「暁」の使い方【小論文の漢字】
日常生活の中で「〜の暁には〜だ」のような形で「暁」という文字はよく使用されます。特に志望理由書や面接において「貴学・御社に合格できた暁には〜したいと考えています」のような形で最後の締めとして使用されることもあります。ただこの言葉を間違って使用されていることが多く見受けられますから、今回おさらいをしておきましょう。
【1】 「暁」の意味
「暁」とは下記のような意味を持ちます。
「暁」という漢字はもともと「太陽が昇る前の暗い頃」を指しています。そこから派生して「〜時」といった意味でも用いられているわけですが、「暁」という漢字は単純に「〜時」「〜際」といった意味とイコールの関係ではありません。
【2】 「暁」は、「時」や「際」とどう違うのか
「暁」という言葉は、1つ目の「太陽が昇る前」というニュアンスをそのままきっちりと残した状態で2つ目の「待ち望んでいたようなことが実現する時」のように意味が派生しています。つまり、あくまでも「待ち望んでいたような」といったプラスの意味を含んで表現されるものだということです。最初の例にあったような「貴学・御社に合格できた暁には〜」といった表現はあくまでも「合格」というプラスの意味があってこそ成立するものだということです。ですから「貴学・御社に不合格になった暁には〜」といった言い方はできないということです。よほど貴学・御社を嫌い、皮肉を込めて言うといった通常とは異なる場面でしか通用しません。
それに対して「時」や「際」という言葉は特にプラスの意味に限定するものではありません。プラスの意味もマイナスの意味も、どちらの場面でも使えるものです。ですから「貴学・御社に合格できた際は〜」「貴学・御社に不合格になった際は〜」のどちらの表現でも問題なく使うことができます。
【3】 「合格した暁」
時々、志望理由書や面接において「貴学・御社に合格できた暁には〜」といった表現は誤った表現であると指導されているようですが、これは正しい判断ではありません。「合格」というプラスの意味が含まれている以上、「暁」でも「際」でも「時」でもまったく問題ありません。言葉の語源からその使用の是非について確認しておくと良いでしょう。
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