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【選手紹介】2020年の若獅子たち

皆さま、新年あけましておめでとうございます。と、1月も上旬が終わったころに言うのもアレですが。どうぞ本年も当noteをよろしくお願いいたします。

さて、今回のテーマは2020年の社会人野球の新人選手紹介です。社会人野球の沼は非常に深いもので、筆者も普通の人よりは詳しいですが、マニアを名乗れるほどの知識はありません。しかし、ドラフト好きが高じて様々なカテゴリーの選手を見ているがゆえに、それぞれのカテゴリーをつなぐ役割を果たせるんではないかと思っています。筆者が知っている範囲ですが、今年の社会人野球が楽しみになるような、そういう新人選手紹介をしていきたいと思っています。

北海道地区

JR北海道硬式野球クラブ
元々は企業チームでしたが、経営状態がアレで2017年からクラブチームに縮小しました。選手はみな社員なので道内の駅で働いているようです。武藤好貴(元楽天)の出身チームであり、楽天退団後に復帰しています。内沢航大(法政大)は195cmの長身右腕で大学通算25登板、八戸工大一高時代は種市篤暉の1学年上でした。高校時代に野球太郎で紹介された選手です。立田将太(日本ハム)は直近のシーズンで二軍ながら40試合以上にリリーフ登板。投手を大補強しましたが、エース格でドラフト候補でもある伊藤宏太を支えてほしいと思います。

東北地区

日本製紙石巻
中山怜央(佛教大)は筆者の激推し選手のひとり。昨年運命的な再会を果たした思い出の選手で、素晴らしいテンポとコントロールで淡々と抑えます。石巻はかつての主力投手が勇退しましたが、サイドやアンダーの投手がいたり台湾WLで大活躍だった外野手がいたりと面白いチーム。なかなか関西で見る機会が少ないので、彼の活躍で日本選手権に導いてもらいたいです。

TDK
そもそも何屋さんか知らなかったので調べましたが、電子部品メーカーだそうです。ここの注目(?)新人は冨木凌雅(東北福祉大)です。特にすごい選手だとかいうわけではありませんが、個人的に思い出深い選手なのです。天理高時代は3年の春夏連続で甲子園に出場。春は5番レフトでした。筆者は夏の県大会初戦・智弁学園戦を現地観戦しました。エースが大会直前に怪我をしたために急遽先発のマウンドに上がったのが冨木でした。2番手には森浦大輔(天理大・新4年)がいて、冨木自身も中学ぶりの投手だったといいます。ライバル智弁学園を相手に思い切りの良すぎる作戦でしたがこれが意外にハマり、そこそこの速さの球を適度に荒れつつテンポよく投げこんで抑えました。ちなみに、その時の天理高は1番舩曳海・2番前久保智也・3番貞光広登、智弁学園のショートは廣岡大志(ヤクルト)、外野には清水聖也・大西律暉、エースは当時2年の村上頌樹(東洋大・新4年)でした(いずれの選手も後ほど紹介)。そして迎えた夏の甲子園。筆者、現地に行きました。初戦の創成館高戦にも冨木が先発。息詰まる投手戦の末、相手4番の鷲﨑淳(こちらも後ほど紹介)にタイムリーを浴びサヨナラ負けを喫しました。お話が長くなりましたが、そういう思い出深い選手です。大学では3年あたりから出場機会を得て、下位ながらスタメンになることも。卒業後も野球を続けてくれるようで嬉しいです。またどこかで会える(面識は当然ありませんが)ことを心待ちにしています。

北信越地区

ロキテクノベースボールクラブ
お恥ずかしながら、今オフ初めて知ったチームで、母体の会社は産業用フィルターを作っているそうです。昨秋の神宮大会で8強入りした金沢学院大に「やべえやつ」がいるらしいと噂に聞いたのが孫大玲也(まごだい・れいや)。ダイナミックなフォームで最速148キロの球を投げ込むリリーフだそうです。明秀日立高時代は細川成也(DeNA)の1学年上。北信越の、それもクラブチームが関西方面に来てくれる機会は非常に少ないでしょうが、どこかで会えることを期待しています。

関東地区

日本製鉄鹿島
北南達矢は国立の金沢大学出身の剛速球左腕。素材型なので、ある程度長い目で見てほしいです。野手では生田目翼(日本ハム)の弟・生田目忍(星槎道都大)が入社。強打の外野手だそう。飯田晴海を援護してあげて(懇願)(去年鹿島のタイブレーク試合を見た顔)。

