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【ストーリー論】ウマ娘のアニメ、ものすごく良くできてない?って話【第2期編③】

SHO+XENONです。

前回:

 前回、早速夢を断たれたトウカイテイオーでしたが、新しい夢「無敗のウマ娘」を掲げて再スタートを切ることになりました。まだ怪我は完治していませんが、これを完治させて復活を果たしたいところです。ではエピソード3、見ていきましょう。

アニメ見ましょう

Blu-rayには特典もあり

Ep.3-1 冒頭

「目指せ!無敗の三冠ウマ娘!」

 叶わなかった夢の「三冠」を消し、「目指せ!無敗のウマ娘!」に変えたトウカイテイオー。早朝に一人練習場で走り込みます。どんどん加速していき、スパート! 脚ももう痛くない。スピードも充分に乗っている。確かな手応えを感じていました。

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Ep.3-2 厄落とし

 OPの後、初詣に来ているスピカのメンバー。トウカイテイオーの負傷だけでなく、メジロマックイーンの3連敗(天皇賞秋で1位入選の後に進路妨害で18着降着他、ジャパンカップ4着、有馬記念2着)など、スピカにとってはあまり好ましい状況ではありませんでした。早く厄を落として、調子を取り戻したいところです。が、

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「嫌なことを思い出させないでください!」
 やっぱりメジロマックイーンはこういう役割なんですかねぇ?

 そんなトウカイテイオー達の元に、チーム・カノープスツインターボナイスネイチャがやってきました。二人共初詣に来たようです。

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 今年のカノープスは一味違うとのこと。新たなチームメンバーが加入したのです。それがこちら。

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 マチカネタンホイザ。登場早々「ぶえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛」と泣きながら鼻血を出していますが、史実においても鼻出血でGIレースの出走が取消になったり、蜘蛛を食べて蕁麻疹を起こしてしまいやはりGIレースの出走が取消になったりとネタに事欠かない子。しかしGIレースで何度も掲示板に入ってきているだけでなく、GIIレースでGI覇者をも倒して勝利するなど、確かな実力も持ち合わせています。

 そして、1期と同じような各々の願掛け。それぞれがそれぞれのお願いをしています。トウカイテイオーの願いはやはり、「無敗のウマ娘になる」でした。その願いを聞いたメジロマックイーンは、まだまだ元気なトウカイテイオーを微笑ましく見ていました。

 その日のトレーニングでも、トウカイテイオーは好調でした。前を走るウオッカとダイワスカーレットを華麗に追い抜いていき、

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 さらに視界に会長の姿を見つけると、さらにテンションを上げてスパートをかけます。そのスピードたるや、皐月賞やダービーを制覇した骨折前よりもさらに速かったほど。

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 タイキシャトル、グラスワンダー、マルゼンスキー、ナリタブライアンと錚々たる面々が並んでいますが、トウカイテイオーにとってはやはりシンボリルドルフが特別中の特別なんですね。

「見ててね会長、ボクが復帰するところを…!」

 そこに慌てて走ってくるたづなさん。トウカイテイオーとメジロマックイーンの二人がURA賞に選出されたのです。

 その記者会見においての記者たちの話が、二人の耳に飛び込んできました。トウカイテイオーとメジロマックイーンが戦ったらどちらが勝つだろう? その言葉を聞いた二人が意識しないはずもなく……。

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 その映像を見ていたカノープスの面々。惜しいところまではいけるがなかなかトップの舞台では勝てません。ツインターボは今年の目標として「打倒スピカ」を提案します。これにイクノディクタスが賛同し、マチカネタンホイザがノリノリだったこともあり、このまま勢いでスピカの部室に矢文を打ち込みに行くことに。それを後ろから「できればトレーニングを……」と弱々しく声をかけるカノープスのトレーナー。

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 打ち込まれた矢文には「妥当スピカ」の文字。「漢字間違ってねえか?」

 さて、そんなドサクサの中、トウカイテイオーの復帰プランが発表されようとしていましたが、トウカイテイオーは「天皇賞春への出走」を希望します。天皇賞春と言えば、メジロマックイーンが連覇を狙う長距離のGIレース。メジロマックイーンとの直接対決に挑むことを望んでいました。

「ボクの目標は無敗のウマ娘であり続けること。
 でも、それは強い相手と勝負してこその無敗じゃないと意味がないと思うんだ。だから……」

 メジロマックイーンを強者と認めているからこその直接対決希望。しかし、どちらかが目標を達成できなくなることを意味していました。それを受けてメジロマックイーンは、

「もちろん受けて立ちますわ。
 私もいつか、あなたと走る時が来ると思ってましたから」

 トレーナーとしては、同じチームから2人が出るのは避けたかったようですが、トウカイテイオーに大阪杯(当時及び作中ではGII、現GI)での復活を、メジロマックイーンには前哨戦として阪神大賞典(GII)への出走を指示し、天皇賞春での直接対決を認めました。
 この直接対決はまだ秘密ということになりましたが、ゴールドシップがこれを広めないはずもなく……。

Ep.3-3 ライバル同士

 トウカイテイオーvsメジロマックイーン。この情報は瞬く間に学園に広まり、テレビニュースになりました。
 トウカイテイオーも体作りのためにいつもより多く食べているようです。

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 よく見たらグラスワンダーまだ大食い要員になってる……?(スペシャルウィークやエルコンドルパサーらの引退後、グラスワンダーは急に大食いになり激太りしたそうですが、そのオマージュ?)

