的でしたが、2015年W杯の大躍進でにわかファンが急増してスタジアムには長蛇の列。バックスタンドは全て自由席でキャパオーバーなのに、メインスタンドは関係者に配られている席なのか大量の空席が問題になりました。
アメリカではMLBの下の下のカテゴリーの独立リーグですら全て指定席。上記のラグビーのような状況だと、お金を払う人ではなく、時間を払う人がバックスタンドど真ん中に座ることになり、これはエンタメビジネスとして成立していないと。遡れば企業スポーツの興りは社員の士気高揚のための福利厚生であり、その名残が強いトップリーグも興行主は日本協会なのに、興行リスク(チケット販売リスク)は各企業が背負う歪な構造になっている。だからこれはエンターテイメンじゃなくてレクリエーションだと仰るわけです。
日本のスポーツが真のエンターテイメントとして成立するためには、まず構造変革が必要であり、一個人や一企業の意志では歯が立たなそうな印象を受け、再びゼロベースから事業アイデアを考え直すことになりました。
(続く)
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