日立製作所
投手を大補強しました。原田泰成(東海大)、西山雅貴(環太平洋大)、杉尾剛史(宮崎産業経営大)といずれも全国大会を経験した実力者です。やや知名度に欠けるとはいえ、どうしてこんなに景気の良い補強ができるのでしょう。どの投手も見たいのでいっぱい勝ち上がって。でも飯田くん見たいから鹿島には勝たないで(身勝手)。豊田寛(国際武道大)は強打の外野手。東海大相模高時代は4番として活躍し、小笠原慎之介らとともに夏の甲子園で優勝。U-18の代表にも入りました。

SUBARU
手塚周(立教大)は技巧派右腕。優勝した17年春には3勝をあげて貢献しました。鎌仲純平(国学院大)と山田智輝(東洋大)はともに東都のスラッガー。山田は地元出身で、投手から外野に転向し4年春に5本塁打しました。原澤健人や龍昇之介らと合わせて重量打線が出来そうな予感がします。

日本通運
前田敬太(専修大)は完成度が高いタイプの右腕。すごく社会人向きなスペック。西村雅暉(上武大)は150キロに迫る直球が武器の大型右腕ですが、野手としての能力も高く評価されている模様。諸見里匠と二遊間を組むことになりそうな添田真海(明治大)は大学通算打率.366の天才打者。磯網栄登(国際武道大)は先述の豊田や小笠原らと共に優勝を果たした甲子園で、大会期間中空振り0とかいうやばい打者。当時はファーストでしたが大学ではセカンドとかもやってたような。投打ともに大きく強化されています。

Honda
昨年に続き大補強。朝山広憲(法政大)はリリーフエース的存在でしたが、4年秋には0点台で最優秀防御率。桜井高校(奈良、”土下座”のチーム)を初戦でボッコボコにした憎き()作新学院のエースだった思い出深い選手です。中村伊吹(白鷗大)はドラフト候補にも挙がった左腕。藤野隼大(立教大)は佐藤・郡司・海野と共に大学捕手BIG4と呼ばれた(元)強打の捕手。檜村篤史(早稲田大)は守備が光るショートですが、打撃でも5番を任されるまでに成長しました。センターラインをがっつり強化した狭山の全開Hondaを聴きたいぞ。

鷺宮製作所
小孫竜二(創価大)はバランスがとれた完成度タイプの右腕。ドラフト指名を受けた同僚の杉山晃基や望月大希よりも早くからリーグ戦で結果を残していました。大エースの野口亮太を救えるか。米田虎太郎(立正大)の守備と大神田丈(桐蔭横浜大)の打撃も見てみたいです。

JR東日本
絶対に潰れない企業だからか学生たちから大人気のチーム(嫉妬)。杉崎成輝(東海大)は総合力の高いショート。小笠原と吉田のWエース・3番杉崎・4番豊田・5番磯網で優勝しました。志望届を出していたら指名あったかもなぁと思います。金子莉久(白鷗大)は超のつく俊足とそれを活かした守備が持ち味。菅田大介(奈良学園大)は投打の二刀流で活躍しましたが社会人ではどちらでいくのでしょうか。非常に選手層が厚い(と思っている)チームなので新人の彼らを見るには柏のグラウンドに行くのが確実でしょうか…

東京ガス
「ボンバー」こと高橋佑樹(慶応大)は大学通算16勝4敗の左腕。この進路を聞いた時は「ガス会社にボンバーってw」と思いました。加藤雅樹(早稲田大)は打力タイプの外野手。通算打率は3割を超え9本塁打を放っていますが、毎年春季は好調で秋季は不調だったのが気になるところ。イケメンです。

明治安田生命
新井悠太朗(法政大)はサイド左腕。4年になってからポジションを得ました。チームに面白い選手・ドラフト候補がいるので新井と合わせて見てみたいです。

NTT東日本
稲毛田渉(仙台大)はパワー系右腕。1年時からリーグ戦で結果を残し続けました。同期の大関友久(ソフトバンク育成)に追いつき追い越したい。火ノ浦明正(専修大)は名前がかっこいいので高校時代から何となく知っていた選手。とりあえず一度見てみたい。ただ、2人ともN東の投手陣・外野陣に割って入れるのか。

