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創造営2021のエモと注目練習生①

『創造営2021』にハマっている。
韓国発祥のアイドルサバイバルオーディション番組『PRODUCE101(通称プデュ)』シリーズの中国版で、weTVで毎週土曜日更新で配信中。毎年男女交互に開催されていて、4回目となる今年は男性版。「国際的ボーイズグループの結成」を掲げて中国のみならず、日本・タイ・アメリカ・ロシア・ウクライナなど世界各国から参加者が集まっているのが大きな特徴だ。

中国プデュというと、BLACKPINKのLISAがメンター(指導役)として参加した昨年の『青春有你2』が日本でも話題になったのでご存知の方もいるのでは。例にもれず私も大ハマりした。ちなみに推しは安崎と陆柯燃と刘雨昕です。
『創造営』シリーズは初代の101から見ていたものの、女性アイドルのほうが好きなため男性回はあまり興味が持てず流し見していた。イケメンが集まると見分けがつかない。
今年は『創造営』も『青春有你』も男性版で、またなんとなくの流し見程度に留めようと思っていた。そんな矢先に発表された個別写真がこれである。

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クリエイティブがめちゃくちゃエモい。

個別写真は番組開始前に参加者をアナウンスするためのもので、通常は制服風衣装の練習生を正面から押さえた全身写真が多い。歴代『創造営』シリーズのクリエイティブはちょっとダサくて、クールでソリッドなデザインの『青春有你』シリーズからは大きく遅れをとっていたように思う。それが今年これである。俄然期待が高まってしまった。

「国際的ボーイズグループの結成」を掲げている今回の番組は、コンセプトが「国際交流」で、例年より「友情」「努力」「勝利」にフォーカスされているように思う(主題歌の歌詞もその色が濃い)。「かけがえのない仲間たちと一緒に努力し、切磋琢磨し、夢に向かって走る。たとえ夢が叶わなくても、頑張ったこの時間は決して無駄じゃない」。練習生個々人ではなく「仲間と一緒にいる練習生」を切り取り、青春のノスタルジアを感じさせるアプローチにまんまとやられてしまった。プデュは感情のジェットコースターに揺さぶられるのが醍醐味だが、最初からこんな手を繰り出されると既に涙腺にキてしまう。今年のクリエイティブディレクター、マジなる神です。

さていざ始まった『創造営2021』だが、いつものシリーズと違う点がいくつか。

1・メンターが優しい
プデュシリーズといえば超絶辛口のメンターが容赦なく練習生にダメ出しするのが見応えなのだが、今回は「国際交流」テーマとも相まってメンターが皆優しい。否定的な意見を言うことは滅多になく、「褒めて伸ばす」傾向で非常にストレスフリーな設計。メンターというより部活の顧問の先生みたいで、練習生と一緒に笑ったり泣いたり騒いだり、一致団結している様子がとても微笑ましい。

2・多言語字幕に対応
今まで『青春有你』には中英字幕があったが、『創造営』は(たぶん)中文字幕のみで視聴ハードルが高かった。今回からは日本語をはじめとした多言語字幕に対応。母国語で見られるありがたさよ。
ただし更新されたばかりの最新エピソードでは字幕が飛んでたり意味不明なことが多いので、英語か中国語表示がおすすめです。

3・国際交流バラエティ
メンターの優しさにも関係するが、今回は「サバイバルオーディション」というより「国際交流バラエティ」の趣がある。合間に配信されるミニ番組も交流に重点をおいているし、全体的なクリエイティブの方向性もしかり。その点では『青春有你3』は「正統派ド根性サバイバルオーディション」、『創造営2021』は「アイドル練習生国際交流バラエティ」と明確にコンセプトが差別化されており、どちらもとても見やすい。

現在の番組進行内容は下記のとおり。
step1:レベル分けテスト(練習生の個別/事務所別初パフォーマンス)
step2:第1回公演(レベル分けに則ってチームを組み、課題曲を披露)
step3:主題歌テスト(主題歌のポジション争い)
step4:初回順位発表(1〜3を経ての視聴者投票結果と、初回の脱落)

