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自転車屋、いくら売り上げたら食べていける?

 自営業続けていくうえで大事なのが、生きていけるくらい稼ぐことです。私はこれまで4年間自転車屋で何とか生き残ってこれました。
 毎日売上データ入力して、年間の収支なんかもきっちり出しているので、その辺を参考に「自転車屋で生きていくにはどれくらいの売り上げが必要か?」を記事にしていきたいと思います。

自転車屋の利益率

 これはお店の価格設定よるのですが、原価率がだいたい40%、粗利益率が60%くらいになると思います。私のお店の4年間で40~48%の原価率になっています。

 ちなみに、自転車は扱う車種によって利益率は変わってきます。

電動自転車:利益率10~20%
一般自転車:利益率30~40%
スポーツ自転車:利益率10~30%

 自転車中心の売り上げか、修理中心か、で利益率は大きく変わってきますが、ここでは原価率40%、利益率60%で考えていきます。私のお店は安めの価格設定なので。

 もっと詳しくはこちら↓ 


自転車屋の固定費・変動費

 まず、家賃。固定電話ネット回線・スマホなどの通信費、事業保険などの各種保険などが主な固定費になります。これは仕事していようがしていまいが掛かってくる費用です。
 例として大体の数字の例を出しておきます。

家賃:月10万円 年120万円
通信費:月1万円 年12万円
事業保険:年2万円
廃棄物処理費:月1.5万円 年18万円
民商会費:年6万円 (注)税理士さんに頼むともっと高いです。
広告費(HPなど):年2万円 (注)HPは自作しましょう。業者に頼むとこんなもんじゃすまないです。

 合計:160万円

 変動費もあります。電気ガス水道代が代表ですけど他にもさまざま。消耗品や備品類も結構馬鹿にならない金額掛かります。

水道光熱費:年6万円
交際費:年1万円
消耗品・備品類:年15万円

 合計:22万円

 あと、自動車を所有すると、安くても大体年20万円以上は掛かります(保険代、駐車場代、ガソリン代などなど)

自分の最低生活費を計算しておく

 これは人によってかなり変わると思うのですが、自身の生活費を計算しておくことが重要です。家賃、食費、電気ガス水道費、習い事、保険などなど。
 ここでは例えば、一人暮らし独身を想定して15万円くらいにしておきます。
 単純計算ですけど、だいたい年間180万円ですね。贅沢はあまりできないけど普通の暮らしができるくらいでしょうか。

大体で計算してみる

 これまでを踏まえて計算してみます。

 年間362万円と出ました。利益率を60%と想定すると…

 603万円の売り上げが必要と出てきました。月50万円くらいですね。月50万円くらいなら…と思ったかもしれませんが、大事な金額が抜けています。そう、税金です。 

税金やばい

 税金はやばいです。高いです。年金は税金じゃないんですけど、それも含めてがっつり払わされます。そして、国民健康保険料、これがとんでもない額です。お気を付けください。
 さらに、開業して2年はかかってきませんが、売り上げ次第で消費税も支払わなければなりません。
 なぜ、この章をあとに持ってきたかというと、思ったより払うことになって「こんなに払うのは想定外…」になるくらいの額になるからです。
 おそらく、事業計画を練るときにここまで想定して練る人、少ないんじゃないでしょうか。
 開業を考えている人は融資受ける受けない関係なく、日本政策公庫とか税理士さんとか、地元の商工会議所とかで話を聞いてもらいましょう。

  最新のこういう系の本を読んでおきましょう↓

まとめ:結局いくら稼いだらいい?


 ざっくり計算でしたが、税金やらなにやらを考えると、「10万円程度の家賃、一人暮らし独身でつつましい生活を送っている人」を想定したとしても 年間900万円以上は売り上げる必要があると思います。
 自転車屋、いくら売り上げたら食べていける?の答えですが、月25日稼働と考えて、毎日3万円以上の売上が必要という結論です。雨だろが、台風来ていようが、雪積もってようが、です。


 ただ、この売り上げは本当の最低限です。結婚していたり、子供がいたりすればもっと必要ですし、自営業には退職金も失業保険ありませんから、その分も考えて稼がなければなりません。

 他にも、突発的な出費があることもありますし、病気になったり、事故や事件でお店が開けられなかったりする不運もある可能性を考えると年間900万円の売り上げは最低ラインというより、撤退ギリギリラインと言ってもいいかもしれません。

 以上です、ありがとうございました!






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