JX-ENEOS
昨年の春季リーグ戦で5試合連続ホームランを記録したパワーヒッター安本竜二(法政大)が加入。園部聡や青山誠といった長距離砲が勇退したのでチャンスを掴んでほしいです。U-18でも大学代表でも主将を務めた篠原涼(筑波大)も入社。このところ低迷していたENEOSですが、かつてENEOSを3度の都市対抗優勝に導いた大久保秀昭氏の監督復帰で復活が期待されます。見たいので日本選手権に来て。

東芝
岡野祐一郎と宮川哲が抜けた投手陣に北山比呂(日体大)と吉村貢司郎(国学院大)を加えるしたたかさ。北山はパワー系でリリーフでも面白い。吉村はバランス型の投手で、筆者が現地観戦した試合で完封勝利を収めました。谷川刀麻(近畿大)は一応外野が本職ですが、秋季はサードを守ってベストナイン、しかも投手との二刀流も構想されたユーティリティー性も持つ強打者。筆者も現地で何度も見た思い出深い選手です。憎い補強をしますねえ。

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)
春からHがなくなるという噂を聞きました。上野翔太郎(駒澤大)は怪我もあり大学では活躍できませんでした。大澤志意也(東海大)は東海大四高時代の3年春にセンバツ準優勝を果たした右投手。大学ではもの凄い投手たちに囲まれ目立つ活躍は出来ませんでした。共に華々しい高校時代を過ごしながら大学では悔しい思いをした選手。社会人で輝いてほしいと思います。

東海地区

トヨタ自動車
渕上佳輝(星槎道都大)は映像を見ていい投手だなあと思っていましたが、投手層がすごいトヨタで出番があるのかなと少し心配してしまいます。もちろん実力で勝ち取ってほしいと思いますが。中村健人(慶応大)は首位打者やリーグ戦5本塁打の経験もあり下級生時から主軸を任されていた打者です。この人も悪い選手ではありませんが、トヨタで出番があるでしょうか。

三菱重工名古屋
2018年は勝野昌慶の活躍で日本選手権で優勝しましたが、昨年は2大大会どちらも出場ならず。しかし今年の補強にはその優勝効果が。八木彬(東北福祉大)は150キロ出るようになったらしい右腕。入倉京一郎(山梨学院大)は超素材型の速球派左腕。野手では大商大で主軸を打っていた笹治健汰が加入。パイプあるの!?という意味でまさかの加入だった高卒捕手・拾尾昌哉(奈良大付)もいます。東海圏の人たちは筆者の代わりに観に行って。

西濃運輸
今年は近江高校の2人のみのようです。林優樹は細身ながらキレキレの球を投げ込む左腕。特にチェンジアップがやばい。住谷湧也は巧打の外野手です。

Honda鈴鹿
毎年のように大補強するチーム。しかも地元というより関東から多く引っ張っています。良い悪いではありませんが。伊藤健太(中部学院大)・八木玲於(天理大)は共に150キロ超えの右腕。150キロって速いんだな、と八木を現地で見て思いました(なおガンの無い球場)。そういう投手です。貞光広登(国学院大)は先述の天理で主将を務めたショート。大学ではセカンドでしたが。巧打好守の選手で、正直プロに入ったら埋もれるタイプなので社会人に進んでくれて良かったです(小声)。

その他、上野(MHPS)と高校時代にバッテリーを組んだ強打の捕手・伊藤寛士(法政大)はJR東海に、上野と中学・大学でバッテリーを組んだ鈴木大智(駒澤大)は王子に入社します。

近畿地区

日本新薬
舩曳海(法政大)をすこれ。高校時代からの筆者の推しです。先述の智弁戦では2本塁打。そりゃあ惚れますよね。俊足とそれを活かした守備はいいですが、大学時代は怪我が多くてなかなか試合に出られず、打撃はセンスでやっていたらしく三振が多い。新薬の外野は壁が高いですが頑張って。高校・大学の先輩もいますし馴染みやすいでしょう。肥後皓介(関西大)は4年秋こそ怪我だったものの、それまでエース格で活躍した右投手です。脱・榎田弟。

NTT西日本
藤井健平(東海大)は安心安全の大阪桐蔭ブランドかつ東海大でも主軸を務めた打者。田村孝之介(日本大)は投手登録ですが4年時は野手として多く出場していたようです。激戦区関西を勝ち抜くために打力を発揮してほしいです。

