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火花は散っているか

農家ってのは、作業が多い。
農繁期・農閑期にかかわらず、
「な〜んか、すること多いよね」というのは、貧乏暇なしなボクだけでなく、多くの農家あるあるかと。

そうやって、日頃から
「あ〜忙しい忙しい」
と言ってるけど、それってホントに、ホントのホントに、忙しいんだろうか?

疑問はずっと持ちながら、それでも、芯を捉えることなく、日頃の農作業に勤しむ日々であった。

本読んだりして、少しずつ、見えてきたのは、
作業には「実作業」と「付帯作業」に分かれるということ。
「実作業」は付加価値を生む作業で、
「付帯作業」は、実作業と実作業の合間にある諸作業。

農家に分かりやすく、田植え機での田植えを例にする。
田植え機が動いて「チャッチャッチャ」と苗を植え、肥料を「ジャラジャラ」と散布して、オペレーターがポッドキャスト聴きながらドヤ顔してるのが、実作業。
かたや、苗を田んぼまで運搬したり、すくい板にすくったり、田植え機によっこいせと載っける瞬間は、付帯作業。

もう少し一般的に分かりやすく、さっき娘が書いてた書初めで例える。
用紙に筆でサササッと書くのが、実作業。
墨汁垂らしたり、すずりを擦ったり、かったい筆をほぐしたりするのが、付帯作業。

付帯作業の中には、無駄ってのが、たくさん潜んでいる。
この中のムダを、排除することで、忙しいってのは、解消される。

そういうと、すぐに父なんかは口をとんがらせて
「ほんならなんや!苗運ぶなってことかいや!」
「苗すくわんだら、田植えできんそい!」
とつっかかってくるけど、言いたいのはそういうことじゃなくて。

じーっと観察すると、ムダなものが、見えてくる。

苗を持ち上げては置いて、また持ち上げるなんて動作があると、
「一旦置く必要ある??」となったり。
田植え作業が滞らないよう、多めに苗を積んで歩くことで、運搬するだけの時間が多くあったり、仕掛かりの在庫を多く抱えたり。

田植えが忙しくて、ミスが起こることを想定して多めに作っておくことが、時にはムダになったり、する。
(↑これをケチり、無策で余剰をカットしたら、終盤で足りなくなって泣いたこともあったので、ちゃんと策を講じましょう😭)

製造業の人の話で、
「火花が散っているか」というワードがある。
工場のラインで、溶接のアレがバチチっと火花を散らすイメージ。

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バチチっとしてる瞬間が、付加価値のある瞬間で、お面を顔に近づけたり狙いを定める瞬間は、付帯作業。
それを「それは実作業であってでなぁ〜、付帯作業っていうものがぁ〜」と説明しても、全然頭に入らないってので、端的に
「火花散ってる」か、火花散ってる以外か...と表現したってワケ。

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日頃、作業してる中で、
火花散ってる以外を、探してみてほしい。
そこにはきっと、忙しいを解消する、答えがあるはず。

ムダを定義づけた、7つのムダってのは、また今度。

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