昨日配信分で「step4:初回順位発表」が終わり初回の脱落が決まったので、ここまでで気になった注目練習生…というか、推したい練習生について書いてみたいと思う。ただ推しについて語りたいだけです。


①踊る水墨画、ザ・中国美少年『刘宇(Liu Yu/リュウ・ユー)』

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番組参加前からワンホンとして有名だった美少年。4歳から中国舞踊を始め、中国舞踊の最高学府・北京舞踏学院にも通っていたらしい(怪我で中退したとの噂)。
初回のレベル分けテストでは見事な中国舞踊を披露し、ストリートダンスの世界チャンピオン・賛多とのバトルも大きな話題になった。2人のケミに悶えるファンも多い様子。
とにかく美・気品・端麗・美・美・美。女子校カーストトップにいる万能お嬢様という風情である。
中国舞踊(と、おそらくバレエの素養)をベースに生み出されるダンスは男子とは思えない柔軟性で、しなやかでエレガント。群舞にあっても自然と目がいってしまう。美しく切ない表情管理も独特で、身のこなしに品があり、アイドル然とした華が備わっている。

■第1回公演 『蓮(Lit)』

主要ダンスパートを受け持ち、しなやかな踊りで力丸とWセンター風のパフォーマンスを披露。力丸と刘宇の剛柔併せ持つコンビならではの息のあったステージで見事1位に。このチームは本当にチームワークがよく、力丸と刘宇が「父」「母」としてチームを運営し、ダンスが苦手なチームメイトに寄り添って協力して壁を乗り越えていくさまは、少年漫画的サクセスストーリーで見ていてとても心地良かった。そう思わせる番組の編集も上手い。
刘宇が「中国風ではないダンスもできる、ラップもできる」万能っぷりを見せつけた名ステージだった。

本人も「中国風の美少年」が大きな売りであることを自覚しているようで、漢服衣装の時は派手に騒がないようにしたり、インタビューの話し方も教科書のように綺麗で丁寧な口調(めっちゃ聞き取りやすくて助かる)。プライベートでも几帳面な性格で、宿舎の部屋には3ヶ国語で「部屋を綺麗にしましょう」の張り紙を貼り、ルームメイトに手作りのお片付けボックスをあげたらしい。
かと思えば『蓮(Lit)』では長いダンス人生で初めてセンターから外れ、プレッシャーから解放されてちょっとドジっ子でお茶目な一面も見せたり、主題歌センター争いではチームメイトが寝静まった真夜中に豆電球をつけて練習する様子をカメラに抜かれたりと、なんというか「アイドル」なのである。
刘雨昕しかり、こういった冷静で完璧主義でカリスマがありつつ、下積みの長い練習生をトップに推すのが中国プデュの傾向のひとつだと思う。個人的に蔡徐坤タイプだなと感じている。

■主題歌ステージ『我们一起闯』

主題歌センター争いを勝ち抜き、練習生の投票によって見事センターに。ちなみに『創造営』シリーズの主題歌センターは過去誰一人としてデビュー組に入れておらず、そのジンクスについて自ら言及するスタイルにはちょっと笑ってしまった。頑張ってジンクス打ち破ってください。

中国舞踊ではウィークポイントだった身長の低さも、アイドルの容姿としてはバランスがとれている。主題歌センターに立った時、脇を林墨・賛多の高身長組が固めるさまは絵的にとてもまとまりがあった。中国アイドルはK-POP寄りのスタイリングなため、メイク映えするのもいい。

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初回順位発表では見事1位に。「刘宇を超えられるのは刘宇本人だけです。」という強気カリスマアイドル名言を残した。スクショが捗ります。

刘宇はとにかく番組コンセプトに合致している、というのがEP.5までを見ての感想である。この番組のコンセプトが「中国が送り出す国際的ボーイズグループ」なのであれば、デビュー組のセンターが中国人練習生になるのは必然なのではないか。それが中国舞踊もできる練習生ならなおさらふさわしい。なんだかうまく出来すぎている気もするが、ぜひこのまま1位を独走してセンターデビューしてほしい。