大阪ガス
18年の都市対抗野球優勝を見て入社を決めた初の世代。一番の大物は田中誠也(立教大)でしょう。技巧派の左腕で大阪桐蔭高では2年夏に全国制覇。大学でも全国優勝を果たし、2度の最優秀防御率に通算17勝という「本当にコッチ戻ってきてくれるの?」というレベルの選手。さすが都市対抗優勝チーム。河野佳(広陵高)は伸びしろたっぷりの最速150キロ右腕。野口海音(履正社高)は強打の捕手。飯塚悟史や阪本大樹は高校の先輩にあたります。小深田大翔の穴は簡単には埋まりませんが、山川晃汰(近畿大)・杉内洸貴(同志社大)と関西の有力ショートが入社。そして、筆者イチオシは清水聖也(東北福祉大)です。智弁では岡本和真・廣岡大志らとともに甲子園へ。今でも廣岡とは仲が良いようで、廣岡の名前と背番号入りのバッテを使っているそうです。先述の天理智弁戦にも出場。大学では4番センターとして活躍。2度の打点王、4年秋はMVPに輝きました。近本光司が抜け、土井翔平もコンディションの問題で外野のレギュラーは流動的なので、レギュラーで活躍できる日は近いと思っています。大阪ガスは好きなチームでしたがコレという推しが定まっていませんでした。清水の加入でその問題も解決です。

三菱重工神戸・高砂
森翔平(関西大)は最終学年で花開いた左腕。同学年でエース格だった肥後(日本新薬)が怪我で秋は投げられず。その穴を埋める活躍でチームを神宮に導き、神宮ではなんとか間に合った肥後との継投もありました。春からは同地区のライバル企業どうしで戦うことになります。アツいストーリーを期待するとともに、守安神を助ける働きも期待されます。

大和高田クラブ
野手総入れ替えですか? びわスポ大の強打者松山皓多は現地で見ていますがあの日は中山(日本製紙石巻)が良かったから…。大西律暉(龍谷大)は先述の清水聖也らとともに活躍。大学4年時は4番を務めました。こんな選手がYTCに入ってくれるってマジ? 大西と共に主軸を打った西脇雅哉(龍谷大)も入部します。池田陵太(帝京大)も高校時代に中山怜央らとともに甲子園に出場。なお1回戦で敦賀気比の平沼翔太に完封されました。守備がアレらしくDHが多かったようです。倉川竜之介(関西大)は1年秋に首位打者になり、最終学年で外野に回りました。本当にこのレベルの選手がYTCに入るんですか? 打力のNASAで苦しんでいたチームが遂にテコ入れ。さらに二遊間タイプの前久保智也(天理高→京都先端科学大)、曲山拓杜(大商大)も加入。補強の無かった捕手以外の全員が新人というオーダーも組めます。期待するしかありません。

日本生命は1人、パナソニックは2人とかなり少ないようです。日生の竹村陸(近畿大)は代表にも入りリーグ戦通算100安打も達成した選手です。小泉龍之介(横浜高)がミキハウスに入ったのは驚きました。

中国地区

JFE西日本
出雲亮冴(大阪体育大)をすこれ。パワー溢れる打撃と強肩で魅せます。現地で活躍を見て惚れた選手。推しのひとりである古田塁と主軸を打ってほしいです。香川卓摩(高松商業高)は技巧派左腕。入社時点での完成度では劣りますが、河野竜生2世的な成長を期待しています。

九州地区

JR九州
鷲﨑淳(近畿大)をすこれ。先述の創成館の4番ファーストでしたが大学では投手。出番はあまり多くありませんでしたが、高い奪三振率を誇りリリーフとして活躍しました。地元に戻って長く活躍してほしいです。

いかがでしょうか。新人の紹介だけなので短く済むと思っていましたが、書いてみたら6000字超の大作になってしまいました。不要な情報も多かったと思うので、気になるチームについて逐一見返してもらえればと思います。そうすればPVも稼げるので() まだ進路が判明していない人もいるので、もっと面白いことになる可能性もあります。スポニチ大会ぐらいには判明しているでしょうか。その時が楽しみです。

それでは次回の投稿でお会いしましょう!
今年もよろしくお願いします!

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