創造営2021のスタイリングメモ
『創造営2021』、衣装やメイクがハイセンスでとてもかわいい。今年は制服風衣装もシンプルで洗練されていて、インナーのシャツでそれぞれが表情をつけているところも品が良い（去年の女の子制服はちょっとコスプレっぽくて、それはそれでめちゃくちゃかわいかった）。
強めの課題曲でもスタイリングはマイルドでエレガントだったり、絶妙に「スタイリッシュでモダン、でも女の子の好きなアイドルスタイル」になっていて、衣装とメイクも毎回のステージの楽しみになっている。『青春有你3』はわりと攻めたアーティーなスタイルが多くて、その違いも楽しい。
あまりにコーディネートが素晴らしかったので調べたところ、スタイリング統括は纪雯钦さんという方で、weiboに第1回公演衣装のデザイン画や第2回公演の使用小物の一部などを載せてくださっていた。
ある程度既製品をリメイクしているのかと思いきや、どうやら第1回公演はほとんどオリジナルだった模様。限られた時間の中で数十パターンの衣装を考え、モノによってはゼロから作ってフィッティングして練習生の体型に合わせて直して…と膨大な作業量を考えると頭が下がる。第2回公演はオリジナルと既成服のミックスのようで、中にはハイブランドのリメイク衣装もあったり。アクセサリーはEEKEやOSITERM、QEELINなど中国のブランドがメイン。スポンサーなのだろうか。
エモいなと思ったスタイリングや推しの衣装について書いてみたい。備忘録として原曲も載せておく。完全に自分の資料用で恐縮です。
■第1回公演 『Lover Boy 88』
原曲はインドネシア育ちのシンガー、リッチ・ブライアンによる80年代モチーフのファンキーでchillな楽曲。
爽やかな西海岸風で、デニムonデニムの6パターンものスタイリング。デニムの色味はアメカジ感あるライトブルー〜ブルーで揃えられているけれど、練習生ごとに少しずつ素材感が変わってたり、差し色が違ったり。全員サングラスをかけたりポケットにさしたりして統一感を出してるのもいい。全パターンかわいくてめちゃくちゃ真似したい。
スタイリストさんのデザイン画メモによると、『メロディーが生き生きしていて遊び心があるので、アメリカのレトロな少年っぽく、花柄シャツにデニムのヴィンテージスタイルに。デニムにはそれぞれデザインと加工を加えた』とのこと。
林墨のハート柄シャツ×ハート柄手書きペイントのGジャンが絶妙にダサかわいくていちばんお気に入りです。パフォーマンス中のサングラスの小物使いも上手かった。林墨はついリアクション要員的に見てしまうが、黙っているとイケメンだし、スタイルが良いからさらっとこんな衣装も着こなせてしまう。『Lover Boy 88』のコンセプト消化は素晴らしかった。
■原曲『Lover Boy 88』Rich Brian
■第1回公演 『Radio』
原曲は「SUPER JUNIOR M」のヘンリーの楽曲（の中国語バージョン）。ミドルテンポの失恋バラード。
シックな紫をキーカラーに、バブル感ありつつもシンプルなスタイリング。やんちゃなこのチームのメンバーがコンサバで背伸びした大人っぽい格好してるのはギャップがあってよかった。センターの奥斯卡だけ黒オンリーの衣装で、アイシャドウの紫で他メンバーと統一しているところもスマート。
デザイン画メモによると『シンプルでシャープなデザインで、中性的な冷たいトーンの紫と黒を組み合わせつつ、グラデーションで冷たすぎない印象に』らしい。確かに、練習生それぞれの衣装の黒と紫の使用バランスが微妙に違っている。インダストリアルなディテールも垢抜けた雰囲気。
谷柳霖の歌声がめちゃくちゃエモくて気になったのに、初回で淘汰されてしまったのが残念だった。調べてもなかなか情報が出てこない練習生なのだが、今後の活動に期待したい。
Patrickにハイウエストパンツ穿かせようと決めた人、握手させてほしい。貴公子感増し増しで最高だった。VALENTINOの大ぶりなチョーカーも、ノーブルな彼がつけると禁欲的でより上品さがひき立つ。アシンメトリーなジャケットもおしゃれ。