 トレーニングでもメジロマックイーンとトウカイテイオーはお互いに意識していました。お互いが視界に入るとさらにスピードを上げようとし、如何に自分が余裕綽々かをアピールしていました。

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 そんな時カノープスは野外作戦会議中。今度は漢字間違っていません。ノリノリなマチカネタンホイザとツインターボ、仕方なく付き合ってあげているナイスネイチャ、そっちのけで双眼鏡を覗くイクノディクタス。よく見るとトウカイテイオーとメジロマックイーンが描かれていて、どちらも上手いですね。誰が描いたんでしょうか。

 ツインターボは大逃げで勝つと提案しますが、実はメジロマックイーンが2着になっていた有馬記念に出ていて、大逃げに失敗し15人中14着だったりします(ちなみに同レースでは他にナイスネイチャが3着ダイタクヘリオスが5着メジロライアンが12着でした。1着は14番人気のダイユウサク、「なんとびっくり」はこれに基づく実況)。

 イクノディクタスは次の大阪杯でトウカイテイオーと戦うことになるため、双眼鏡を覗いてじっと観察しています。徹底的にマークして分析し、勝利をもぎ取るつもりなのです。これを受けてツインターボはもっと会議だと息巻きますが、カノープスのトレーナーはもっとトレーニングをして欲しいのでした。

 はちみーはちみーはっちっみー♪ はちみーを舐めると~♪ トウカイテイオーが歌いながらやってきたいつものお店で、メジロマックイーンがはちみつドリンクを買っていました(やわめ薄め少なめと、トウカイテイオーとは正反対ですね)。

「あら、奇遇ですわね」
「うん、奇遇だね」

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こうして並んで歩いている姿は年頃の女の子ですね。

 思い返すと、トウカイテイオーとメジロマックイーンは、出会った頃からずっとお互いを意識していました。入学前からその実力が噂になっていたトウカイテイオーと令嬢メジロマックイーン。どちらもお互いの実力を認め合いつつ、負けん気を発揮して遅くまでトレーニングに励んでいました。
 夜の帳が降りてから帰ろうとした時、ばったりと出会ってしまい、
「奇遇だね……」
 それが毎日続いて、すっかり「奇遇」が挨拶になり、スピカに入るまで何度も奇遇が重なりました。そうしているうちに打ち解け、笑顔を交わす仲になり、友情を育んできたのです。
 もうすぐ春、二人にとって新しい挑戦がまた始まります。

Ep.3-4 阪神大賞典

 阪神レース場は雨。メジロマックイーンの出走を受けての回避が相次ぎ、出走するのはわずかに6名。メジロマックイーンは完全にマークされていました。サトノダイヤモンドとキタサンブラックも応援に駆けつけていました(この子たちの遠征費は誰が出しているのだろう??)。

 トウカイテイオーは「大阪杯の下見に」と言ってチームメイト達の元を一人離れると、柵を飛び越えてターフ側に侵入しました(史実のトウカイテイオーも牧場の柵を跳躍して飛び越えられるほど足のバネが強かったそうです)。 

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 トウカイテイオーはトウカイテイオーなりに心配していたようでした。しかし、メジロマックイーンの溢れんばかりの闘気を見て、勝利を確信したようでした。

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「他人の心配をするだなんて、随分と余裕があるのですね」
 言葉は随分棘があるようですが、お互いの勝利を確信しているからこその言葉のようです。

 さあ、阪神大賞典のレースが始まります。芝3000mの長丁場。やや重のバ場状態。前半は特に動きはありません。落ち着いた展開になります。
 2周目、いよいよ周囲のウマ娘達がメジロマックイーンをガッチリマークし始めます。しかし、意に介すことなくメジロマックイーンが仕掛けます。あっという間に先頭に躍り出ます。それでも食らいつこうとする他のウマ娘をさらに置いていくように、さらなるスパートを仕掛けます。5バ身もの差をつけて圧倒的な強さでメジロマックイーンが阪神大賞典を制しました。

 メジロマックイーンの目は、もはや次を捉えていました。

「次はあなたの番ですわよ」

「ボクも負けられない」

 良いところでEDが流れてきたところで、今日はここまで。

Ep.3・総評

 トウカイテイオーとメジロマックイーンの二人の関係性、トウカイテイオーの復活、そしてメジロマックイーンの圧倒的な強さ、この辺りにスポットが当たっていたエピソードでした。
 トウカイテイオーとメジロマックイーンがライバル同士だということは視聴者目線でもすぐに分かることですが、お互いがちゃんと信頼しあい、お互いの実力を認め合い、それぞれの勝利を信じていることがよく分かる回でした。1期でも描かれてこなかったところですので、ここが描かれたことで彼女達のお互いへの想いが感じ取れますね。

 次回は大阪杯での復活と、いよいよ直接対決の時。どちらが勝つのでしょうか。楽しみにしながら待ちましょう。SHO+XENONでした。


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