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2023 イタリアン・フレンチ総括

今年食べたイタリアン、フレンチを一言コメントとともに、おすすめ度5段階で評価していきます。

新潟編

オステリア バッコ

場所:新潟市中央区
お勧め度:☆☆☆☆☆
予算:ランチ4400円〜、ディナー7700円〜

イルリポーゾ亡き今、新潟で唯一のミシュラン1つ星。味付けや調理は王道ど真ん中を行くものであり、初心者にもわかりやすく玄人も満足させるクオリティ。
特に、アンティパスト(前菜)の魚料理と、自家製の手打ちパスタは何が出てきても格別で、一度ここで食事をすると新潟で他のイタリアンに行くモチベーションが下がってしまうのが難点。
さりげなく料理の殆どにトリコローレの配色が使われており、色覚的にもイタリアらしさに溢れている。
値段はオステリア、味はリストランテ最上位と言えるだろう。

オステリア エ バール ヴィノレント

場所:新潟市中央区
お勧め度:☆☆☆☆
予算:ランチ1650円〜、ディナー5000円〜

価格帯の割に謎の落ち着きがあるお店。
ランチはグレードアップして前菜盛り合わせをつけるのがお勧め。
ちなみに、新潟駅南口方向にはヴィノレント以外にもフィオリータ、ベネデッタ、リベラ、ピッツェリアナポリなど本格志向のイタリアンの店が何故かそろっている。

ファミーユ

場所:新潟市東区
お勧め度:☆☆☆☆
予算:ランチ1200円、ディナー?円

ランチメニューにはサラダバーが付いてくる。サラダバーにはパンも置いてあるので実質サラダとパンが食べ放題。
切り蟹のタリアテッレがおすすめで、注文後じっくり火入れをすることで蟹の味がしっかりソースに移されている。ソースに蟹の旨味が全く乗っかっていない長岡の自称「日本一のかにパスタ」とは大違いである。

リストランテ ポルトファーロ

場所:新潟市中央区
お勧め度:☆☆
予算:ランチ1800円〜

生パスタの食感が良くも悪くもガストっぽい。
リストランテでないことは確か。

びすとろDEまたのり

場所:新潟市中央区
お勧め度:☆☆
予算:ランチ1500円〜、ディナー5000円~

前菜はなかなか凝っていたが、海老のジュノベーゼは背腸が処理しておらずジャリジャリした食感と臭みがあった。ならば他のメニューを頼めばいいという意見があるかもしれないが、こういうところで妥協する人は他の部分もどうせ手を抜いているのでお勧めできない。

キッチンじゃがいも

場所:新潟市中央区
お勧め度:☆☆☆☆
予算:ランチ1100円〜、ディナー1800円~

看板メニューのじゃがいも料理は、そのままのじゃがいものワイルドな食感と細かく裏漉ししたポテトピューレの滑らかな食感の対比が面白い。
ディナーセットに付いてくるドリンクはアルコールも選べるので見た目以上にお得である。

レストランカーブドッチ

場所:巻
お勧め度:☆☆☆
予算:ランチ2750円〜、ディナー宿泊客のみ
広大な葡萄畑に囲まれながら、そこで採れた果実を使った料理やワインが楽しめるお店。こうしたコンセプトの店は地方ならではであり素直に応援したいところだが、オーベルジュを目指すのであれば料理のクオリティを数段上げて唯一無二のものを作ってほしい。

東京編

オッジダルマット

場所:西麻布
お勧め度:☆☆
予算:ランチ5500円〜、ディナー9900円〜

前菜盛り合わせは見た目も味も質素なので、派手さを求める方には目黒のリナシメントの方がおすすめ。
スペシャリテの季節のフルーツの冷製パスタは、甘いものを求めていない序盤にがっつり出てくるのがマイナス。これを後ろに持ってきて、量を軽めにすれば全体の印象は全く別になったはずだ。

フィオレンツァ

場所:銀座一丁目
お勧め度:☆☆☆
予算:ランチ2400円〜、ディナー5500円〜

元ミシュランビブグルマン。
スペシャリテは生クリームとベーコンを使わない「本物のカルボナーラ」。確かにレシピは本場のものを忠実に再現しているが、絶品かというとそうでもない。
本場仕様のカルボナーラを出す店は限られているので、どんなものか確認しに行くならアリ。