周柯宇のメガネはもはや彼のトレードマークなんだろうが、このパフォーマンスはダンスの途中にローリングの振り付けがあって、メガネが壊れないかだけが心配だった。ちなみにステージ後半ではメガネは外れていた。直拍では最後まで無事で、時折ダンスしながらメガネを直す仕草がなんとも色気があって趣深かったのでぜひご覧いただきたい。
■原曲『RADIO（Chinese Version）』HENRY
■第1回公演 『女孩』
原曲は韋禮安（ウィリアム・ウェイ）のレトロでキャッチーなラブソング。
学園ドラマ風王道アイドル衣装。『女孩』嫌いな人います？
赤＆紺チェックのツイードジャケット組と、白のプレーンなツイードジャケット組とが半々でバランスがいい。センターの俞更寅だけグレーのパンツなのもアクセントになってるし、原部くんのショートパンツにベレーとリボンタイもマンネ感ある。ボウタイシャツの優等生組と、インナーシャツのボタンを開けてちょっとやんちゃな雰囲気出してる先輩風組がいて、まさに少女漫画のなかの私立男子高校生徒会って感じ。
お気に入りなのは足元が全員キャンバススニーカーでカジュアルダウンしてるとこです。絶妙に今っぽい。
デザイン画には『キャンパスの告白をテーマに、青・赤・紺・白・グレーのチェックやパイピングなどクラシックな英国要素満載の制服デザインに』とのこと。
「キャンパスの告白」、ありがとう最高のテーマです。
死ぬ前に走馬燈で出てきてほしいステージNo. 1。
吴宇恒、番組が進むにつれてどんどん好きになってくる。ぽけっとした表情が親しみやすくて、けれどスタイルがよくて洗練されたモデル風なところもあるのが良い。写真によっては俳優の肖战に似ている気がする。
吴海はリボンシャツでノーブルにまとめてるのが副生徒会長ポジションぽい。こんなの学園の王子様じゃん……ダンスの上手さと顔の良さはもとより、ザ・アイドルという華があってキラキラしていて、公演ごとに違う面を見せてくれて気になってきている。
■原曲『女孩』韋禮安
■第2回公演 『爱情鸟』
原曲は林依轮（アレン・リン）の1993年のムーディー歌謡曲。すごい曲を掘り返してくる。
現時点の配信分までで一番好きなスタイリング。大ぶりな花柄やワイドパンツ、インナーもデニムonデニムや柄シャツだったりする60年代〜70年代風ヴィンテージスタイル。セピアなフィルム映画みたいで、緑×ブラウンの配色もクラシカルで最高にかわいい！センターのCaelanだけ、差し色の緑を大胆にジャケットに使ってるのも馴染んでいておしゃれ。かわいいなあと思って調べたらCaelanはGUCCIの今年のコレクション、蒋敦豪・黄鲲は同じくGUCCIのケン・スコットコレクションのコートジャケットにレザーを足したり、丈をカットしたりして大胆にリメイクしていた模様。リースじゃないんか……
GUCCIのGGキャンバスジャケット。アクセサリーはEEKEとOSITERM。
やんちゃな悪ガキだとばかり思っていたCaelanがしっかりリーダーシップを発揮してチームをまとめていたのには良い意味で裏切られた。パフォーマンスもチャーミングで、番組開始時から大きく成長した練習生のひとりだと思う。
黄鲲はGUCCIの2021ケン・スコットコレクションのベルベットコート、蒋敦豪は同じくベルベットジャケット。華やかでレトロ。
エポレットにガンフラップ、アームベルトなど元のコートのトレンチ要素を絶妙に残したリメイクジャケット。これめちゃめちゃかわいい！！同じ型を売ってほしい。
ボーカリストなのに不運でダンス曲に回されてしまった黄鲲、Caelanに励まされながら頑張ってこなして終演後に涙を見せたのが感動的だった。
蒋敦豪もシンプルなデニムスタイルに、リメイクで足されたジャケットのレザーがアクセントになっていてかわいい。かわいいしか出てこん。
纪雯钦さんのweiboにリメイクの一部工程の動画があったので、そちらもぜひ。
■原曲『爱情鸟』林依轮
■第2回公演 『我管你』
原曲は华晨宇のロックで尖った曲。元気のいい尾崎豊みたいな歌詞だな。
