観戦レポート⑤~数字で見るもの、現地で見るもの~

どうもどうも。
世間は交流戦で盛り上がっていますが、今回の観戦レポートは5月の話です。連休明けから更新がありませんでした。更新したいほど面白い試合を見ていなかったり、野球場に行ったり(試合を見たとは言ってない)していたので、執筆の時間がなかなか取れませんでした。何を今さらって? コレは僕の備忘録というか観戦日記的な側面もありますので… 観戦レポートは鮮度が命なのは重々分かっていますがご容赦ください。
今回のメインは高校野球ですが、その前に観に行った神戸と名古屋の試合もナンバリングして、簡単な感想も載せておきます。

㉒5月11日 オリックス×楽天 @ほっともっとフィールド神戸
年に一度は行きたいほもフィー。旨いラーメン屋の屋台が出ていると聞きつけて行ってきました。先発の顔合わせ的に(良くも悪くも)継投の試合になるかと思ったのですが、両投手がまさかの(失礼)好投。石橋は省エネ投球でスイスイ投げていました。「育成落ち」を経験した男の逆襲、熱いですね。しかし、それよりも筆者が心を奪われたのはK-鈴木の投球。速い!キレる!三振いっぱい!!惚れました。これからも応援しようと決めました。両先発は好投しましたが、結局終盤3イニングで7人の中継ぎを見ました。やったね()

㉓5月18日 中日×巨人 @ナゴヤドーム
筆者が見に行く中日の試合では外国人選手がホームランを打ちます。今までもビシエド3本、ナニータ2本、ゲレーロ1本を見ています。この日も予言が的中。ゲロニキがホームランを打って試合を決めました。え?中日じゃないって? そう言えば、2年前には東京ドームの中日戦でギャレットがサヨナラホームラン打ちました。やっぱり筆者のジンクスですね()

㉔5月25日 智弁学園×智弁和歌山 @佐藤薬品スタジアム

ここからが今回のメイン。高校野球の春季近畿大会です。元々観に行く予定ではありましたが、初戦がまさかの智弁対決。これは行くしかない。ワクワクで向かいました。
さて、このnoteの読者の皆さんは濃ゆいマニアばかりとは思いますが、そんな皆さんでも佐藤薬品スタジアムを知っている人は少ないでしょう。ですので球場の紹介をしておきます。

佐藤薬品スタジアム(奈良県立橿原公苑野球場)
・アクセス★★★★☆…近鉄橿原線の橿原神宮前駅から徒歩5分。「徒歩5分(徒歩5分とは言ってない)」な球場も多い中、ここは本当に徒歩5分です。近くには橿原神宮の駐車場があり、車でも行きやすい球場です。
・ユニーク度★★★★☆…この球場は両翼93mです。狭い。一方で中堅は120mあります。普通です。つまり右中間・左中間がめちゃくちゃ深く、高校野球レベルでは三塁打がよく出ます。外野スタンドの奥には木々が生い茂っています。また、地方球場には珍しく(?)人工芝です。
・日陰度★★★☆☆…個人的に非常に重要なポイント。だって暑いとこで観てたらしんどいじゃないですか。この球場はバックネット裏席が屋根で覆われており、日陰で観戦できます。わかさ以上皇子山以下ぐらい。信金や舞洲よりははるかに快適です。
・写真度★★★☆☆…文化的な観戦が出来るバックネット裏席には強めのネットがあり、写真家でなくとも見づらさを感じます。内野スタンド席は網が低く、写真は撮りやすいです。外野も割と低い位置まで降りられるので、フェンスに張り付けば良い写真が撮れます。そして何より、この球場は内野スタンドの中にブルペンがあるので、超至近距離から投手の写真を撮れます。これはポイントが高い。はず。