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おまけ:NineのVlogで京劇の「腔(独特な節回しの歌い方)」を披露していた。ほんま万能すぎる…


②開花を待つ全能イケメン『周柯宇(Zhou Keyu/ジョウ・クーユー)』

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超大手事務所の練習生でこちらも番組開始前から有名。俳優としても活動している。
アメリカ生まれで本名はDaniel。身長188cmの18歳。身体の半分以上が脚か?と見紛う抜群のスタイルに、クールで美しい顔の持ち主。年齢に見合わない大人びた雰囲気に陰のある色気が唯一無二の存在である。派手ではないが、つい目が追ってしまう。

■第1回公演 『Radio』

重要な歌い出しを担当、その美声で会場からは「Oh, My God!」の声があがっていた。国際色豊かなチーム内で、中英バイリンガルの周柯宇はチームメイトの通訳を買って出たり、タイからの練習生Patrickの悩みを静かに聞いてあげたり。このチームはちょっとやんちゃな印象かつまだ十代の若い練習生も多く、男子校のような雰囲気の中で、なかなか感情を見せない周柯宇が年相応にわちゃわちゃと練習を進めているのが微笑ましかった。そんなやんちゃな彼らが失恋ソングを美しいハーモニーでこなしたものだから、そのギャップたるや。『Radio』組、箱で推せます(あとみんなほんまに歌がうまい)。

歌もダンスもそつなくこなし、メンターたちの期待を集めるも突出したスキルやパーソナリティーを見せず伸び悩み、主題歌評価ではまさかのCクラス落ち。これにはメンターたちも(おそらく視聴者も)落胆した様子だった。なんなら私も落胆した。

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迎えた初回順位発表では5位。「みなさんは僕のどういうところが好きですか?」というややトンチンカンな問い掛けから始まったスピーチは、初めて彼が自分の内面を晒け出した瞬間だったかもしれない。
それまで何事にも興味が持てずにいたところを、練習生になって歌やダンスを習い始めて初めて「これに興味あるかも」と感じたという。事務所社長のインタビューを読んだところ、「芸能の素地は全くないが、とにかくルックスが良く、何より若い」と伸びしろに期待してイレギュラーで採用したらしい。その期待を裏切らず、聡明で習得速度が速いとのこと。

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「みなさんは僕のどういうところが好きですか? 次にこれを聞くときには、”彼のパフォーマンスが好きだ”って言ってほしいです。」
事務所のプレッシャーからか、背伸びしたい年頃だからか、それまで「期待に応えたい」「もう負けたくない」と虚勢を張ったコメントが多かった周柯宇のこのスピーチは、年齢相応で可愛らしく、逆に好感度が上がってしまった。

どんなことでも、そんなに苦労せずに一通り人並み以上にこなせてしまう人はいる。熱するのに時間がかかるタイプのようで、今ひとつ殻を打ち破れていない様子がもどかしい。でもそんな「完璧に見えて全然完璧じゃない」ところが、応援したいと思わせる。

数ヶ月にわたるプデュを勝ち残るのに必要なのは「分量(カメラに抜かれる尺)」「ストーリー(課題にぶち当たってそれを乗り越えるさま)」である。『何事もそつなくこなす優等生、クールで色気のあるイケメン』だけでは生き残れない。
今回で「ストーリー」の振りはなされたので、今後そんな彼が感情を発露させ、今まで出せなかった姿を見せるイベントがあると期待している。プデュあるあるでいくと「課題がうまくこなせずチームの足を引っ張ってしまい、思わず泣いて練習室を出て行ってしまう」的なやつです。

タイムリーにも今配信されている主演ドラマ『我曾记得那男孩』では年相応のやんちゃな男子高校生役なので、ああいうちょっと憎たらしい感じ、もっと出すといいと思います。「女孩」みたいなのやるといいよ。


