ミュージカル全然詳しくない人間による The Musical Day 感想/推しは多いほうが良い




The Musical Day ~Heart to Heart~ 2022

というコンサートの配信を見ました。


最初に断っておきますが、タイトルどおり、私はミュージカル全然詳しくない人です。なぜそんな人がこのコンサートを見たのかは、後ほど書くとして。とりあえず、コアなファンの方でこの記事にたどり着いた方は、ミュージカル全然知らない人の感想として、生暖かい目で読んでいただければ幸いです。


The Musical Day は、俳優の上山竜治さんが中心となり、ミュージカル俳優の仲間たちとともに作り上げる、ハンドメイドなコンサート。今年で2度目の開催です。出演者の方々は自分の今歌いたい歌を選び、その日限りの特別なバンドアレンジで、思い思いの音楽を届けます。スペシャルコラボあり、対談企画ありの、アットホームなミュージカルフェスでした。

MCを務めるのは、愛されキャラなのが初見でもよくよく伝わってくる上山さん(こういう方だから仲間が集ってくるんだろうなあ、という感じ)と、好き勝手しゃべる男たちをうまいこと統制しつつ軽やかに進行していく宮澤エマさん。和気あいあいとしたトークが楽しく、演者の皆さんの素敵な関係性が伝わってきました。途中、機材トラブルによる進行の変更もありましたが、良い空気感のまま乗り切っておられました。

そして、そのMCの愉快な空気感をがらっと変える、演者の皆さんの歌唱が本当に凄すぎました。

改めて、ミュージカルで活躍されている方の歌って、何故ああも特別な空気をまとっているのでしょうね。歌の上手な人は世の中にたくさんいるけど、ミュージカルの歌って、普通のそれとは全く別物な感じがします。

多分発声から違うんだろうし、劇中のセリフとしての歌なので、歌う以上に語る(演じる?)要素が強いこともあるのだろうなと想像しますが、まず、歌っているときの目から違うよなあと感じます。ぐっと世界観に引き込まれますよね。

演者の皆さん全員が素晴らしかったのですが、今回、特にmy heartにクリーンヒットしてきたのが、西川大貴さん。幼少期からタップダンスを習っておられ、ミュージカル『アニー』でデビュー。以降、数々のミュージカル出演や、脚本・演出等で活躍していらっしゃる俳優でアーティストでクリエイターさんです(公式サイトより)。

失礼ながら初めて拝見したのですが、ソロで歌っていらっしゃったDear Evan Hansenより『waving through a window』本当に最高でした。胸がぎゅっとなる歌声。今もはっきりと耳に残っています。

すごい良い!と思って原曲を聴こうかと思ったのですが、西川さんの歌声が上書きされるのが嫌だったので、一旦聴くのを思い留まりました。でも和訳版と見比べながら原曲聴きたいし、ストーリーもちゃんと知りたくはあるので、そのうち映画見ます。もうしばらくは余韻に浸ろうと思います。

しかも、今回披露された和訳版の歌詞は、ご自分で作詞したとのこと。「waving through a window」が「上に振る手を」に。才能しかないじゃん。是非もう一度聞きたいです。次は、できれば生で。

そして、その後の平原綾香さんとのコラボ、メリーポピンズより『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』では、平原さんのボイスパーカッション(イメージになくてびっくりした)やキュートな歌声にあわせて、タップダンスを披露。いやあ……かっこいいの一言です。しかも、ぶっつけ本番での即興セッションだったそうで、度肝抜かれました。才能しかないじゃん(2回目)。


ほかにも、プリンス井上芳雄様はプリンス超えてキング、いやゴッドの風格だったし、小野田さんとシュガー(佐藤)さんも声量と声の深みが人間卒業しておられました。

エマさんのワクワクするようなWSS、上山さんのキレッキレで迫力あるミルク、衝撃の小学6年生加藤礼愛さんの大人っぽくもピュアなmemory、サポートボーカルのお三方と高橋あず美さんのパワー溢れるドリームガールズメドレー、どれも素晴らしかったです。

あとは何と言っても、ラスト一曲、出演者の皆さん全員での『ONE DAY MORE』。圧巻でした。皆さん物凄く楽しそうに良いお顔で歌ってたのが、また良かったですね。

上山さんの曲紹介からのバックバンドの演奏の入りがかっこよくて、アレンジもすごく良かったです。ONE DAY MOREはよく知っている曲ですが、イントロ始まったときは、私の知らないONE DAY MOREだったかと思いました。

西川さんの「わたしは戦おう~!!」が良すぎて惚れました。井上さんシュガーさんの「明日は〜!」の力強さも最高でした。全員がユニゾンで歌うところは、何回聴いても全身に鳥肌が。声量凄すぎて会場揺れてなかったでしょうか、現地組の皆さん。ああ、生で聴いてみたい。