ここから試合の中身です。なお智弁学園は奈良(智弁)、智弁和歌山は和歌山と記します。奈良智弁の先発・山本は荒れた立ち上がり。併殺に助けられて序盤を無失点に抑えますが、四死球連発で安定感のあの字もありません。一方の和歌山の先発・池田陽は、対照的にストライクを取るのに苦労はせず、ランナーを許してもこちらも併殺で切り抜けます。
3回表に西川晋太郎のタイムリーで和歌山が先制しましたが、その裏に奈良・佐藤のホームランで同点。直後の4回表に池田と黒川史陽のタイムリーで和歌山が4-1と勝ち越しに成功。さらに5回表には西川の樹海に消えるホームランなどで6-1にします。
和歌山の打力に圧倒されていた奈良ですが、代打・西田のホームランで6-2とし、投手を1年生の西村王雅に代えます。この西村が黒川から三振を奪うなど好リリーフで流れを呼び込むと、直後の6回裏に4番吉村誠人が満塁弾を放って同点に追いつきます。さらに7回にはキャプテン坂下翔馬の勝ち越しタイムリーのほか、前川右京、代打・白石陸の連続タイムリーで突き放しました。和歌山の東妻純平はここで懲罰交替。西村王雅が最後まで投げて、奈良智弁が大逆転勝利をおさめました。正直、和歌山が打ち勝つと思っていたので意外な結末でした。

ここからは選手個人への感想。黒川くんはさすがと言ったところで、逆方向へも打球がよく伸び、打球速度も段違い。体つきにプロ感があって、投手への声掛けなどキャプテンシーも見せていました。東妻くんは警戒されていて簡単に打てないのは仕方ないにしても、ホームランや連打を浴びた時に投手に声かけに行ってなかった(ように思います)のはいただけないポイント。中谷監督も期待している分、そうした態度というか姿勢を反省してほしかったのでしょう。肩は抜群に強かったです。身体能力は高いので、夏頑張って評価を上げてもらいたいです。細川凌平くんは良い当たりが全て野手の正面でしたが、この日の2番細川が機能すればとんでもない破壊力の打線が完成します。3番の西川くんは身体が小さいのにすごい選手です。守備の上手さもさることながら、打撃の評価もグイグイ上げています。4番に入ったのは1年生の徳丸天晴くん。打席でのオーラが凄かった(小並感)。とても1年生とは思えません。またとんでもない1年生が入ってきたなと。センバツで快速球を披露した2年生の小林樹斗くんにも期待していましたが、この日はいまいちで奈良智弁打線を止められず。夏に向けて、やはり投手に課題が残る智弁和歌山でした。
一方の奈良智弁。先発の山本くん、球は速そうでしたが制球が壊滅的。これが夏のエースでは正直厳しいでしょう。西村くんはかなり良さげ。森浦(天理大)や松永(ロッテ)みたいなフォームで、クロスファイヤーの直球とスライダー、ゆるいカーブを投げていました。打線は良いっちゃ良いという感じ。パワーあります。ただ、1番塚本くんというのは… せっかくの長打力が活かされていない気がします。5番に座ったのは期待の1年生・前川くん。評価高いのでしょうが、この日はヒット1本のみ。外野守備が怪しく、本職ではないのかもしれません。期待しているからこそ奈良智弁の評価は厳しめです。

㉕5月25日 近江×高田 @佐藤薬品スタジアム

1試合目に全力を注いだのと暑さで消耗したのとで、2試合目のことはよく覚えていません。大変申し訳ございません。そしてここまでの文章で脳みそを使い過ぎたので、以下は‘’巻き‘’でいきます。
近江の先発はエースの林優樹くんではなく10番の教野くん。経験を積ませるための起用だったんだと思いますが、春大会で好調だった高田に普通に打たれていました。打線も去年に比べると迫力がなく、細かく継投する高田を捉えきれません。19番勝部くんのホームランは覚えています。まだ2年生。頑張って良い番号をもらってください。4番に住谷湧也くんを置くなど試行錯誤を重ねている感が強い打線でした。プロ注目の捕手・有馬諒くんは打撃では目立っていませんでしたが、フレーミングが抜群でした。意外なほどの接戦になり、結局最後は林くんが登板。バットにかすりもさせないキレキレの投球で試合を締めました。惜しくも敗れた高田ですが、夏に期待が持てる敗戦でした。天理・智弁の牙城を崩すような展開を待っています。

