息が苦しい。 そりゃそうだ。空気が薄い。狭い空間。 ちょっと顔を出せばすぐ覗かれる。 別に何も悪いことをしてないのに。 何かしでかさないか見張られてる。 放っといて欲しい。 暇すぎるでしょあなたたち。 私はあなたがどうしていようと何も気にしないのに あなたの視線は感じるから、気持ちが悪いの。 見られてること、気づいてるよ。 気づいてないとでも思う？ 人ってね、ただ意味なく見られているだけで不快なの。 害がないから放っておくしかないけどね。 そんなことしていて楽しいのかしら
こんな風にゆっくりとフライトを楽しめるのは何年ぶりだろう。出発前のトイレを気にすることも、時間をつぶすための持ち物もいらないひとり旅。 ちょっと前まではこんな時間を切望していた気がするのだけど、今回は別に喜ばしくもない感情で空港へ向かった。 空港に近づくにつれだんだんとまぶたが重くなる。あぁ、思い出した。あの頃もこんな感じだった。孤独感が自分を支配して、振り解くことができない感覚。 実際、今と比べると圧倒的に孤独だった。ひとりじゃない。そう思い込みたくてもがいてた日々。自