③ハッピーと笑顔をふりまくザ・アイドル『高卿尘(Gao Qingchen/ガオ・チンチェン/Nine)』

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タイから参加した2人の練習生のうちのひとり。もとは俳優で、タイで一大人気ジャンルであるBLドラマなどに出演していた。タイには『アイドル練習生』の文化がなく、機会を得るためにはるばる参加したとのこと。練習生期間はなんとたった3ヶ月。
努力家で愛嬌満点、とにかく見るもの全員をハッピーな笑顔にするザ・アイドル。「事務所の”可愛い担当”です」の自己紹介も納得する。さすが微笑みの国からの刺客である。
余談だがinstagramを見ると昔は結構スタイリングが違っていて、印象がガラっと変わる。

■レベル分けテスト『Me and My Broken Heart』 

登場から練習生仲間の「小九!(愛称で、9ちゃん的な意)」のエールが飛ぶなど、すでに練習生の間で愛されキャラとして認知されているのが伺える。
同じくタイから参加した大親友のPatrickとともに見せた初回パフォーマンスでは、キュートな見た目とは裏腹に男らしいボーカルを披露。ギャップ満載のステージを届けた。いなたい印象になりがちな男子のボーカルデュオがうまく成立しているのにも感心したし、BL的な振り付けも気が利いている。なによりたった3ヶ月で歌・ダンス・そして中国語をここまで仕上げてきたことからも、NineとPatrickがいかに努力家かがわかる(まじで中国語の上達が早くてビビる)

■第1回公演『yummy』 

初回公演ではJustin Bieberの『yummy』を選択。自身のチャームポイントである愛嬌と満面の笑顔を封じ、セクシーで蠱惑的なステージを披露。これには同じタイ出身でメンターの先輩・Neneも「あなたのセクシーなパフォーマンス初めて見たけど、すごくいい!」と大絶賛。多面性を見せることが重要なプデュでは好調な滑り出しだと言える。センターの賛多とチームメイトの不和においても、なんとか間を取り持とうと気を使ったり、賛多を励ましたりと、とにかく性格の良さが大きな魅力である。

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『努力家で笑顔がかわいい頑張り屋』で、ミニ番組でも仲間の練習生からマスコット的に愛されている様子が伝わってくる。撮影後にスタッフに何度もお礼を言って頭を下げたり、古琴や京劇を教えてもらってテンションが上がったり、パフォーマンスで漢服を着せてもらって子供みたいに喜んだり、数ヶ月ぶりの母親との電話で涙を流すのを見て、もはや「推したい」というより「幸せになってほしい」とすら思わせる。

画面映えするからかカメラに抜かれることも多く、ミニ番組の出演回数にも恵まれている。自分をよく見せようという雰囲気が一切なく、とにかく自然体で努力している様子がダイレクトに伝わってくる。
初回順位発表では16位。歌とダンスの才能はあるものの、3ヶ月の訓練期間では『パフォーマンスにおいて自分をどう見せるか』までには至れておらず、その点が他の練習生に遅れをとっていることは否めない。ここから先どれだけ成長を見せられるかが順位を伸ばすカギになる。

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「僕にはまだ足りないところがあるって知ってるけど、それでも力を尽くしてデビューしたい、成功を収めたい」
いつもふわふわとして可愛らしいNineの珍しく意志のこもった強い言葉にドキッとさせられてしまった。母国でチャンスに恵まれないからこそ中国まで来た。愛嬌を振りまいてはいるけれど、内側には不退転の覚悟と切実な願いと情熱がある。Nine、ますます推せる。

ところでNineのVlogが環境映像ばりに癒しなのでぜひ見てほしい。自分が可愛いということを理解している。

撮影終了後の「今日はいろいろできてほんとに楽しかったので〜、またVlogを撮れる機会があるといいなあ、っておもいますね〜」
タイなまりの中国語がめちゃくちゃ可愛いので、これ以上流暢にならないで欲しいという複雑な思いがあります。


……あと5人くらい語りたい練習生がいるけど、余力があったらまた後日書きます。 


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