㉖6月1日 智弁学園×近江 @佐藤薬品スタジアム

2週連続の佐藤薬品スタジアム。前週の智弁対決よりは人は減りましたが、それでも朝早くからマニアたちが球場に足を運びました。
近江の先発は林くん。キレキレの投球で7回までに11個の三振を奪います。レベルが違いますね。このレベルの左腕は奈良県内はおろか近畿全体にもいません。エラー絡みで1失点、9回に強襲ヒットで1失点しましたが完投しました。智弁はチャンスらしいチャンスをなかなか作れず、作っても林くんの粘りの前に得点を奪えません。ただ、前回代打でタイムリーの白石くんがスタメンで3安打2二塁打。前回ホームランの西田くんが最後のタイムリー。起用に応えました。しかしチームで2牽制死はいただけません。
智弁の先発は1年生の小畠一心くん。特別速い球があるわけでもありませんが、淡々とアウトを重ねていきます。好投。すごい。山本くんより万倍落ち着いているように感じました。近江打線に付け入る隙を与えず、8回0封で最終回を西村くんに託します。しかし、ヒットと四球で無死一二塁とされた後、住谷くんに逆転サヨナラ弾を浴びてしまいました。両翼が狭い球場の最前に落ちた「不運」な被弾でした。西村くんは大泣き。頑張れ。君はこれからの選手だ。むしろ君の好投が無ければ前の週で終わっていた。胸を張れ。
「智弁の最大の弱点は監督」と以前から言っていましたが、この試合もよく分からなかったです。小畠くんはいっぱいいっぱいだったのかもしれませんが、あれだけ良かったのにどうして代えたのでしょう。打線の組み方もなんだか勿体ないかんじが。また、良い投手になると打てない智弁、打てない近江、両校の課題が浮き彫りになたように思います。まあでも締まった良い試合でした。今年の智弁の推しは1年生ズと白石くんにします。

㉗6月1日 郡山×神戸国際大付属 @佐藤薬品スタジアム

神戸国際大付の先発はサイド気味で力のあるボールを投げる松本凌人くん。どうやら奈良の子のようです。郡山打線はバットはよく触れていましたがチャンスをなかなか作れず。一方の神戸打線は初回から火を噴きます。先頭の三塁打と暴投でいきなり先制すると、本塁打を含めて5人で4点、打者4人でサイクル安打を達成します。その後も打ちまくり、試合は7回コールド。3番柴野琉生くんは2打席連発。1番のキャプテン松浦くんは3長打。この日初めて見て勝手に注目した巨漢の隠地くんは3タコ1四球で、6番な理由が分かりました。
郡山にとっては可哀想な相手でしたが、前回大商大高に勝ったように打線は非常に良いですし、夏は古豪復活と言われるように頑張ってもらいたいです。神戸国際大付もまた見たいチームです。兵庫では明石商業も見たいですが、お互い頑張ってください。え?短いって?

まとめ

日本のファン、もっと言えば日本人はデータを見ないとよく言われます。根性論が未だに根強く残っており、必ずしも合理が良しとされないことがあります。もちろんゼロヒャク論はだめですが、数字で見るべきものもあるはずです。例えばバント。4点ビハインドの無死一塁でバントすることが果たして「手堅い」「正しい」作戦なのでしょうか。バントを全否定するわけではありませんが、妄信するのもよくありません。智弁和歌山は2番に強打者の細川くんを置きましたが、この作戦は邪道なのでしょうか。結果的には併殺などでチャンスを潰しましたが、だからバントが正しいということになるのでしょうか。もっと数字・データを見て合理的な選択をするべきではないでしょうか。
しかしながら、数字だけを見ても野球は面白くありません。データというのはあくまでも「結果」であって、「過程」の部分は球場に来ないと分かりません。テレビでもいいですが、球場で見て初めて分かることも多々あります。筆者もまだまだ”アマチュア”なので言語化しきれませんが、オーラとか佇まいみたいなもの、カタログスペック的なものでない「実践力」のようなものを現地で感じ取りたいなと思っています。そうしたところで「発見」をし、アマの推し選手ができ、プロの推しが増えるのです(末期症状)。

話があっちこっちに行ってしまいましたが、だいたいはそんなかんじです(伝われ)。
いつも集中力が切れて最後のほうが適当というか日本語になっておらず、申し訳ありません。こんな文章でよければこれからもお付き合いください。
それでは次回の投稿でお会いしましょう!

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