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1曲の出会い。

今日は、長文ではありますが、以前予告した「noteで紹介したい曲」を紹介します。


私は4~5歳から中学3年生まで、ピアノを習っていました。

中学3年生の夏に、ピアノのレッスンの集大成として、発表会に出場することになりました。

中学2年生の冬に、先生からは「好きな曲を弾いていいよ」と言われましたが、私は何の曲を弾いたらいいのか迷いました。

そんなときに、テレビで、フィギュアスケートのグランプリシリーズに出場していた、宮原知子選手のショートプログラムの演技を見ました。

選曲は、坂本龍一さん作曲の、『戦場のメリークリスマス』でした。

「これだ!」と私は直感でこの曲に決めました。長年のレッスンのなかで感じた喜怒哀楽を、この1曲で表現したいと感じたからです。

楽譜を準備してから本番まで、とにかく練習を続けました。暗譜するのはもちろん、楽譜にはない強弱のつけ方を考えるため何度も聴いて、弾きました。

最初の雪の舞う情景を思わせるような、静かな右手のメロディー。

そこからメインメロディーへと向かっていく。曲のなかで何度も弾くからこそ、単調にならないように微妙に変化をつけながら。

音のつなぎ、ながれもスムーズに。

そして急に曲調が変わったのかと思ったら、ラストに向かって音が大きく、細かく広がっていく。最後の一音まで緊張感を指先に込めて。

こんなにも1曲に強い思いを抱いたのは初めてでした。



本番はたくさんのお客さんがいて、かつステージの照明に眩しさを感じ、椅子に座った時に手の震えさえも感じるほどでした。

しかし、直前にピアノの先生から「大丈夫、楽しんで」と背中を押してくれたことを思い出し、鍵盤に触れました。

そうして、無事に発表会は終了しました。



その後も指使いを忘れないように実家のピアノで弾いたり、写真のようなストリートピアノでこの曲を弾いています。

特に今、いつも以上に大切に、大切に…。







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