良い音楽、素敵な歌手の皆さんに出会えて、とっても大満足でした。最高に幸せな気分にさせていただきました。


さて、ここまで感想を書いてきましたが、最初に書いたように、私のミュージカルの観劇回数は、これまでで3回。ミュージカル界隈には特に詳しくない人間です。今回のコンサートの出演者さんも、実は、正直半分くらいしか存じあげませんでした(不勉強ですみません)。

ただ、観に行くと毎回感動して、ミュージカル好きだわ~! と思ってはいます。地方に住んでるのもあって、なかなか積極的に行く機会がなかったけど。あと、ミュージカル映画やその音楽はわりと好きで『WEST SIDE STORY』『サウンド・オブ・ミュージック』等、お気に入りはいくつかあります。そんな感じで、ミュージカルへの興味は、全くゼロの人よりはちょっとあるかも、程度でした。


そんな人が、今回何故チケットを購入し、ミュージカル音楽のコンサートを見るに至ったのか。きっかけは、当コンサートの音楽監修が本間昭光さんで、Twitterで宣伝なさっていたことでした。

本間さんは、私の大好きなポルノグラフィティの父とも言える、偉大な音楽プロデューサーです。『サウダージ』『メリッサ』『アゲハ蝶』等、数々のヒット曲を世に放っておられます。


そんな本間さんが音楽監修された、ミュージカル音楽のコンサート。面白そう。良いに決まっている(絶大な信頼感)。キーボードはただすけさん。セトリも、知っている曲も多そう。お、井上さん歌うんだ。ミュージカルいいな、聴きたいな。そんな流れで、開演2時間前くらいに、ノリで配信チケットを購入したのでした。

会場はBlue Note Tokyo。実際に行くとなると、ディナー付チケット25,000円+席代、なかなかリッチなコンサートです。好きな方からしたら実質タダくらいの感覚かもしれないですが、よく知らない人からすると、簡単に手を出せる値段ではありません。

さらに地方からの遠征となると、交通費・宿泊費もかかるため、知らない分野には余計に手を出しにくいところがあります。おそらく、現地には、コアなファンの方しか行っていないのでは。

しかし、今回は配信があったおかげで、超・ドにわかな私も、勢いで参加することができました。今回のコンサートを見ないと知れなかった素敵な方たち、音楽たちに出会えたので、心からの大感謝です。

2020年以降、ライブで声は出せない、ライブハウスでもみくちゃにもなれない、何かあったらすぐ公演中止、という悲しい世の中になってしまいましたが、配信で気軽に知らない世界のコンサートを観れるようになったことだけは、ありがたい変化だなあと思います。


今後も、配信ライブ情勢の間は、軽率に好きなひとを増やそう期間として、ライブを見たことがないアーティストやあまり知らない分野のコンサートをたくさん見てみたいです。応援する人が増えすぎるとお金がかかって大変なので、あまり深く沼に落ちないように注意しつつですが。

でも、私は、推しは多いほうが良いと思うので。楽しいことやご褒美な時間が多いほうが、人生楽しいですからね。


とりあえず今回は「西川大貴さんの舞台を見に行く」が、遠征できるようになったらやりたいことリストに加わりました。多分、生で見たら好きになっちゃう予感がしています。沼落ち危険です。もう既に半分、いや、7割方落ちてるもんね。だって、あんなの見せられて落ちない人います? 生で見るの、たのしみだなあ。早速、インタビュー記事等読んで、YouTube「クロネコチャンネル」チャンネル登録しました。


あとは、まだみたことがない名作ミュージカルをしっかり観てみたいですね。エリザベートとかサイゴンとか未履修だから、行きたいな。チケットの倍率凄そうだけど。取れるものなんでしょうか。夏にある西川さん出演のミス・サイゴン、行けるかな。沼なんだろうなあ。


知らないって、これから知れるってことなので、素敵なことですよね。新たな扉が開きそうでワクワクしています。ありがとう本間さん、ハートトゥハートな皆さん。

こうして見たコンサートは、今後もできるだけ記録に残していこうと思います。

軽率に好きなひと増やそう期間(配信ライブ全盛期)に、どれだけ新たな好きに出会えるのか、これからも楽しみです。


追記 ミス・サイゴン、きっと主要都市しかやらないだろうと思ってたのですが、よくよく調べてみると、なんとめちゃくちゃ近くに来ることが判明しました。え、どうして? 運命??

これはもう、何がなんでも観に行きます。まだチケットの発売日さえわからないけど、もうスケジュール帳に予定書きこみました。絶対行く!

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