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エンジニア小噺

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しょっさんの書いたエンジニア向けのエッセイ集
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#ITアーキテクト

実現可能性の検証 (仮)

AI でも代用できそうと言うか、取って代わって欲しい事があります。 それは、実現可能性の検証です。アーキテクトがアーキテクチャを準備はしたものの、その実現性と言ったものは一切担保されません。コレは、要件定義から外部設計、内部設計と進んでいっても永遠に担保されずレビューワが何度もウォークスルーを繰り返し、慎重に慎重を重ねていって確からしさを机上で検証していきます。 各種ハードウェアやソフトウェアなどの仕様を、穴が開くほど微に入り細に入り調査し、過去の経験を持って妥当性を「机

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システム構成図の書き方 #3 (意味を持たせる)

システム構成図の書き方最終回です。 最後は「意味を持たせる」です。スライドの描き方ではなく、あくまでも構成の書き方なので、色をどうしたら良いとか、見栄えをどうしたら良いとかは他の記事を参考になさってください。 色や見栄えをどうこうする以前のお話をします。

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システム構成図の書き方 #2 (配置編)

前回はシステム構成図を準備するための心構えというか、考慮しておくべき事項をまとめました。 今回は「配置」に関してです。システム構成図やネットワーク構成図を記す際、対象となるコンポーネントやモジュール、抽象化された機器などを配置して、相互の関係性を線を使って示すことが多いでしょう。 該当する「箱」とも言うべきコンポーネントの配置の仕方について考えてみましょう。

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システム構成図の書き方 #1

ITアーキテクトが何者だろうかとか、ITアーキテクチャがなんなのかとか、今絶賛まとめている最中です。が、完成されたものを見るステークホルダーや開発者の人は「その構造化された構成図がキレイか、見やすいか、分かりやすいか」にしか興味がないことでしょう。きっと。 完成された美しいシステム構成図やネットワーク構成図などを見た時、それだけで良いシステムだと勘違いします。見た目の麗しさは人をごまかします。 だからといってと言うわけではなく、正しく伝わりやすいシステム構成図と言うものは

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ITアーキテクチャとは何か(前振り)

ITアーキテクトは定義を重んじるんです。学者肌の人が多いのもありますが、まずそもそもエンジニア自体が定義を重んじるべきです。あやふやな単語を分からずに使っていると、お互いの認識に齟齬が発生して、何も伝わりません。 ITアーキテクトとしてスタートラインに立った時、まずはじめに言われたことは「言葉を正しく使うこと」でした。ええ。はい。わかります。おっしゃる通りです。 そんな正論はおいといて、実際には、現場はその実態とはかけ離れています。同じ言葉でも違う使い方をすることがありま

ITアーキテクトは何者か(5)

ITアーキテクトとしての役割は多くあります。果たすべき責任も負います。 その中でも重要な責任として「説明責任(Accountability)」があります。 ここでいう説明責任というのは、アーキテクチャを設計する上での「決定」から生じた結果に対して、その理由を明確にして説明する事です。 なのですが、この設計方針や設計を決定した理由が不明確なままになっているドキュメントが非常に多い。わたしが見せていただく設計書には「決定事項」と「パラメータ」しか記述がありません。設計方針の

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今年こそ充実したプログラミング学習を

#今年学びたいこと と言えば。プログラミングです。 「しょっさんはITアーキテクトだろ」と言われたら、そこまでなんですけれど。今でもプログラム自体は書けますし、今でも嗜んでいるプログラミング言語は数多くあります。でも、そうじゃないんです。 わたしがプログラムを朝から晩まで書いていたころは、手続き型や構造型のプログラミングコードの書き方です。サブルーチンのないBASICや、特定の構造・モジュールをファイル単位で分割する程度のC言語、高速化だけのために分割されたアセンブラのラ

Salesforce に入社して8年。FY24の振り返り 🫡 [無料で全文読めます]

本日、1月31日を持ってSalesforce に入社して8年が経過しました。 今年もお仕事を振り返ります。 Principal Technical Architect 2年目として 今年はアーキテクチャのデザインセッションを多く実施できました。 社内外問わず、「アーキテクチャ」という言葉の定義を理解されていない前提条件が多い中でセッションを進めていくには、統一されたアウトプットの定義とプロセスが必要です。 そこで、今年度は TOGAF をベースにしたアーキテクチャデザイ

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アーキテクチャに影響を及ぼす特性とパースペクティブ

最近のアーキテクチャ関係の書籍をあさっていると「アーキテクチャ特性」という言葉を見かけるようになりました。 この「アーキテクチャ特性」について調べてみた内容をまとめておきます。

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2023年 - オススメしたい本

2024年も4日目にして、まだ2023年を振り返ります。 2023年に読んだ活字書(小説、ビジネス書、技術書など)119冊(+1)の中から、これは良かったという本を紹介します。 全冊コメントを書いていますので、全部みたい方はこちらからどうぞ。 小説medium 霊媒探偵城塚翡翠 2023年に読んだ小説の中で一番良かったのはまちがいなくこれ。 答えが書いてあるのに分からないって最高すぎる。まだ読んでない人は、私の感想も見ずに騙されたと思って買って読んで欲しい。 冷たい校舎

[転職] 過去を振り返りながら、転職の時の話をする

イロイロ振り返っていたんですが、転職に関するゴタゴタや本当の理由をきちんと明記していないことに気がつきました。 転職したころ書いた記事には、ふわっとしたことばかりが書いてあります。 1年経過しても大したことは書いていません。お金の話してるのはちょっとやらしいです。 3年が経過します。一言だけ「電話がかかってこない」という理由を挙げてくれています。そう。これは大事。 4年経過して、ついに本当の理由に触れ始めます。でも、これで全てじゃないんだな。一つだけなんだな。 5,

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ITアーキテクトは何者か(4)

ITアーキテクトやITコンサルタントは上流工程で設計をしているだけの人だよね、インフラもプログラミングもやってないから詳しくないんだよね。 なんて思われていることもしばしばですが、そんなことであってはなりません。ITアーキテクトはITスペシャリストの上位職であり、きちんと基礎を押さえたスペシャリストこそITアーキテクトへなれると考えています。 アーキテクトは思考や能力に注目されがちですが、わたしは未だに自分でインフラを構成したり、プログラミングの学習に余念がありません。

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ITアーキテクトとは何者か(3)

最近、ITアーキテクトが何者なのかと初心に立ち返って考え込んでいます。あまりにも考え込みすぎて「そもそも思考とは何か」という哲学的な話にまで踏み込んでしまいました。 ちょっと楽しいと感じ始めてきていますが、本気で考え始めると一生を費やしても答えが出ない気がします。生涯の趣味にでもしようと思います。 さて、本題に立ち戻って ITアーキテクトとは何者でしょうか。 概念や思考的な側面からの定義の所為で、私が明後日の方向へ考えを巡らしてしまっていました。一度、わかりやすい定義も

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ITアーキテクトとは何者か (1)

御大層に書いていますが、ITアーキテクトとは、一言で申し上げるなら ITアーキテクチャを造る人のコトです。では、その "ITアーキテクチャ" とは何か。実はこの「ITアーキテクチャ」は説明が難しいものです。定義自体はありますが、アーキテクチャの示す言葉の抽象度の高さ同様、あいまいさが漂い残っています。そこで、ITアーキテクトは何を目的に、なにを成し遂げるものなのかが分かれば、 ITアーキテクチャの理解が進むのではと考えています。 ITアーキテクトの目的を理解した上で「"IT

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