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数字は漢数字か算用数字か【小論文の極意】  

 小論文を含めあらゆる「原稿用紙」を用いる際、数字表現にはルールがあります。横書きの原稿用紙と縦書きの原稿用紙で表記が変わるということで注意が必要です。

 横書きの原稿用紙の場合、原則として数字は算用数字で表現しておきます。縦書きの原稿用紙の場合は漢数字での表現になります。

 横書きの原稿用紙で算用数字を用いる場合、1マスに2文字(算用数字)を入れる必要があります。いわゆる半角の状態で1マスに2文字を組み込んでいくということですね。これは算用数字だけでなく英字(アルファベット)も同様です。

 ただ、横書きの原稿用紙の場合このように数字表現は算用数字ということになるわけですが、この「数字表現」というのはまさに「数」として、
ものを1、2、3と数えていくものに対して適用されます。つまり、例えば「十人十色」のように、それが「10」であることが重要で「9」ではもうまったく意味が成立しないんだという「数」が重要なわけではなく、全体の言葉として用語として句として言語が成立しているような場合、もちろん数を数えない以上は漢字で表現するということになります。

 例えば「ひとりひとり」という場合、例えば英語で単純に言えば、「one person」ということではなく「every person」という意味ですよね。「1」という数字のカウントをしているというよりも「every」という「毎」という意味こそが重要なわけです。さらに極端に言えば、「新宿」という都市名を英語に訳すときには「new hotel」などとはしませんよね。大元の意味を歴史的に見れば最終的にはそのような意味にはなるかもしれませんが、現在の言葉で成立しているのは「new」かどうか「hotel」かどうかが重要なわけではありません。それはもう言葉として成立しているわけで、それは勝手に変換はできません。それと同じくらいの感覚を持っておく必要があるということです。

 これらの事例は比較的わかりやすく判断が容易かもしれませんが、少しその分岐点がむずかしいこともあります。その際究極的には「迷ったら漢字にしておこう」というくらいで問題ないでしょう。そのような分岐点でどちらにするのかという曖昧なときは、採点者としてもある程度許容範囲を広げるものですから、その辺りは心配されずに一応迷ったら漢字にしておこうかなと考えておきましょう。書き手として、言葉言葉で「one person」という意味で人数を強く数えて主張したいこともあるでしょうし「every person」という一般的な意味で主張したいこともあるでしょう。それを採点者の方で勝手に判断はできないものです。それこそが「分岐点」だといえますから、そこは気にされないことが重要ですね。

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