20220330_アクリレートの製造法

脱水法からエステル交換法への移行

アクリレートの工業的生産法は脱水法とエステル交換法があります。
■脱水法
脱水法では硫酸による酸触媒での脱水を行うので、残留する硫酸エステルが何かと悪さをする。酸触媒による加水分解お起こし、アクリル酸が不純物として増え、アクリレート製品の金属腐食性や皮膚刺激性につながります。

■エステル交換法
一方でエステル交換法の方が硫黄が生成物に残留しない点で品質にメリットがある。しかし、製造工程で原料のアクリル酸メチルや交換によって生じたアルコールを除去する工程が必要であり、アクリル酸エステル蒸気の気相部での重合(ポップコーン重合)に注意する必要があります。1,4-付加によるマイケル付加物にも注意が必要です。

名古屋大学のプレスリリース等を見るとエステル交換法優秀な触媒としてBHTのナトリウム塩やマグネシウム塩が報告されています。
マグネシウムイオンがエステルのカルボニル酸素を活性化し、アルコールの求付加を進めるようです。

[参考]

日立テクニカルレポート

https://www.mc.showadenko.com/japanese/report/046/46_r5.pdf

東亞合成テクニカルレポート
https://www.toagosei.co.jp/develop/theses/detail/pdf/no22_08.pdf

BHT触媒(名古屋大学プレスリリース)
https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20201218_engg1.pdf


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