ゴージャス×パンクロックなアレンジがおしゃれ。お揃いのイカついCHANELのアクセサリーもパンチがきいてて曲の雰囲気に合う。ジャケットもツイードのCHANEL風。GUCCIの例しかり、もしかしてこれもマジもんのCHANELを切り刻んでたりするんだろうか…
ガチなパンクロック曲なのにライダースやスタッズ衣装を着せずにツイードとパテントで上品に仕上げてくるあたり、女の子視聴者を意識したアイドル番組らしさがある。
邵明明だけインナーがチュール素材のシャツだったり、ブーツにゴールドのチェーンがついていたりとちょっとエレガントなスタイリングなのも、彼の中性的な個性にすごく合っていてかわいかった。きっちりシャツのボタンを留めて、ココマークのチョーカーを襟の外に出してるのも優等生らしくていい。メイクもラメのシルバーラインがゴージャスでフェミニン。邵明明、このチームの中にいると姫感がある。
ELLE写真の邵明明のジャケットは本番と違うもののよう。これはこれでゴージャス女帝風で良い。伯远の星モチーフのネックレスはおそらくEEKE。
気のせいかもしれないが、中国の番組ってGUCCIとCHANELをやたら見る気がする。CELINEやDior、サンローランとかあまり見かけないし、なぜだろう…
このチームはメインボーカルの井胧・伯远の2人がザ・整数次倍音という感じの高音が通る声で聞いていてとても気持ちよく、迫力があった。癒し系美声の非整数次倍音『你就不要想起我』チームとは対極的。伯远のラップが意外とダミっていて少年ぽく、新たな魅力を見つけてしまった気がする。応援王に選ばれて呆気にとられていた表情が忘れられない。あと前髪のメッシュがかわいい。
■原曲『我管你』华晨宇
■第2回公演 『你就不要想起我』
原曲はS.H.EのHebeこと田馥甄の失恋バラード。女性の失恋曲を男性が歌うと歌詞の解釈が変わって面白い。
ブルベにしか許されんようなシルバーのアクセサリーにアイスブルー一色のスーツを全員着こなしてしまっているのに恐れ入るし、スパンコールやらレースやらチュールやら過剰なくらいロマンチックなディテールにもかかわらず、ダサくなっていないのがすごい。全員王子様を地で行っている。
アクセサリーはNineとPatrick、俞更寅がEEKE、Mika（おそらく张星特も）がQEELIN。このふたつのブランドは第2回公演での登板回数が多くて、『化身孤岛的鲸』もみんなEEKE、『Jorker』のパンダネックレスはQEELIN。EEKEのアクセサリーは洗練されたデザインなのにとてもお手頃。公式サイトはラインナップが少なくて、他にどこか購入できるサイトがあれば知りたい…
俞更寅のアシンメトリーなジャケットのデザイン、逆の手でマイク持つから縦ラインが映えてスタイル良く見える。袖と右身頃の同系色スパンコールのチュール生地も上品。ぜひ黒地バージョンで販売してほしい。
全員メイクのどこかにシルバーのラメやスパンコールが使われていて、俞更寅は眉毛にワンポイント置いているのが涼やかな顔立ちとマッチしていてとてもおしゃれ。真似しよ。
Nineは涙袋に大粒ラメがちょっと入っていて、カメラに映る角度によっては泣いて見えるのが失恋曲のムードを高めていた。珍しくカラコンを入れていて、瞳が潤んで見えたのも雰囲気ある。
創造営にはPatrickにチョーカーをつけないと死ぬ人でもいるんですか？ ぜひ3公もこれで頼む。お顔が派手なので、大ぶりなスパンコール刺繍ジャケットにボウタイシャツというリュクスな衣装がよく似合う。泣きぼくろ風の星の一粒スパンコールもセクシーでよかった。
毎回公演の『踊っても歌っても絶対ヨレない！カメラが寄っても毛穴ひとつすら見せない！』最強カバーマット肌なメイクが素晴らしいので、使用している化粧品を教えてほしい。
■原曲『你就不要想起我』田馥甄
2回目順位発表を前に不安な気持ちを落ち着けるために書いた。完全に自分用の資料で恐縮です。使用アイテムが判明したら追記したい。
第3回公演の衣装も楽しみです。
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