イル テアトリーノ ダ サローネ

場所:南青山
お勧め度:☆☆☆
予算:ランチ11500円〜、ディナー18000円〜

保守的な傾向の強いイタリアンにおいて珍しく和食の要素を取り入れている。イタリアと和の要素を高いレベルで融合させており、めんつゆを使ってみたり海苔をまぶしただけのなんちゃって和風パスタを出す店とは全く次元が異なる。
オープンキッチンを採用しており店名は「小劇場」という意味。魚や肉を焼いている光景をカウンターから眺められるのだが、どれも小さな切り身を遠赤外線でじっくり焼いているだけで絵面としてはかなり地味である。
普通のイタリアンに飽きてきた人が気分転換に行くにはいいが、目で楽しみたい人にはあまりお勧めできない。
また、一般に相性が悪いとされる魚料理以外は前菜からデザートまで全てチーズを使用していた。一皿ずつの完成度は悪くないが、コースとしてのクオリティを追求するために別のアプローチの料理も出してほしい。


リストランティーノ ルベロ

場所:目黒
お勧め度:☆
予算:ランチ7880円〜、ディナー10000円~

料理によって塩加減がマチマチ。
着席時に椅子を引くだけ引いてその場を離れたり、紅茶・コーヒーの提供タイミングが席によってデザートの前だったり後だったりと、サービス料13%とは思えないほどサービスの質が低い。
帰りの際にロータスのビスケットを貰ったが、「プロの料理人としてのプライドがあるならお土産は市販品ではなく自分で作ったものを出すべき」とレビューサイトに書いたところ店側からの異議申し立てで投稿1日で削除に追い込まれてしまった。ネットパトロールする暇があるなら、泰然自若の心を持ち料理人としての研鑽に励んでほしいものである。

ラチュレ

場所:渋谷
お勧め度:☆☆☆☆☆
予算:ランチ7590円〜、ディナー15290円~

青学のすぐ隣にあるが味は東工大・一橋クラス。
シェフが自分で仕留めたジビエを出しており、ジェネリックUOZENのような店。
鹿の血を用いたマカロンや4種のジビエ(熊、穴熊、鹿、猪)の肉を使ったパテアンクルートがスペシャリテ。パテはジビエオールスターの重厚感ある味覚であるが、途中で付け合わせの柑橘類を挟むことでくどさを感じさせない構成で、唐揚げレモンのようなマリアージュがあった。
どうせ行くならジビエの時期(冬)にどうぞ。

オーベルジュ・ド・リル・トーキョー

場所:西麻布
お勧め度:☆☆☆☆☆
予算:ランチ9000円〜、ディナー15000円~

お城のような外観。建物がガッチリし過ぎて東京都港区なのに電波が繋がらない。
ここの系列はジャン・ルイ・コケでプレートを統一しているが、特にこの店では純白で高貴なプレートが世界観にマッチしている印象。
ド・リル・ナゴヤではイオンモールのフードコートと勘違いした格好の客がちらほらいたが、トーキョーでは皆それなりの身なりで、より厳かな雰囲気だった。
デセールは専任がいるからこそできる手間の掛け方で、シェフ一人で回している店ではなかなか出せないクオリティ。そういう意味でもスケールメリットが感じられた。

名古屋編

ソロピッツァ ナポレターナ ダ ルーチョ 名古屋駅店

場所:中村区
お勧め度:☆☆☆☆☆
予算:ランチ550円〜、ディナー550円~

ピザの世界選手権で優勝した人が監修。
「早い・安い・旨い」の3拍子揃っており、マリナーラは550円、マルゲリータは850円。たったこれだけで世界最高峰のピザが食べられる。
マルゲリータを頼む場合は、どうせなら水牛のモッツァレラにグレードアップして本質と向き合おう。

プロスペロ

場所:中区
お勧め度:☆☆☆☆☆
予算:ランチ6350円〜、ディナー10450円~

引き算の美学を追求した料理が持ち味だが、少ない工程の中に高い技術が伺える。特に、魚介類に対する火入の感覚と、コースを通じた塩味の配分が非凡であった。
ミシュランの星は厳しいにしても、ゴ・エ・ミヨの2トックくらいならいつ取ってもおかしくないセンスがある。

シンジコガ

場所:中区
お勧め度:☆☆☆☆
予算:ランチ6655円〜、ディナー10648円~
下のコースでもアミューズ2種、前菜、メイン(魚&肉)、デセール2種にカフェ・プティフィールにお土産のお菓子が付いておりとても充実している。お土産はもちろん手作り。


大阪編

しまなみフレンチ

場所:北区
お勧め度:☆☆☆☆
予算:ランチ7700円〜、ディナー15000円~
分子ガストロノミーの要素が強いが、食材は山菜や山椒といった日本らしさに富んだものを多用しており、目でも舌でも未知の体験が得られる。大阪にはUSJ以外にも素晴らしいエンタメ施設があるようだ。


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