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ドラフト指名予想2020【ヤクルト編】

補強ポイントの考察

ヤクルトは投手力が課題だと長年言われ続けています。実際、今季はチーム防御率もQS率もリーグ最下位で、先発では小川、リリーフでは石山と清水以外は誰もまともに抑えられていないと言っても過言ではありません。しかし、NPBでも随一の打者有利な本拠地にあって、投手成績が悪くでるのは致し方ありません。むしろ、打撃力の低さのほうが問題でしょう。昨年はチームOPSがリーグ6位、今年は4位です、あの本拠地なのに。優勝した2015年はOPSが1位で防御率は4位、リーグ2位になった2018年はOPSが2位で防御率は4位。最低限の投手力を整備した上で圧倒的な打力で打ち勝つ。これがこのチームが上位に進出するために必要なことです。
ではどのポジションの野手が必要か。捕手は中村と嶋が離脱してしまう事態になりました。西田がOPS.700を超える活躍を見せたものの、代替候補・控えの年齢がそこそこ高く、あまり良い状態ではありません。世代交代を図るために良い捕手が欲しいです。
外野ではレフトに回った青木がパワーフォルムに進化するというサプライズがありましたが、センターとライトは流動的。濱田、中山など打力のある選手はいますが、センターのレギュラー候補が非常に貧弱です。今に始まった話ではないのですが。2軍にも明るい光が見えません。
内野手もまあまあまずい状態。山田哲人の移籍リスクはドラフトではどうしようもありませんが、これ以上チームの打力を落とさないためにも強打者の補強は必須です。村上宗隆の打撃が進化しサード守備も良化したように思われますが、筆者はサード廣岡大志過激派なので村上はファーストにしてください。ショートはエスコバーを多く起用しましたがいまいち。打撃はこんなもんでしょうが、思ったより守備が指標的に良くありません。チームの打力を上げるためにも、別のポジションに強打の外国人野手を連れてきたほうがいいでしょう。そうするとショートがまた空いてしまいますが、西浦でも正直物足りないと思います(推しなんですが)。ただ、一応現有でもショート候補はいるので、指名するかは微妙なところです。
とは言え、投手が弱いことに違いはないので、バランスを見ながら適時適切に投手を指名しましょう

指名予想・オススメ選手

散々野手の指名をとは言いましたが、最上位で優秀な投手を確保しておいて野手はそこから、という作戦がいいでしょう。それだけ今年のNo.1投手が素晴らしいのです。前回の記事で「敢えて名前は挙げない」と言っていましたが、この球団には早川隆久(早稲田大)がドンピシャ。神宮のスターという点でもヤクルトには美味しい選手です。競合確実の早川を外してしまっても良い投手はいます。前回も名前が挙がった栗林良吏村上頌樹大道温貴や、宇田川優希(仙台大)も上位候補。早川と同じ左腕なら鈴木昭汰(法政大)や山野太一(東北福祉大)、森浦大輔(天理大)も評価が高いです。
即戦力の捕手は今年も非常に少ないので、確実に指名するためには上位を割く必要があります。打撃なら古川裕大(上武大)、肩なら榮枝裕貴(立命館大)、どちらもそれなりの評価の萩原哲(創価大)。ほぼこの3人しかいません。
センターのレギュラー候補も非常に少ないです。ので、五十幡亮汰もどこの球団の候補にも挙がってきそうですね。即戦力とは言い難いかもしれませんが、五十幡と同等の脚力を持った並木秀尊(獨協大)や、高い守備力と当たれば飛ぶパワーを兼ね備えた若林楽人(駒澤大)、南東北の5ツールプレイヤー齋田海斗(東日本国際大)あたりも有力候補です。
即戦力センターは供給が少ないので、高校生も紹介しておきます。来田涼斗(明石商業高)は打撃とハートが魅力の上位候補。細川凌平(智弁和歌山高)は天才的なバットコントロールとショートも守れるユーティリティーさがあります。鵜沼魁斗(東海大相模高)はスピードとパンチ力を兼ね備えます。
現在のショート候補は左打ちの俊足巧打タイプが複数いるので、右打ちでそれなりにパワーがあるタイプだと差別化できて良いのではないでしょうか。百目鬼浩太(信越硬式野球倶楽部)や諸見里匠(日本通運)、支配下とは言い切れませんが内山翔太(栃木GB)あたりをオススメしておきます。左打ちですが元山飛優(東北福祉大)は攻守ともに優れた今年のNo.1遊撃手です。もちろんこれ以外にも(主に俊足巧打系の)ショート候補はいますがこのへんで。

総評

本当はもっと高校生を紹介したいのですが、戸田の惨状を見ていると学徒動員必至なので、高卒選手をオススメしたくなる環境ではありません。1軍の戦力が穴だらけなので2軍に良い素材を供給している余裕はありません。投打ともに、外国人やFAなども駆使して、がっつり強化していく必要があります。そういう意味で、V字回復を狙いたいのなら今年は絶対に失敗できないドラフトです。「穴だらけなので誰を指名しても補強になる」なんて言い方もありますが、だからこそよくよく練られたドラフト戦略が必要だと思います。

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